アイドルと、他のジャンルのミュージシャンとの異種格闘技戦的な2マンライブ。
その初回?パイロット版?は、妄想キャリブレーション対岡崎体育。
オープニングアクトであり、全体をナビゲートしていたのはDJダイノジ。
若干お高く感じられた価格設定(当日4500円+D代)のせいか、
宣伝が行き届いていなかったせいか、前売券の伸びはいまいちだったようだが、
いざふたを開ければ妄キャリファンでフロアは埋まっていた。
そして、おそらくそこに居合わせた人の誰もが当初は予想していなかったと思うが、
実にシンプルに楽しく、そして素晴らしいイベントであった。
会場に入ると、すでにDJダイノジファミリーがステージパフォーマンス中。
自分で歌ったり演奏したりするわけではないDJがアイドル対バンに組み込まれているケースが
しばしばあり、でも、これまではどう楽しめばいいのかよくわからなかった。
しかしこのイベントでわかった。
(当日のツイートより↓)
*音圧があってそれだけでも良く感じたし、「悲しみキャリブレーション」→「創世のアクエリオン」では高まった。
音と曲が良ければ単純に楽しいなw これでいいんだなw
ボクはアンチダイノジではないのでw、エアギターも含め素直に楽しゅうござんしたw
↑何も難しいことなんてないのだな。身を任せ、楽しいことに素直に反応していりゃいいのだ。
ダイノジが芸人であり、空気を作り、掌握するのがうまかったのも大きい。人の好きなものを肯定する、
というのはとてもいい言葉だ。
*ダイノジが終わり岡崎体育。知らなかった彼が大当たり。
外見はアイドルヲタ。音源を全部作り、歌ったり演じたり口パクする芸。
今「お笑いスター誕生」があったら勝てる。「冗談画報」があれば出られる。
1曲目、説明と実況だけの曲でつかみはOK。全7曲40分。面白かった。
↑まったく知らなかった人なのだが、知らないゆえに最初の一撃が強烈きわまりなかった。
見る人に何を提供するかが重要なのであり、その形態・体裁はどうでもいいのだと強く実感した。
シニカルなネタを秘めつつどこか飄々としており、楽曲・ネタひとつあたりの密度が濃かった。
計算しつくされた感じとアドリブとの配合が見事だった。
*トリは妄想キャリブレーション。
いつだって世界にファイティングポーズ
もっとずっとキュンとしたいの
おもてなでしこ伝承中(新曲)
魔法のジュース
幻想恋花火
何故なら私、妄想少女ですの
YOUをちぇっくします!
の全7曲。
アンコールは出演者全員で妄キャリの「Catch Me Kiss Me」。
妄キャリは今まさにツアー中だけあって見事な仕上がり。
当初ボクは、妄キャリがOAでトリがダイノジか岡崎体育だろうと思い込んでおり、
リラックスして臨めたのが良かったのかも知れない。
いざ本編に入ると、妄キャリが堂々たるメインキャストで、よく出ている対バンより曲が多く、
プチ・プチワンマンくらいのボリュームがあった。いやー楽しかった。
↑「これは面白いと思っておかなくちゃいけないんだろうな」みたいな見栄と体裁に
心を惑わされることなどまったくなく、最初から最後まで全出演者がみな面白かった。
ストレートなこの感じは実に久しぶりだ。
見る者としての変な蓄積が一気にリセットされるこういう瞬間に出会えるから、「ライブ」は楽しい。
対バンライブはそこに未知との遭遇や化学変化が加わるから、さらに楽しい。
よくわからないものに対しても、先入観や決めつけをとりあえずうっちゃって、
その瞬間だけのうねりに浸ってみればいいのだ。
心身ともにリフレッシュできた気がする。それほど楽しいライブだった。