北のはげおやじの徒然日記

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旅行記(その3)

2014-04-18 11:41:00 | 

この日も快晴の朝を迎えた。二人とも朝風呂(ユニットバス)に入り、NKの朝の連続ドラマを見てから、1階のレストランに出向いて朝食をいただくことにした。


ホテルの窓から長野市内を写す

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 レストランの入り口で係の方に食券を渡そうとしたが、見当たらない。杖を使わないもう片方の手にIPADと携帯電話の間に挟んで食券を持っていたが、どうもエレベーターの中かロビーを歩いているうちにすり抜けて落としてしまったようだ。胸ポケットにでも入れておけば、そのような失態はせずに済んだものを全くドジなものである。食券を落としたことを告げ、探しに戻ろうとした時に、係の人が、「部屋番号をお教え下さい。それでよろしいです。」と対応してくださり、部屋番号を告げてレストラン内に入る。旅行先で不愉快な思いをさせないように配慮してのことと思うが、嬉しかった。

 

 ホテルの朝食バイキングの品揃えは、どこも似たような気がするが、レストラン内に「地元の新鮮な野菜」と書いたポスターが貼ってあり、和食・洋食用の主食、みそ汁、スープ、お惣菜、サラダ、デザート、各種ソフトドリンク、アイスクリームまで揃い、どれを選んだら良いのか迷うほど。今回は、おかゆを中心にお惣菜などを取り揃えいただいた。IPADを開きネットを見ながら(行儀が悪い)、朝日を浴びて心地よく食事ができた。レストラン利用者の2/3は東南アジア系の方々のように見受けられた。

 

 因に、朝食バイキングでは、新橋のホテルコムズ銀座の地下にあるレストランで出しているものが好きである。種類が豊富で好みのものが、品質もよく、コストパフォーマンスに優れていると思う。

 

 食後、部屋に戻り、二人とも用をたしてすっきりしたところで、ホテルを出て善光寺に向かう。ナビで善光寺を設定し、いざ出発。天候はいいものの、長野ではまだ桜は咲いていないようである。どの木も、つぼみであった。ナビに誘導されるまま善光寺本堂脇まできたところで、駐車場を探そうと、お土産物を売っているお店の関係者と思われる若人に、「本堂参拝の後、仲見世を散策したい。駐車場を探している」と伝えたところ、ここに駐車すると、すぐ本堂への入り口があると薦められた。500円を支払って駐車する。料金を受け取りながら若人は、「一応2時間となっているが、何時間でもいいからゆっくり見て来てください」と優しく対応してくれた。

本来なら、山門を通って仲見世を通り、本堂に向かうのだが、今回は、本堂脇から、いきなり本堂に入り、お参りなどした後に、山門を通って、仲見世散策に向かう逆ルートで行動することになった。

 本堂は、流石に大きい。木造の大きな建造物はいろいろなところで見て来た(東大寺大仏殿、出雲大社、知恩院、東本願寺などなど)が、それらに負けない偉容である。創起1400年になるそうだが、現存の本堂は幾多の火災に遭い、1707年に再建されたものであるとのこと。

 

 本堂では、いつものことではあるが、「家内安全」「健康維持」「世界平和」などを祈って手を合わせた。この瞬間ばかりは、旅行気分で浮かれていても、一瞬、厳かな気持ちになるのは、ミーハーな私だけか。

 

 参拝を済ませた後、妻は偉容を誇る山門に登りたいということになり、私は下で待つことになった。境内を目的もなく散策していると、添乗員につれられた一行が目の前を、説明を聞きながら通っていく。添乗員の説明は、私の知らないことが多く、なるほどと思わせる。ずーっと着いていった訳ではないが、添乗員の方の説明が聞こえるような位置で、私も一緒に説明を聞かさせて頂いた。本堂に向かって手前右手に大勧進という建物があるが、そのお堀には古代蓮(大賀蓮)が植えられているそうである。

 

 本堂を背にして、妻の写真を撮ろうとしたところ、若いご夫婦(多分)のご主人が、「よろしければご一緒のところをお撮りしますよ」と親切に申し出てくれた。頼んだ訳でもないのに、親切にお声がけして頂き、お言葉に甘えて、撮って頂いた(妻の意向で写真はアップ致しません。ご了解を)。お返しに、私も若夫婦を撮らせて頂いてお別れした。旅先でのこのようなちょっとした心遣いが、旅をいい意味で印象深いものにしてくれる。


大勧進の橋の上から山門(手前)と本堂(向こう)と一番手前の竹垣に囲われた部分に古代蓮

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山門から仲見世を写す(妻が撮影)

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その後は、仲見世散策である。微風快晴の気持ちのよい天候のもと、ゆっくりした足取りで、一軒一軒道路から覗きながら歩いた。浅草寺の仲見世は、ファッション用品、昔ながらの和装小物、おもちゃからお土産物までバラエティに富んだお店が軒を連ねているが、善光寺のそれは多くが仏事用品を扱う店で、所々にお土産屋さんと飲食店があるような造りである。われわれは、本堂からは一番外れ、入り口の山門を通ってすぐところに建っている「おみそ」を扱うお店で、何人かの知人用にお味噌のセットなどを購入した。お味噌である、結構な数量を購入するとかなり重たくなる。妻に、袋を二つにしてもらい半分ずつもとうと提案したが、妻は、私の膝への負担を考慮して、自分一人で持つといい、私は楽をさせて頂いた。通常、買い物などに私もお供をする(私はスーパーなどで鮮魚などが並んでいるのを見るのが好き)が、いつも(私は)手ぶらで、妻が重い荷物を持つのが我が家の夫婦で行動するときのパターンになっている。

 

 仲見世の散策を終えたのが丁度12時頃、不思議と言おうか、予報が的中と言おうか、初めての経験であるが、前日から「明日は前線の通過により、北陸以北は12時から15時にかけてにわか雨」と予報が出されていたが、まさしくその通り、にわかに曇りだしたかと思うと、車が走り出した頃には、ぽつぽつと雨が降り出した。こんなに予報が的中したことは今まで経験したことがなかった。日本アルプス見物を、前日に切り替えてまさしく正解であった。


入り口の門から本堂方面を写す(「門前みそ」ののれんのお店で、お土産を買った)

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 ナビに案内されるまま、一路水上温泉を目指す。ルートの詳細を確認しないまま走っていると、私が思い描いていた街を通らない。どうも、北回りのルートをナビは選択したようだ。高速利用で南回りコースを選択すると205.4m(所要時間3時間)、一般道で南回りを選択すると147.1Km(所要時間4時間47分)に対して、北回りだと高速と一般道を併用し165.5Km(所要時間4時間29分)となる。所要時間を考えると、距離は伸びても高速利用の南回りコースを通るべきであったが、ナビに誘導させるまま、北回りのコースを通っていることに「ここから新潟」という看板を見て気がついた。お粗末である。しかし、考えようによっては、南魚沼に高校時代の同級生(毎年、魚沼産コシヒカリを送って頂いている)が住んでおり、お会いすることはできないが、どのような町(数年前に群発地震が発生)なのか見る機会となった。

 

 1度も止まることなく、水上温泉に入り、そのはずれにある「ペンション朝ねぼう」(若隠居さんにご紹介いただいた)に16時過ぎに到着した。


ペンション朝ねぼう(ホームページから)

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 8台程度が駐車できる駐車スペースには1台の車もなく、気兼ねすることなく駐車。妻と二人それぞれがキャスター付きのスーツケースを持って、玄関に入る。ご主人が出迎えてくれて、若干の説明のあと、鍵を渡されるが、今日は「ほかに宿泊客はいないので鍵はおかけいただかなくてもいいですよ」とのこと、私は、人との接触を避けるより、求める方なので、若干テンションが下がる。

 

 そう言えば、湯布院に泊まった時にも、宿泊する部屋は、それぞれが独立した離れになっており、部屋に入ってしまうと、二人きりで、人との接触が食事処や共同の露天風呂などに行かなければまるでなかった。見ず知らずの人との接触は煩わしさを感ずる時もあるが、旅の目的には、人との新たな出会いを期待する部分もある。旅先で、地元の居酒屋に入り、店主やお客さんと楽しく会話するのもそう言う出会いを求めるから。それゆえ、離れ形式の宿には、正直泊まりたくないと思ったものだった。

 

 「露天風呂の準備ができたらお知らせします」と言われたような気がしたが、その知らせがなかなか届かない。利用できる状態になっていることを確認し、18時頃に、ちょっと坂を上ったところにある露天風呂に二人で入る。水温がちょうど良く、長く入っていても湯疲れしにくいいい温度であった。脇に枝垂れ桜が固いつぼみのまま立っていたが、これが咲いた頃には、また、いい雰囲気になることが想像された。いい露天風呂だ。

 夕食は1830分と約束していたので、それに間に合わせて露天風呂を出て、そのまま食堂へ入った。

 

 洋風料理とホームページに出ているが、前菜、パイの包み焼き、鶏もも肉、豚肉料理をメインに、蕗の薹や舞茸の天ぷらなども出て来て、十分な量である。最初に、ドイツワインの甘口の白のハーフボトルを注文し、乾杯。甘めでフルーティーな白はなかなか美味しい。白ワインをほどなく飲み終えて次に頼んだのが、フランスコートドゥローヌ地方のなで肩のボトルに入った赤ワイン(シャトーの名前、ビンテージは確認しなかった)。適度に渋みもあって飲みやすいワインであった。アルコール類は安価で提供して頂けるのはとても良かったが、ワイングラスにはちょっと拘って頂けるとなお良いと思ったのは私の贅沢か。話し好きのご主人がずーっとついてくださり、同じく話し好きの妻と会話を楽しみ、私はワインを飲みながら、主に聞き役。どんな話をしたのか良く覚えていないが、ご主人は昭和24年の早生まれとのこと。私より1学年上のはずだが、ご病気で2年留年しているため、学年は私が上だと話しておられた。実は私も高校3年の時にオートバイ事故で1年留年して卒業しているから、卒業は同年なのだが、説明が面倒なので黙っていた。私が乗ってきた車の話になり、ご主人は2月に車を新しくされたらしく、「白い車を見なかったか」とのこと。実は気がつかなかったが、ボルボのV60を購入したそうだ。セダンも欲しいが、飼っている4匹の大型犬(ゴールデンとラブラドール)を乗せられることが車購入の条件になるため、この車にしたと話しておられた。終わりの方には、調理を終えた奥さんも加わって、長く話し込んだが、3時間を越え、潮時と食事を終えることにした。ご飯とみそ汁もあると言われたが、ワインを飲み干すことで精一杯、満足して部屋へ戻った。

 

 翌朝は、前日午後からの曇天が嘘のように、また晴天である。妻は、一人散歩に出かけ、ペンションの犬を伴ってお散歩。犬舎を開放してやると、人なつこい4匹の犬が、初めてあった妻に従い、まるで主人の後をついてくるようだ。2階の窓から眺めるととても微笑ましい。我が家の柴犬「耕太」は、柴犬特有の警戒心が強く、気ままなところがあり、気にいらない相手には威嚇したりするが、ここの犬には、全くそれがない。散歩から帰って来た妻が、「誰にでも懐いてしまうのはどういうものか」と少々、懐疑的(?)な発言をしていたのが印象的。犬の臭いがついたからと、一人露天風呂に入り、7時30分から朝食をいただいた。パン、サラダ、スープなどのほかいろいろなものがテーブルを飾ったと思うが、思い出せない。今度は奥さんが主に、会話の相手をしてくれた。朝日を浴びて、心地よい。このペンションを継ぐお子さんはおられるのかというような話を妻がしていたように思うが、どういう答えだったのか、忘れてしまった。

 

 9時過ぎに、ペンション前と、私の車とご主人のボルボを並べた駐車場で、写真をご主人に撮って頂き、ペンションを後にした。