一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

注文住宅を考えたら「住宅の考え方が180度変わる」住宅勉強会やセミナー、他では聞けない住宅や建築がわかるブログ。

住宅の床材提案・タイル・大理石(2)

2006年11月22日 09時39分02秒 | 住宅の材料を考える
おはようございます、清水です。

このブログは、皆さんに学んで頂くことと、ミタス一級建築士事務所の考え方の紹介、ホームページより簡単にアップしていけるので、情報発信していくクセを付けるためにも、できるだけ毎日書くようにしています。

本日は、あるタイルについても紹介しましょう。
浴室用の床タイルですが、イナックスからあまり冷たくないタイルが出ています。
「あまり冷たくないタイル?」というとわかりにくいですが、多分気泡や熱伝導率の低い材質を混ぜているのでしょう。

今年の初めに、このタイルを床に使った浴室の新築を完成させました。
通常はお手入れや使い勝手を考えてコストパフォーマンスの高いユニットバスが多いのですが、こだわった場合は、現場で造ったり、完全オーダーでユニットバスにしてしまうこともあります。

残念ながらこの床タイルは、浴室だけにしか使えません。他にも可能なら、トイレの床や洗面の床にも使いたいのですが、メーカーが × としているので、使えません。私や現場監督は、確かに洗面所のタイルと「冷たさが全然違う」とその上に乗ってみて驚きあっていましたが、ミタス一級建築士事務所の女性スタッフは「…違いがわからない…」でした。(笑)冷え性とのことでしたので…。


この家には、玄関ホールに大理石、洗面所にはウエットスーツのお手入れをされるので水がよくこぼれることを想定し、お手入れを考えて大理石調のタイル、トイレの床には御影石、その他の1階、2階の床には特注色の無垢フローリングを採用しました。

地下室の床は鉄筋コンクリート造で、シアタールームや仕事などに使うためかなりの機器類とその配線が増えてくるので、フリーフロアーという簡単に床が剥がせて配線が通る空間があり、仕上げ材にはタイルカーペットを使いました。

空間ごとに使う材料を変えましたが、最後にひとつ大理石の床について話を追加しますと、玄関をあがったホールの床が大理石の床ですから冷たいと思いますね?

真冬の夜ににお伺いしたときには、私とスタッフ全員がお伺いしたときには、エアコンも止まっていました。でも、玄関ホールの足元の大理石も室内も暖かいのです。

その理由は、家全体の断熱性能を高めて(もちろん正しく工事しないと、材料だけ良くしても無理です)しまえば、昼の太陽の熱と地下室の暖房だけで家全体が温まり、さらに大理石もその熱を蓄熱したので、暖房を止めていても家も大理石も暖かかったのです。お伺いしたときには暖房は止まっていましたが、地下室の暖房を数時間前までは入れていたとのことでした。


高校生2年生のときに、「快適な住宅を設計する建築家になろう」と私は決めました。快適な住宅ってどうすれば良いのか、未だに良くわかっていないのですが、大学のゼミで「快適な室内空間を数値化する」というテーマに惹かれて、熱環境のゼミを選択して松本衛先生に師事しました。温熱環境は最も大切な要素のひとつだと考えています。




神奈川県横浜市  ミタス 一級建築士事務所のホームページ 
http://www.mitasu.com/

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