テレビを観ていると、アクリル板越しではあるものの、徐々にスタジオに出演者が戻り始めた。『笑点』も無観客ながら、メンバーが互い違いに座って生演出を盛り上げている。
とはいうものの、一般人を対象にしたイベントや研修の類は、依然、オンラインが主流である。テレワークで文字だけリモートを経験してみたが、“映像入り”は未経験である。なにか、楽しいオンライン行事に参加してみたい、これを機会にzoomなるものを覚えたい、と思っていたところ、見つけたのは、「マインドフルネス一日体験講座」。
マインドフルネスが話題になったころ、その指南書ばかり買い集め、「呼吸に集中!呼吸に集中!集中!」と無理くりに集中しようとしたものの、10秒も持たずに、雑念まみれ。すっかり遠ざかっていたのである。ひとりではなく、指導者のもと、みなさんで集まればまた心機一転、やりなおせるのでないかと思い、さっそく申し込んでみた。
一番の懸念は、会場に赴くのと違い、パソコン操作を教えてくれる人が誰もいないということである。果たしてちゃんとつながるのか―?
“とってもかんたん”といううたい文句の操作マニュアルをプリントアウトして読んではみたものの、思いがけないことが起こるのがパソコンなのである。
開催当日は朝からそわそわ。なにしろ、この狭い1Kの部屋が背景だけとはいえ、丸映しになるのだ。あんまりパソコン画面をさげると、ベッドに座ったままなのがばれそうで、若干上向きにしてみる。
どうせマスクしてるんだからとずっと怠っていたお化粧を、実に半年ぶりに施す。そもそも、マスク無しで、ヒトと会うのは、ほぼ7か月ぶりである。あんまりアップに映してほしくない。
入室可能の10分前になると、画面を小さく区切ったひとこまひとこまに、ひとりふたりと、参加者の顔が映しだされてくる。よくテレビなどでお見かけする場面である。思いのほか、小さい画像なのでほっとする。
そして開始時間になると、主催者の、ひとのよさそうなお鬚の男性が登場。
テレビやビデオと違い、“見られる”状況に慣れていないせいか、なんだか照れくさい。
自己紹介が始まる。総勢15人ほど。中にはドイツから参加している女性もいる。
帽子やカバンのかかったフックや、本棚、ソファなどが背景に映り込んでいて、ひとんちをのぞき見しているようでもある。
途中、音声が途切れてはあたふた、コメント入れる操作におろおろ、2時間の講座はあっというまに終了。マインドフルネスどころの騒ぎではなかったが、それでも新しいことを覚えたような達成感はあった。
会場に実際に行くと、イベントが終わっても、すぐに帰るのもどうかしら、などと入口付近でいつまでもぐずぐずしていたり、帰りの電車が気になったりするが、オンラインだと、にこやかに両手を振って、「退室するボタン」をブツッと押せばそれっきり。帰りの心配をしなくても、どこでもドアをくぐったかのように、すでに家にいる。
この便利さ、潔さ、あっけなさがなによりも、すっきりと気持ちいい。体力の節約にもなる。
腰が痛かったり、寒かったり暑かったりと、出かけるのが億劫な時でも、外の行事に参加することができる。
“コロナ効果”ともいえるオンライン行事。この選択肢だけは、ずっと残してほしいものである。
とはいうものの、一般人を対象にしたイベントや研修の類は、依然、オンラインが主流である。テレワークで文字だけリモートを経験してみたが、“映像入り”は未経験である。なにか、楽しいオンライン行事に参加してみたい、これを機会にzoomなるものを覚えたい、と思っていたところ、見つけたのは、「マインドフルネス一日体験講座」。
マインドフルネスが話題になったころ、その指南書ばかり買い集め、「呼吸に集中!呼吸に集中!集中!」と無理くりに集中しようとしたものの、10秒も持たずに、雑念まみれ。すっかり遠ざかっていたのである。ひとりではなく、指導者のもと、みなさんで集まればまた心機一転、やりなおせるのでないかと思い、さっそく申し込んでみた。
一番の懸念は、会場に赴くのと違い、パソコン操作を教えてくれる人が誰もいないということである。果たしてちゃんとつながるのか―?
“とってもかんたん”といううたい文句の操作マニュアルをプリントアウトして読んではみたものの、思いがけないことが起こるのがパソコンなのである。
開催当日は朝からそわそわ。なにしろ、この狭い1Kの部屋が背景だけとはいえ、丸映しになるのだ。あんまりパソコン画面をさげると、ベッドに座ったままなのがばれそうで、若干上向きにしてみる。
どうせマスクしてるんだからとずっと怠っていたお化粧を、実に半年ぶりに施す。そもそも、マスク無しで、ヒトと会うのは、ほぼ7か月ぶりである。あんまりアップに映してほしくない。
入室可能の10分前になると、画面を小さく区切ったひとこまひとこまに、ひとりふたりと、参加者の顔が映しだされてくる。よくテレビなどでお見かけする場面である。思いのほか、小さい画像なのでほっとする。
そして開始時間になると、主催者の、ひとのよさそうなお鬚の男性が登場。
テレビやビデオと違い、“見られる”状況に慣れていないせいか、なんだか照れくさい。
自己紹介が始まる。総勢15人ほど。中にはドイツから参加している女性もいる。
帽子やカバンのかかったフックや、本棚、ソファなどが背景に映り込んでいて、ひとんちをのぞき見しているようでもある。
途中、音声が途切れてはあたふた、コメント入れる操作におろおろ、2時間の講座はあっというまに終了。マインドフルネスどころの騒ぎではなかったが、それでも新しいことを覚えたような達成感はあった。
会場に実際に行くと、イベントが終わっても、すぐに帰るのもどうかしら、などと入口付近でいつまでもぐずぐずしていたり、帰りの電車が気になったりするが、オンラインだと、にこやかに両手を振って、「退室するボタン」をブツッと押せばそれっきり。帰りの心配をしなくても、どこでもドアをくぐったかのように、すでに家にいる。
この便利さ、潔さ、あっけなさがなによりも、すっきりと気持ちいい。体力の節約にもなる。
腰が痛かったり、寒かったり暑かったりと、出かけるのが億劫な時でも、外の行事に参加することができる。
“コロナ効果”ともいえるオンライン行事。この選択肢だけは、ずっと残してほしいものである。