TOMATOの手帖

日々の生活の中で出会う滑稽なこと、葛藤、違和感、喪失感……などをとりとめもなく綴っていけたらと思っています。

本音は?

2024年11月03日 | エッセイ
先日、来年度の働き方についての人事面接があったが、結果、非常勤職員として継続したいという申出書を提出した。
すると、すぐさま副所長が席までやってきて曰く、「通勤時間が自宅からおおむね45分以内を希望だなんて、選択肢がすごく狭まってしまって、ことによると勤務先は見つからないかもしれないわよ。せめて60分ぐらいに書いてくれないと……」。
そうした個人的なやりとりは、通常個室でするものだが、よほど忙しかったのか、それともせっぱつまっていたのか、はたまた敢えて周囲に聞こえるようにしてプレッシャーをかけたかったのか。
狭くてシーンと静かなフロアである。
皆さんに丸聞こえである。
どうやら、職員を推薦する立場としては、是非とも再就職を成功させねばメンツがたたないのかもしれない。
しかしわたしとしては、無理して通勤時間の希望枠を広げて結果、続かずに年度途中の退職になるよりは、条件に合う職場がなければ、最初からこの話、なかったことにしてもらったほうが、採用側にもこちらにも、痛手が少ないと思うのだ。
1度退職したのだから、もうこれ以上、役所にしがみつかなくてもいいのではないかという思いもある。
採用担当者と採用される側。
立場の違いがはっきりと出た。
「ダメ元ってことなの?」と文字を書いて、彼女が再びわたしに聞く。
「ええまあ、そういう感じです……」と、わたしが答える。
ヤル気がないわけではない。
条件に合う勤務先があったら、そこでいっしょうけんめい働かせてもらう気ではいる。
が、正直、週3日、60分もかけて出勤するというのは、想像しただけでも心身ともに、負担でしかないのだ。

「この連休、よおく考えて、またお返事ください」「こんなこと言うと、書き直しを強制しているみたいだけど、そんなことはないのよ」と彼女が続ける。
いやいや、充分、強制してるように聞こえますけど……。
しかしもちろんそんなことは言えない。
「はい。お手数おかけして申し訳ありません」と答えておく。

そんなこんなで始まった連休は、両親の通院付き添いやらなんやらで、よおく考えている暇もない。
なんとなくわかったのは、通勤時間に関わらず、そもそも週3日勤務というのがすでにわたしにとって負担になっており、それで条件をわざわざ厳しくして、「マッチングする職場はありませんでした」と言ってほしいのかもしれない、ということだった。
コメント
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