課長と、部下のA氏がもめていた。
A氏曰く、「これは嫌がらせではないですか!!」
そう叫ばれては課長も黙ってはいられない。
「話し合いましょう!」と返す。
6月に異動してきて以来、A氏はことあるごとに、課長に異議を唱えてきた。
そのたびにかわされたり逃げられたりして、うっぷんがたまっていたようだ。
今回は服務の件だったので、急遽、副所長を巻き込んでの話し合いになった。
初めは、「まあ、まあ、ふたりとも落ち着いて」などと言っていた副所長だが、急ぎの仕事を中断させられたあげく、話の展開においてけぼりになったものだから、「ちょっと! わざわざわたしを呼んだんだから、もう少しわかるように話してよ!」と机をバン!と打ち鳴らして憤り、もめごとの炎がさらに拡大するかに見えた。
仕事の方針や方向性についての意見の食い違いではなく、「休暇の扱い」をめぐるもめごとであるというのは、いかにもお役所らしい。
その昔、自分にだけ、休暇の申請方法の変更が伝えられていなかったということで、課長にくってかかっていた年配の職員がいたっけ。
傍から見たら他愛のないことこの上ないが、当事者にとっては、メンツをかけた真剣勝負。
火事場の野次馬のごとく、こちらに火の粉が降りかからない限り、成り行きを見守るのは、なんだかワクワクとする。
野次馬どうし、連帯感のような空気も流れてくる。
時間にして40分ほどで、火の手は収まった。
類焼を免れた安堵感と、「ああ、もう終わっちゃったんだ」という物足りなさ……。
席にもどってきた彼ら、もちろん無言のまま、その日は言葉を交わす事もなかった。
同じ部署の中でもめると、あとあとお互いに居心地が悪くなるだろうし、歩みよりのきっかけ作りもむずかしいだろう。
A氏曰く、「これは嫌がらせではないですか!!」
そう叫ばれては課長も黙ってはいられない。
「話し合いましょう!」と返す。
6月に異動してきて以来、A氏はことあるごとに、課長に異議を唱えてきた。
そのたびにかわされたり逃げられたりして、うっぷんがたまっていたようだ。
今回は服務の件だったので、急遽、副所長を巻き込んでの話し合いになった。
初めは、「まあ、まあ、ふたりとも落ち着いて」などと言っていた副所長だが、急ぎの仕事を中断させられたあげく、話の展開においてけぼりになったものだから、「ちょっと! わざわざわたしを呼んだんだから、もう少しわかるように話してよ!」と机をバン!と打ち鳴らして憤り、もめごとの炎がさらに拡大するかに見えた。
仕事の方針や方向性についての意見の食い違いではなく、「休暇の扱い」をめぐるもめごとであるというのは、いかにもお役所らしい。
その昔、自分にだけ、休暇の申請方法の変更が伝えられていなかったということで、課長にくってかかっていた年配の職員がいたっけ。
傍から見たら他愛のないことこの上ないが、当事者にとっては、メンツをかけた真剣勝負。
火事場の野次馬のごとく、こちらに火の粉が降りかからない限り、成り行きを見守るのは、なんだかワクワクとする。
野次馬どうし、連帯感のような空気も流れてくる。
時間にして40分ほどで、火の手は収まった。
類焼を免れた安堵感と、「ああ、もう終わっちゃったんだ」という物足りなさ……。
席にもどってきた彼ら、もちろん無言のまま、その日は言葉を交わす事もなかった。
同じ部署の中でもめると、あとあとお互いに居心地が悪くなるだろうし、歩みよりのきっかけ作りもむずかしいだろう。