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捨てられないもの、について書こうとしたら。
なんでか耳鼻科顛末になってしまったのです、
それと夏よ来いって話とね。
今宵も稽古場で熱い話をし始めちまったのさ。
恋は、するもんじゃなくて。おちるもんなのさ。
巻かれてしまへ。若人よ。ふっふっふ。
若いって、ええね。
そうしたら最終のT子さんに、
「先生すっかり夏ですね」って言われちゃいました。
そんな今日は今年の浴衣デビュの日、
毎年デビュしてるわけですが。
誰も浴衣姿が好いね、なんて言ってくれたためしはない。
いまだかつて。
やまだかつて。
そんなどうでもいいことは、さておき。
私は人肌が好きです。(唐突)
手を繋ぐのも、この歳ながら好きです。
腕に絡まって、ぶらぶら(らぶらぶ)歩くのも好きですが、
一番好きなのは指と指を絡ませた感じのアレです。
小指と小指ってのも、いいですね。
以前、職安に向かう(その当時の)彼に付き合って、
車から降りて建物に向かうとき。
ついつい彼の手に自分の手が伸びてしまったら、
「こんなところでッ(怒)」
と振り払われてしまった。
確かに職安は、お手手繋いで行くような場所じゃない。かもしれない。
私の手は行き場を失って宙を彷徨った。
なんか、とてつもなく哀しい気持ちになったです。
それどころじゃなかったんでしょうが(彼)、
だったらなんで誘うのよ。出掛けようって。
行き先が、たとえ職安であっても私は嬉しかったものだけどな(遠い目)。
話元に戻して。
手を繋ぐのも好きだし、腕を絡めるのも好きだし。
髪の毛を、くしゃくしゃされるのも好きだし。
むぎゅうと、されるのも好きだし。
胸に私の頭を押し付けるようにして、
まふまふぽむぽむってされるのも大好きです。
体育座りの後ろから、ガバッと包み込むように抱(以下略
そんな私にも絶対だめな行為が、あります。
背後から、「だあれだ」って目隠しするやつ。アレ。
アレだけは、どんな親しい仲でもやったら最後。
急所キックか、
目潰しか、
脳天チョップか、
鼻先に肘鉄です。
どれかを、お選びください。
なぜ、その目隠しが駄目になったのか。
それは、さかのぼること23年ほど前。
モノスヤ中1の、たぶん春のこと。
入学して、すぐ気に入ってしまったエグチという男子(実名)がいました。
そいつは、たぶん私が熱視線を送っていることに気付いていたんでしょう。
なにかっちゃー、からかったり。
そばに寄ってきて、なにごとか囁いて赤面させたり。
さりげなく触れたりして、とにかく私を刺激するヤツでした。
そして、どんどんと好きになっていきかけたある日。
休み時間に背後から、
「だあれ」だの声が聞こえて私の視界が急に真っ暗になりました。
それも、
目の辺りが「生温かい」その気持ち悪さといったら。
急に視界が塞がれただけでなく、
それもヌルリとした湿っぽさを伴い、
とっさに私は大声を上げながらその手を振り払いました。
そして背後の主を睨み付けると、ヤツだったのでした。
(どうやら洗った手をふるった程度の湿り気で私にソレをやってよこしたらしい)
いつもはキャーとかヤメテーとか言いながら、
照れて嬉しそうにはしゃいでいた私が物凄い剣幕で真っ赤になって怒ったので。
ヤツも驚いたようでした、
そして慌ててその場を逃げ去りました。
その場は、それで事は収まったのだけど。
それ以来、目隠しされるとあの時の生温かな感触が甦り。
鳥肌が立つのです。
どんなに好ましい人にでも、
されて嫌なことの一つや二つあるってことの話。