Canon FTb
FTbは天体写真に興味を持った小学4年生の時に使い始めたカメラ。当然初めての一眼レフ。初期型のFTbなので、1971年から1973年に製造されたものでしょう。約40年前のカメラです。1973年にFTb-Nとしてマイナーチェンジされています。Canonが5年かけて作ったF-1のサブ的存在ですが、金属の塊のような硬派なボディと確実な機械式シャッターは頼りになります。これよりあとのCanonの中級機は自動化し、電子シャッターに変わっています。
小学生のころはほとんど天体写真にしか使っていなかったため、露出計の電池を入れずに使ってました。そのために一般的な撮影も勘に頼っていたためにいい露出の勉強になった(感覚がついた)と思っています。手持ちでCanonのFDレンズがあるので、再び使うことにしました。もともとFDレンズの描写はいつも使っているNikkorよりも好み。また露出計の電池を入れず勘で撮るのでどのように仕上がるのか、楽しみです。
高校にて。この時使っていたFD50mmf1.4はカビが発生していたためにややソフトフォーカスになっていました。でも今となっては、それもいい味です。
Canon FTb + FD 50mm f1.4 (TMY)
もっちゃんのNIKKOR-H Auto 50mm f2を整備していて自分でも気に入ったので、自分もジャンクを整備して使ってみることにしました。このレンズは、NIKKOR-H C Auto 50mm f2とNIKKOR-H Auto 50mm f2の組み合わせ。・・・わかりにくいですね。型式に"C"が付いてるか、付いてないかですが、C付きは、Cなしとはコーティングが違う後継機種です。ただし、Cのレンズはあまりにもカビがひどすぎて使用できず、Cじゃないレンズは鏡筒に問題がありました。よって、レンズ本体はCじゃなくて、鏡筒はCというレンズが完成しました。ついでにAi改造したので、このようにD2Hにも装着できますし、最新のD4にも装着できます。しかもちゃんと絞り値も表示されます。
Nikon D2H + NIKKOR-H Auto 50mm f2 Ai改
接写リングを付けて、接写してみます。昔のカメラやレンズはこのようにプリントではなく、彫りこんだ刻印をしていました。ニコンにAi Noct-Nikkor 58mm F1.2Sという夜景・天体写真向きのレンズがあります。"Noct"というのは、夜想曲を意味する"Nocturne"。でも刻印を間違えて"Noct"を"Nocf"(tをfと間違えた)となってしまったレンズが小数市場に出回ってしまいました。おもしろいエピソードですね。
Nikon F5 + Ai AF Micro-Nikkor 60mm f2.8(SUPERIA PREMIUM 400)
2013年正月にフィルムで撮ったポートレート。実は先日、写真の原画データを入れていた外付けハードディスクが破損し、2009年から2012年までのデジタルカメラで撮った原画(RAW)を失いました。それ以前はCD-R及びDVD-Rに保存済み。サイズダウンしたJPEGは無事(別のHDDに保存)でした。
こうしてデジタルカメラのデータは、いとも簡単に消えるんだなと実感しました。ハードディスクの論理的な問題ならなんとかなるでしょうが、物理的な破壊となると、復活不可能です。
この子が私と同じ歳になって、今のデジタルカメラのデータをパソコンで拾い上げて見ることができるでしょうか? それまでにハードディスクが何台必要で、入れ替え作業を何回繰り返し、ファイルをその時のパソコン等の再生機器に適合できるよう何回コンバートするのか。しかも日々増えていくデータを・・・と考えると気が遠くなります。産業界でもだんだんこのことが大変なことと認識されつつあるようです。
対してフィルムは、私が生まれる以前からのものがモノクロフィルムであればほぼ完璧に、カラーフィルムであればやや退色していながらも原画として残っています。しかもフィルムはラフに保存していてもそれほど劣化しません。しかもデジタル技術との併用で、退色や傷もきれいに修復した画像を得ることができます。
この写真はフィルムを使っているので、「形」として残り、適切に保管されている限りは人間の一生以上の寿命があります。こういう写真はできる限りフィルムで残し、将来彼がこのフィルムを受け継ぐことができればと思います。フィルムは1枚1枚結果が出るまで時間と手間がかかります。その時間と手間の間に撮ったときの想いが蘇ってきたりすることが心地いい時間となっています。このプロセスを通じてより貴重な1枚になっていっています。フィルムとデジタルを併用することでお互いの欠点を相殺することもできるため、両者の利点をうまく利用して写真を楽しみたいですね。
また、フィルムで撮影するときの緊張感や集中力に慣れていると、デジタルでもそれが発揮されます。結果、「無駄」な写真を撮ることがなく、アーカイブの資源を結果的に減らして効率よく保管することにも繋がると思います。
もっちゃんの"Nikon NIKKOR-H Auto 50mm f2" 1960年代に発売された標準レンズ。今でいうボディとセットになるレンズは標準ズームですが、当時は50mmの単焦点レンズが使われていました。明るくて、小さくて、写りも最高しかも安いというというのが50mm標準レンズ。画角も自然ですね。
さて、このレンズはヘリコイドがスカスカ、レンズ内にカビ有り、ホコリもあり。整備の方針は、これらすべてを解消すること。完全にオーバーホールします。分解しようとすると、前面の押さえが固着して外れません。これでは中の整備ができないので、固着している部品を取替え前提にして、無理矢理外します。外してみると、ネジの部分が潰れていたので、当たって曲がったか、変な感じで取り付けられていたかしていたのでしょう。ジャンクのレンズからこの部分は入れ替えますが、ナンバーが刻印されている部分というのが残念。。ですが、実用レベルにするためには仕方がありません。つまり、ナンバーが修理前と修理後変わります。
分解してしまえば、この標準レンズは構造が単純なので、どんどん分解し、掃除をし、グリスを注油し、また掃除をして、組み上げます。最後、絞りの連動レバーを合わせるのにひと苦労しましたが、オーバーホール完了です。カビも完全に除去できました。ヘリコイドのトルク感も新品同様に復活です。
このレンズはD2Hに装着できないので、去年の夏に同じく分解整備して復活したNikon FEに装着してテストします。FEは古いレンズも使える工夫がしてあります。結果はまた。