美しい姿勢で話し方レッスン   shimaoka minobu          

美しい姿勢は、一生の宝物! 「見た目を磨くレッスン」と「コミュニケーション力を磨くレッスン」のヒント集

初めての物語、熊川版『眠り』

2023年10月28日 08時03分59秒 | バレエ

渋谷はもう厳戒態勢、島岡美延です。ハロウィンイベントの予定がないのに人が集まる街。

渋谷オーチャードホールで今月上旬に上演されたK-BALLET TOKYO『熊川版 眠れる森の美女』を東京文化会館で観ました。テレビでバレエ団25周年記念のこの作品を熱く語っていた熊川哲也氏。さすがの自信作、舞台の美術セットから別世界に誘います。

1幕に森の場面を作り、オーロラ姫(日髙世菜)とデジレ王子(山本雅也)が出会って恋に落ちる。しかし、森の奥に封印されていたカラボス(小林美奈)を王子が復活させてしまい、その呪いで王子が姫を殺める手先にされて――。

もちろん3幕は姫と王子の結婚式なのだけど、ドキドキ感アップの斬新な物語、演出。K-BALLET TOKYOのプリンシパルは、主役を踊らない日にリラの精、婚約者ほか様々な役を踊るので、この日も7人のプリンシパルの踊りを見られて大満足。

今年は『眠れる森の美女』上演が多く、他のバレエ団との見比べも楽しみ。

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ドビュッシーで「かぐや姫」

2023年10月21日 07時39分19秒 | バレエ

お出かけ日和の土曜日、島岡美延です。川崎市制記念の多摩川花火大会も予定通りできそう。

花火の季節に限らず、見上げて探してしまう、月。昨夜、東京バレエ団創立60周年記念第一弾『かぐや姫』全3幕、世界初演の初日に東京文化会館へ。日本を代表する振付家、金森穣に委嘱された作品。2021年秋に第1幕、今年4月に第2幕、そしてついに全3幕。音楽はドビュッシー。

シンプルな舞台装置。月や竹藪などの照明、映像表現。海や竹に自在に変化する「緑の精」など、多くの衣裳はダンサーの肉体の美しさが際立つ「全身を包むユニタード」が基本。翁に育てられ宮廷に送られるかぐや姫の秋山瑛は、白。帝の正室・影姫は育休復帰の沖香菜子で、赤。そこに着物をまとったり。

かぐや姫が月に帰る場面の「光の精」は『ジゼル』など〈白いバレエ〉の伝統に男性群舞も加わり、圧倒的。月は満ち欠けを繰り返しながら、地上の物語を見つめていたでしょうか。海外公演もぜひ行ってほしい傑作グランド・バレエ、誕生!

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4年ぶり、オペラ座の美に興奮

2023年07月30日 07時14分48秒 | バレエ

昨夜見かけた浴衣姿は隅田川花火大会、島岡美延です。4年ぶり開催で100万人以上だったそう。

上野で花火に負けない「華」を堪能。4年ぶりの感動は『パリ・オペラ座ガラ ―ヌレエフに捧ぐ―』。特にエトワール昇進後、初お披露目のオニール八菜(ハナ)がBプログラムで3演目!

ジェルマン・ルーヴェとの『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』の超高速技巧に拍手の嵐、二人が余韻を残して去っていく時、これぞ〈眼福〉と思わず涙!

マチアス・エイマンとの『コム・オン・レスピール』は初めて見た作品だったけど、オフバランスが多用された美しさにうっとり。第三部は、再びルーヴェと魅せた『ライモンダ』。カーテンコールで拍手と歓声が鳴りやまず。

10年前の『バレエ・アステラス』に登場したオニール八菜、その確実な歩みを何度か目撃してきた幸せ。2017年に初めて観た瞬間に心を奪われたルーヴェ、これこそ王子の美しさ。来年はバレエ団としての来日が決定。なんとしても行かなきゃ。

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この夏、海外公演の東京バレエ団

2023年05月21日 07時12分28秒 | バレエ

「対面」であることの意味を痛感、島岡美延です。ゼレンスキー大統領が各国首脳とハグ、握手。

コロナ禍で出来なかったことが本格的に復活しているこの5月。4年ぶりの海外公演(7月にオーストラリア)もある東京バレエ団の『ジゼル』を東京文化会館で観てきました。

古典の名作に欠かせない「一糸乱れぬ群舞」。東京バレエ団は特にその完成度が高く評価され、昨年秋『ラ・バヤデール』で文化庁芸術祭大賞を受賞。

『ジゼル』は婚礼を前に死んだ若い女性の霊ウィリの伝説がもとになった物語。ダンサーたちには何かが乗り移ったよう。初めてジゼルに抜擢された中島映理子は1幕では無邪気で誰からも愛される村娘。2幕になると、恋人の裏切りによって死んだのに魔性のウィリたちから彼を守ろうとする至高の愛を見せ、体重がないかのような、まさに、この世のものではない踊りを体現。

かつて、ジゼルを当たり役としていた芸術監督、斎藤友佳理。秋には新制作『眠れる森の美女』、ますます楽しみ。

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最後、と決めた舞台で最高の輝き

2023年05月20日 07時39分06秒 | バレエ

G7首脳がそろって広島平和記念資料館へ、島岡美延です。国や地位が違っても、生きている人間が感じることはそんなに変わらないはず。

昨夜、『堀内充バレエコレクション2023 FINAL』へ。1年前に今回が最後になることが発表され、実に見事な「完走」でした。堀内充氏は1983年ローザンヌ国際バレエコンクールでローザンヌ賞受賞。コレクションは彼の振付作品を中心で、もちろんご本人も踊ってきました。

男女のパ・ド・ドゥから、大勢が入り乱れるように踊る作品まで、ダンサー各人の良さを引き出す振付。ウェストサイド物語をベースにした作品では、対立するチームの闘争、マリアとトニーの愛、バレエが表現できる最大限のものを見せてくれました。

ラフマニノフのピアノコンチェルトNo.2に振り付けた新作でフィナーレ。11年間、コロナ禍でも続けた舞台、お疲れさまでした。有終の美って、ダンサー、スタッフ全員の鍛錬の賜物。強く心を揺さぶられた舞台でした。

 

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上野でバレエ、もりだくさん

2023年04月30日 07時22分45秒 | バレエ

雨も風もまだやまない日曜日、島岡美延です。

そんな今日も開催中なのが『上野の森バレエホリデイ』。昨日、東京文化会館では、入場無料のホワイエ(ロビー)でバレエ衣装の展示や様々なバレエショップが登場。小ホールではトークイベントも。

大ホールでは東京バレエ団『かぐや姫』第二幕(世界初演)『イン・ザ・ナイト』『スプリング・アンド・フォール』。

先月ハンブルク・バレエ団を率いて来日したジョン・ノイマイヤー振付『スプリング・アンド・フォール』は男性群舞、女性の軽やかさが見事。『ウェストサイドストーリー』で有名なジェローム・ロビンス振付『イン・ザ・ナイト』では夜会服の男女3組が素敵。

金森穣振付『かぐや姫』第2幕。欲に目がくらんだ翁によって宮廷に連れてこられたかぐや姫が月の引力を操って・・・、という展開。ドビュッシーの音楽と衣裳、美術、何をとってもその斬新さに釘付け。10月にはいよいよ全3幕の世界初演、大いに期待!

 

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恋の喜びを踊る、菅井円加

2023年03月11日 07時39分37秒 | バレエ

東日本大震災から12年、島岡美延です。14時46分地震発生、15時37分(大川小学校)など津波到達時刻で止まった時計も。あなたは何を記憶していますか?

昨夜、東京文化会館でハンブルク・バレエ団『シルヴィア』を鑑賞(12日まで)。菅井円加は3回の舞台で主演。2012年のローザンヌ国際バレエコンクール第1位、今やバレエ団の顔。ジョン・ノイマイヤー芸術監督在任50周年、区切りの日本公演。

森に暮らす男勝りのニンフ、シルヴィアは狩りが得意。羊飼いアミンタと出会って互いに惹かれるも反発。そこへ恋の神アムールが・・・。愛の神話を「自立心ある少女が思春期から女性へと移行する内面の葛藤、心理」に焦点を当てるバレエに。

十数人の男性の中で一人、赤いドレスのシルヴィア。終盤に白髪交じりのシルヴィアとアミンタが偶然再会、その踊りの美しさ! 男性並みのジャンプから繊細な表現で魅了する菅井円加、バレエ団の魅力全開。

 

 

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上野水香、一つの集大成

2023年02月13日 07時34分08秒 | バレエ

マスク着脱より不思議ルールの改定を、島岡美延です。劇場のブラボー禁止、満員の観客に「お帰りの際は他のお客様と距離を」「クラスターが発生した場合にご連絡」って・・・。

それはともかく、東京バレエ団特別公演『上野水香オン・ステージ』Aプロ最終日が素晴らしかった東京文化会館。先日、ローザンヌ国際バレエコンクール50周年記念ガラで踊ったばかりの上野水香。彼女がローザンヌで受賞したのは30年前、東京バレエ団でのキャリアに一区切り。

『白鳥の湖』オデット、ヌレエフ振付『シンデレラ』、そして『ボレロ』。実はゲストのマルセロ・ゴメスが肋骨を痛めてシンデレラの出演のみに。それゆえかBプロの『チーク・トウ・チーク』も。全く雰囲気の違う4作品の踊り分け、圧巻。まだまだ踊り続けてくれることを確信。

東京バレエ団のイリ・キリアン振付『小さな死』。男女のダンサーが最小限の衣装で肉体で魅せます。日々の鍛錬が舞台上に全てさらされるバレエダンサーの美しさ、あらためて感動。

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12月に「くるみ割り人形」の幸せ

2022年12月18日 07時23分23秒 | バレエ

雨が上がって晴れる日曜日、島岡美延です。雪の地方の皆さんはまだ警戒が必要で天気予報を聞くたび申し訳ないような気分に。

雪の国の魔法は舞台上で・・・。昨日は東京文化会館で東京バレエ団『くるみ割り人形』昼の回を観てきました(公演は本日まで)。特に着飾った親子連れが多いクリスマスの定番。イヴの夜に人形たちの不思議な世界に迷い込む少女マーシャの物語。

初めて見る、涌田美紀&秋元康臣(くるみ割り王子)ペアの美しく伸びやかな踊り。芸術監督・斎藤友佳理による2019年の新製作版は斬新、本場ロシアの劇場スタッフによる美術も想像を超えた驚き。鍛えられたダンサーたちが夢と幻想の世界を生み出します。

思えば、2020年は一度もバレエ公演に行けず、2021年は定員半分の客席、今年は満員の観客の前で輝きを放つダンサーの姿を何度も見ることができました。「ブラボーの掛け声禁止」の決まりは一応続いているけど、「出てしまう声」を聴くことも。行動制限のない師走、という幸せ。

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東京バレエ団、舞台を観る幸せ

2022年07月23日 07時33分08秒 | バレエ

コロナ過去最多を連日更新、スポーツ界もギリギリ、島岡美延です。大相撲では取組編成に苦慮、プロ野球巨人軍では70人以上が感染。歌舞伎座は休演を発表、政治家も・・・。

東京文化会館で東京バレエ団『ベジャール・ガラ』を観てきました。ダンサーは本番直前までマスク着用のリハーサルで、無事に幕が上がることを祈る日々。歌舞伎やミュージカルなどと違い、1つの役は1回限り、も。その瞬間に懸けて鍛錬してきた成果を確かに堪能させてもらいました。

東京バレエ団が、20世紀最高の振付家の一人、モーリス・ベジャールの傑作を上演し続けて40年。9年ぶりの『火の鳥』を含む4作品。『ギリシャの踊り』では、古典の群舞とは一線を画す、何十人もの男女のダンサーたちによる〈母なる海〉が圧巻。

反戦のメッセージを込めた『ロミオとジュリエット』。長きに渡りプリンシパルの上野水香と柄本弾の『バクチⅢ』。ベジャールの命や愛に寄せる想いが力強いエネルギーとなり、〈踊りの原点〉を体感した夜。

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