レコードの話もアナログとデジタルでしたが、先月海外のサイトで最新のデジタルカメラとフィルムカメラを比べてる記事を見つけました。ここのサイトはフィルム、しかもブローニー(主に二眼レフ使用。)で撮った写真を掲載していますが、それはもう、すばらしいです。で、この記事、APS-Cサイズのデジタルと、ブローニーの645の解像度などを比べています。印象は、う~ん、、、という感じ。あまりにフォーマットサイズが違いすぎ、デジタルに分が悪い。APS-Cのセンサの面積とと645のフィルムの面積は数倍違います。大人と子どものような違いがあります。同じフォーマットサイズで比べてみたいものですね。
この記事に出てくる645のカメラはこれ。富士フイルムのGS645S。1980年代発売のブローニーサイズ(645判)の機械式カメラ。とてもコンパクトでNikon F3よりもずっと軽いです。山岳写真はより分解能を求められますし、カメラが軽量であることも求められます。そのニーズにピッタリのカメラ。今も愛用者は多いようです。自分も単独で登山に行くときに使います。(ゆっくり写真が撮れるから。)ただ、今はブローニーをスキャンできるスキャナを持っていないので、公開できません。
Nikon F3 + Ai Nikkor 50mm F1.2S (TMY)
しばらくプリアンプを外していたので、レコードは聴いていませんでしたが、久しぶりにのんびりの夜、ターンテーブルを動かしてみると、音がふにゃふにゃ。早くなったり、遅くなったりビートしてます。ま、このビートはしばらく動かしておくと直りますが、スピードは再調整。測定器がないのでCDと聴き比べ。自分で楽しむものなので厳密でなくてもいいのです。
スピードを調整した後も聴き比べていましたが、CDとレコード、なんとなく音が違います。レコード特有のパチパチ音は考慮しないとしても。自分の印象では音楽の躍動感がよりあるのはレコードという印象ですが、好みの問題なので比べること自体がナンセンスでしょう。たびたびどっちが優れてるんだ??なんて話題になりますが。気分的にターンテーブルを回し、針を落とす動作は今から音楽を聴くぞという気分に仕向けてくれるのでしょう。パチパチ音も心地よく感じます。おそらく小さいころレコードで音楽を聴かせてくれた両親のおかげでしょう。リラックスさせる要素のひとつです。
綾戸智恵の"To you"のLPレコードをブログを書きながら聴いていますが。2005年発売の新しいレコード。録音がいいのでしょう。すばらしいですね。寝る前にビル・エバンスのピアノを聴きましょう。
レコードを真空管アンプを使って、最新のスピーカーユニットを使った自作スピーカーを鳴らし、音楽を聴きながらモノクロフィルムを現像し、出来上がったフィルムをスキャナでデジタルデータとしてPCに取り込む・・・というなんかいろいろ時代が混ざっています。ま、昔からいいものは別のものに変えたり、姿を消す必要はないのです。
仙台市
2011年3月中旬は長野へ雪山を楽しむ予定ですでに航空券も取っていましたが、東日本大震災と長野県も大きな地震に見舞われました。3月11日は平日。職場で被災するリアルタイムの映像を見ていました。地震発生からすぐに仙台に住んでいるみちこにメールを送ると「だめ、死にそう」の返事が。鹿児島にいて何もできないもどかしさがなんとも心に残っています。
Nikon New FM2/T + Ai Nikkor 45mm F2.8P (NEOPAN PRESTO400)
米沢市
東北は2008年に5日間ほど滞在し4県を周りました。津波に見舞われた地域も見て、写真も撮っていますが、今や景色が変わっているでしょう。自分にできたことといえば、こちらから送る支援物資の仕分け作業のボランティアに参加しましたが、もっとやりたい反面現実の生活を考えるとなかなか行動できないのがまたもどかしい思いでした。
気仙沼市(撮影:みちこ)
古く、長く使っていないレンズは内部にホコリが入ったり、曇ったり、カビが生えていたりして使用に支障があるものが多いですが、構造が簡単なので分解清掃することができます。このレンズ(RICHO XR RIKENON 35mm F2.8)は絞りが不良。機構部や羽根に油がついて粘っているのでしょう。とても動きが悪いです。
絞りより前にあるレンズ群を取り外すと、絞りの羽根が見えてきます。油のようなものが見えますね。これをベンジンと綿棒で取り除いていきます。
絞りより後ろのレンズ群を外して後ろから絞りをみたところ。これは清掃後です。羽根よりも機構部分に油が付着して重くなっていました。再び、組み立てて完成。新品同様に復活しました。
Nikon F2
この固体は私の誕生年(1975年)に製造されたもの。F2は1971年に登場した完成度の高い機械式カメラで、適度に使用しメンテナンスをしていけば半永久的に使用できると言われています。自分も7年使用してきています。最近はこのようにファインダーを外して、ウェストレベルで使用しています。天体写真を撮るときにもこのほうが都合がいいので。欲を言えば全面マットスクリーンとウェストレベルファインダーが欲しいですが、そのうちに。
この写真を見て、あれ??と思った方もおられると思います。そう、ブラックボディのF2の底がシルバーなんです。もともと、真鍮にブラック塗装のブラックボディと、めっきのシルバーボディが存在します。それを組み合わせたような感じになっています。
2年ほど前1.5mの高さからコンクリート面に落下させてしまいました。しかもそこは斜面があり、落ちてからごろごろと転がっていったのです。でも故障せず、底板が凹んだだけ。ただ、底板と裏板が干渉しているせいか裏板が開きづらい状態でした。そのまま使い続けていましたが、重い腰を上げて修理します。
一部パーツをすでに外していますが、このボディがいかに使い込まれたかを感じました。落としたときに左端を損傷しています。
底カバーを外すとカメラの中身が見えてきます。シャッターブレーキのパーツ群が目立ちます。しばらく巻き上げてシャッターを切ってと動きを観察。すべてが連動して動く様子はまるで生きています。内部はきれいな状態で、損傷も見られず。
シルバーの底カバーを取り付けたところ。取り外した底カバーを観察してみると、ん??特に変形も無し。あれ?と思いながら試しにまた元に戻してみると、裏板の開閉もOK。てことは、落としたショックで底板が押し込まれただけだったようです。ま、でも気分転換にシルバーに換えてみようということで。おそるべきF2ですね。堅牢性は優秀です。これからも大事使い続けたいと思います。自分とどっちが長く生きるか!?
アンプの話が続いたので、スピーカーも。このスピーカーは自分がメインで使ってるもの。9年前に自作しています。10センチのウーファー+ドームツイーターの2ウェイバスレフ型。10センチのウーファーに対しては外形寸法が大きいですが、エンクロージャー(箱)内に工夫をし、エンクロージャー内で発生し音を濁らせる定在波をキャンセルするために断面が三角や丸の断面の木材を貼り付けています。よって内部の容量はそれほど大きくない。7リットルほど。普通のスピーカーはこの定在波を抑えるために吸音材(グラスウールやフェルト)を用いますが、振動版の動きが鈍いというかドロンした感じになる締りのない低音になってしまいます。定在波は平行な面を行ったり来たりする音波で、四角のコンクリートの部屋で手をたたくといつまで経っても音が反響して消えませんね。あれです。要は平行面を無くせばいいですから、構造的にスピーカーの一部を斜めにしたり、このような四角のスピーカーでは吸音材を貼ったり、内部を工夫してみたりします。このスピーカーは吸音材を使用していませんので、低音が非常に明瞭で好結果となっています。
低域、高域をウーファーとツイーターで分けるネットワーク回路はシンプルにコイル、コンデンサ各1個ずつ。ネットワーク回路の設計は理論的には簡単ですが、実際にはカットアンド・トライです。理想は再生周波数帯域の出力レベルが、低域から高域までフラットになることですが、ウーファーとツイーターの役割分担点が存在するので、そこの音の繋がりをうまくやらなければなりません。測定器がないので、耳で調整します。3ウェイになると、これが2つありますから、頭が痛いですね。実際にスピーカーを厳密に測定するとすごいですよ。厳密に言うとフラットなスピーカーなんてほとんどありません山あり谷あり。こんなもんでいいんだって思ってしまいます。
材料はシナ合板。バッフル(正面の板)が写真で見ても材料が違うのが明らかですが、米松の集成材だったかな??当初はバッフルを取り替えられるように考えていましたが、エンクロージャー本体とバッフルが完全に密着しないので音がびびる場合があり、結局接着しました。メーカー製のスピーカーはMDFといって木材の小片を圧縮して作ったパーティクルボードの一種を使用しています。自作では合板を使いますが、これも音響的には優秀と言われています。このスピーカーでは表面のきれいなシナ合板を使っていますが、最近のスピーカー工作ではラワン合板を使います。最近合板が高くて。。ラワンでも表面をしっかり仕上げればとても美しく仕上がります。一枚板を使ったらどうなるか??って思う時もありますが、工作が大変でしょうね。集成材も若干反りがあるし。
この時期の山に行くとツバキがきれいです。花の大きさが、高隈山は小ぶり。霧島は大きい印象があります。美しいままで落ちてしまうので落ちた花も絵になります。高隈山で異様なほど地面が真っ赤になるところもあります。
Canon EOS-1N + EF17-40mm F4L USM (Ektar 100)
NFP Archives
http://www7.ocn.ne.jp/~mnarumi/
真空アンプ最後の紹介。これは自分で使っているアンプ。今まで紹介したアンプは依頼製作ですので、私のものではありません。手持ちのスピーカーが、高感度のバックロードホーンと低感度の2ウェイ。低感度のスピーカーもちゃんと鳴らしたい。てことでパワーも音質も欲張りました。初段は12AX7、出力管は6BQ5。いずれもかつてオーディオアンプによく使われていた真空管です。
アンプは主として2種類の回路があります。出力管1本で動作するシングルアンプと2本で動作するプッシュプルアンプ。当然プッシュプルアンプはシングルアンプに比べるとパワフルです。また歪み云々を比べると、プッシュプルアンプが有利となりますが、実際に聞き比べてどうかというと、シングルがいいという人もいるし、プッシュプルがいいという人もいるし。結局好みの問題になってきます。このように音楽という芸術を扱う分野、人間の精神的部分に語りかける優劣は物理的な性能とは一致しないことになります。
このアンプはプッシュプルアンプ。シングルアンプに比べると回路は複雑でコストも上がります。ただ、プッシュプルアンプといっても、普通言うプッシュプルアンプとは違い、”差動プッシュプルアンプ”と言われる回路を採用しています。説明すると長いのでしませんが、真空管アンプなのにトランジスタや定電流ダイオード等も用いています。通常、出力管のカソードはアースされますが、この回路ではアースされないので奇妙な感じに見えます。これによりよりピュアな音になるだろうという回路です。ただ、普通のプッシュプルアンプよりもパワーは出せません。
シングルアンプよりも部品点数が多く、作ってるとうんざりしてきますね。自分はシャーシに直接パーツを実装するのが下手なので、ラグ板に回路ユニットを作ってからシャーシに取り付けていきます。面積はとりますが、各回路ユニットを点検しつつ作り上げることができますので、間違いがないのが利点かな。将来回路を変更するときにもこのユニットごと取り替えます。
ついでにプリアンプも作ってみました。CDプレーヤーの出力は真空管アンプを動作させるのに十分なので直に繋げてもいいのです(今まででそうしてきた)が、コントロールセンターが欲しかったのが一番の理由です。遊びでアンプにしてしまおうと。もともとプリアンプはプレーヤーからの微細な信号を増幅してメインアンプに送り込むのがその役目。レコード(アナログ盤)の場合は、低域から高域に向かって出力が大きくなるように録音されている(RIAAカーブ)ので、それを補正するイコライザーが必要になり、プリアンプにそれが入っています。つまり、レコードプレーヤーの信号をそのままアンプのラインに繋げてもまともな音になりません。必ずPHONO端子に接続しましょう。このプリアンプにはイコライザーは入っていません。外付けとしています。
このプリアンプは設計というまでもなく、、オペアンプというそれ自体がすでにアンプである増幅回路モジュールを使用しています。つまり、この増幅回路モジュールを動かすための周りの回路を設計すればいいだけなので簡単。基板の中央。四角の黒いパーツがオペアンプです。
結果は設計通り。この真空管アンプを作る前は、メーカー製のアンプを使っていました。YAMAHA MX-1。電源トランスから左右単独でシャーシの中はモノラルアンプ×2という構成。重さ24キロ、出力も200W、でも外観はただのブラックボックスという大型アンプでした。このアンプから真空管アンプに移行しても違和感なく、むしろ繊細さは上のような気がします。
オーソドックスなシングルアンプ。初段に12AT7、出力管に6V6GT。12AT7はひとつの真空管の中に2ユニット持ってますから、1本で2チャンネル得られます。もちろん、チャンネルセパレーション云々を言うと各チャンネル1本がいいんでしょうが、追求すると、モノラルアンプ2台でステレオアンプ1セットにしてしまえという話にもなってきます。アンプはステレオ(左右2チャンネル)なので、中身は2セットのアンプが入っています。電源部が共通であったり、本機のように初段管が共通だったりすると、左右で混信することがあり、それが音を濁らせたり音場を狭くすると言われていますが、実際のところほとんど実用に影響ないと思っています。それよりもコストパフォーマンスを重視したい。このアンプではチャンネルセパレーションの改善は電源部に注意して設計しました。途中からフィルターを左右独立としました。
このアンプも6V6GTを用いていますが、エレクトロハーモニクス社製の最近製造されたものを使用しています。パワーもやや得られるような設計に。組み合わせるスピーカーは12センチフルレンジを使ったバスレフ。大型の箱に入れてみましたが、このアンプとの組み合わせでスケール感があり透明感のある音質となりました。
前紹介したアンプは、GT管の形状で統一していましたが、このアンプはMT管というGT管よりも細いタイプの真空管で統一しています。初段に6AU6、出力管に6AQ5を使っています。6AU6はもともと高周波増幅用ですが、オーディオに使用できます。6AQ5は6V6GTのMT管版で、6V6GTとスペックが同一な真空管です。小柄なMT管はあまり人気がないですが、アンプを小さくまとめることもできますし、GT管よりも安く手に入ります。形にこだわらなければいいアンプが作れます。手持ちの6V6GTは2本しかないですが、6AQ5なら高信頼管6005(軍用の規格)も含めて10本近くあります。このアンプの6AQ5は未使用新品のNEC製(1960年代製造)のものでした。
シャーシの中はかなり余裕があります。中央に電源回路、左右にシンメトリーに左右のチャンネルの回路を配置しました。信号線はLANケーブルを分解して使ってます。アンプ用の信号線は高価ですし、LANケーブルで十分。シールドされてないですが、ノイズが気になることもありません。
自作の10センチバスレフを駆動させてテスト中。低域から高域までとてもバランスがよくとても聴きやすいアンプとなりました。このアンプは依頼製作。スピーカーとセットで。スピーカーは8センチフルレンジのダブルバスレフ。形状はトールボーイ。細くて背が高いタイプ。テレビの左右に置くのを想定して作りました。ただ、8センチフルレンジということで、低域はちょっと物足りないですが、ボーカルは絶品です。