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プラスチック条約 交渉の現状と展望(下)

2024年12月30日 | 自然・農業・環境問題

「しんぶん赤旗」2024年12月30日

蛇口閉める 「入り口」の対策こそ

 韓国で開かれたプラスチック条約策定に向けた政府間交渉委員会で、世界の専門家とともに各国政府の代表に働きかけを行った東京農工大学の高田秀重教授の話の続きを紹介します。

 埋め立てについてみてみましょう。日本では埋め立てはプラスチック廃棄物の5%程度ですが、世界的にはこれまで生産されたプラスチックの約8割が埋め立てられています。埋め立てを行うと、プラスチックから有害な添加物が染み出して、長期にわたって河川、地下水、海を汚染し続けるという問題が発生します。

 これは、私たちの研究で明らかになったことですが、東京都日の出町の最終処分場に2000年まで埋め立てられたプラスチック廃棄物から有害なビスフェノールAが染み出して、今も多摩川を汚染しています。つまり、プラスチックの埋め立ては、負の遺産として長く環境を汚染し続けることになるのです。

 最後に焼却です。日本では、集めたプラスチックの最終処分方法として世界でも異常に多い70%を焼却処分しています。プラスチックを燃やすには、ダイオキシンなどの発生を少なくするため、高温で燃やせる炉や、有害物質を除去するための装置を備えた焼却場が必要となります。各自治体では、そのための焼却場を高額の費用をかけてつくっているわけです。

 プラスチックを焼却すれば二酸化炭素が発生し、温暖化を加速することになります。

汚染は解決せず

 このように、プラスチックの生産量を削減せず、有害な添加物を禁止しないまま、廃棄物管理をいくら強化しても、プラスチックによる汚染は解決しないことは明白です。

 廃棄物管理を行うためには巨額の資金を投じてそのための設備を整備する必要があり、どこの国でもできることではありません。そうした国への資金援助が必要になるわけですが、それも合意できませんでした。

 アフリカのルワンダの代表がプラスチックの生産量・消費量の削減と有害な化学物質の禁止などで拘束力のあるプラスチック条約とするよう発言し、多くの国々がそれを支持したのは、そうしたことも大きな要因です。

 これらのことからも、プラスチック汚染をなくすには、廃棄物管理という「出口」ではなく、蛇口を閉める、つまりプラスチックの生産量・消費量を削減するという「入り口」での対策が必要なことは明らかです。

 これまで5回開かれてきた政府間交渉委員会に私が直接出向いて各国政府の代表に働きかけたのは今回が初めてでしたが、産油国などの姿勢は一貫して同じで変わっていなかったといいます。

 日本もプラスチック廃棄物管理の強化が中心で、産油国と同じ立場です。会合では、プラスチックの生産量・消費量の削減と添加物の禁止などを求める国々と行動を共にすることはありませんでした。

人体に悪影響も

 断片化しやすい性質によって目に見えないほど小さくなったマイクロ/ナノプラスチックが環境中に大量に存在し、食物連鎖などを通じて人間の体にも入り込んでいます。私たちの研究で、日本人の血液や臓器からこのような微小化したプラスチックと添加剤が検出されています。

 人体に入り込んだマイクロ/ナノプラスチックは、腸などに炎症を起こしたり、免疫に悪影響を及ぼしたりする可能性があることが報告されています。添加剤は、男性の精子数の減少や、女性の子宮内膜症と乳がんの増加や流産に関連している疑いがもたれています。

 このように、今回の会合の最終段階で議長が示した素案に盛り込まれた具体的なプラスチック製品や化学物質は一刻も早く生産の削減・禁止が必要です。プラスチックと添加剤が人の健康と環境への重大な脅威となっていることを日本や産油国などの政府に、私たち専門家が伝えていく活動がいっそう重要になっていると感じています。

 重要なことは、合意を待たずに各国がプラスチック削減を進めることです。政府間交渉委員会に参加した国の多くが、削減に積極的に取り組む立場だったわけですから、それらの国が取り組みを進めれば、プラスチック汚染を改善することにつながるでしょうし、反対の立場だった国々の姿勢を変えていくことにつながるでしょう。 (おわり)


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さてさて、これもプラスチックで作るのでしょうね。
そして塗布する化学物質は安全なのでしょうか?
画期的技術が次々と生まれていきます。
なんかイタチごっこのようです。
この発電技術が一般化すると大きな電力会社は要らなくなるし、原発も必要なくなりますよね。

久々に写真をup。