いきなり20度を切った涼しい朝、島岡美延です。
旅行は季節を予測して計画したいけど、今年は秋らしい景色が少し遅れ気味。広い中国なら季節の変化はどうかしら。映画『西湖畔に生きる(27日公開)』をご紹介します。山水映画といわれた『春江水暖』のグー・シャオガン監督が描いたのは、茶畑が広がる美しい風景と恐ろしいマルチ商法に高揚する人々。
龍井茶の生産地として名高い西湖のほとりで暮らす母タイホアと息子ムーリエン、父は以前から行方不明。茶畑の仕事をしていた母は、仲間に誘われ、マルチまがいの集会へ。いい暮らしを願い、のめり込んでいく母。ムーリエンが大学卒業後に入った会社は高齢者をだまして商品を売りつけており、嫌気がさして故郷に戻った時、母は洗脳され別人のように。なんとかして母をここから救いたい、そう考えた彼がとったある一線をこえる行動とは――。
マルチ集会のシーンは、俳優に事前に知らせず、周りに心身の専門家を待機させての撮影だったとか。リアルさが怖い!