箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

戦うアリの夏・・・ 

2020-08-26 | *編集・夏/8月

戦うアリの夏・・・

 六箇山から中尾根道に下りてきた所で一休みにしました。 

おやつタイムです。 

私は昼食を二回に分けて後半をいつもおやつタイムとして休憩時に

菓子パンなどを口にします。

 

今日はパンの上に白い砂糖片がのった美味しそうなものです。

一日中セミの大合唱を聞きながら歩いていると、いつの間にか気に

ならなくなっています。

食べ終わり、ノドを潤して・・・ ふっと足元を見たときのことです。

 

パンの上に乗っていた白い砂糖片のかけら(大きさは10mm角ぐらいの

小さなもの)が落ちていて、そのまわりに5-6匹のアリ達が集まっていま

した。

この小さなご馳走を取り合いしているのか、それとも仲良く分け合う

のか・・・  どうするのかな?  と眺めていました。

 

ところが森に目をやっていた少しの間に・・・  あれ! 

何があったのかな? 

一匹のアリが独占してせっせと運んでいるではありませんか。

後には他のアリが見当たりません・・・どこへ行ったのかな? 

戦いに勝ったのか? 

話し合いが出来たのか? 

 

いずれにしてもご馳走を独占する事に成功したアリはどうやらその

全てを自分の住処に運ぶようです。

私はその時、これから約30分~このアリの道中に付き合うことになる

とは思いませんでした。

 

アリの大きさは5mm前後ですから自分の体の2倍ぐらいの大きさの

ご馳走を運ぶのは並大抵のことではありません。

まず枯れ葉がいっぱい・・・起伏があり自分よりはるかに大きな枯れ葉

の上や下を引っ張ったり押したり・・・枯れ葉の山では中に落ちたり・・・

また這い上がったり大変な様子です。

 

その内、大きな枯れ枝、木片が邪魔をする・・・ どうするのかな? 

するとご馳走の白い砂糖片を何とか枯れ枝に起こして立てかけたの

です・・・

それだけでもすごいのに・・・

今度は自分が枯れ枝の上に上がりそれを口にくわえて引っ張りあげるの

です。

すごい・・・がんばれ! 

やがて枯れ枝の上にあがり、ついに超えて反対側へ落とし・・・また、

枯れ葉の間を引っ張って進んでいるのです。 この繰り返しの連続です。

 

 

ところが大変です! 

別のアリの群れがそれを見つけてあっという間に集まり、7-8匹のアリが

ご馳走を囲め、かじり始めたではありませんか・・・

 

彼は必死になって周りを走り回って牽制していますが多勢に圧倒されて

います。

ああ~もうだめだ!

ここまで苦労してせっかく運んできたのに残念だな!  

 

私は再び風に揺れる木の葉を眺めながら・・・

ヘミングウエイの「老人と海」を思い出していました。

巨大カジキマグロを吊り上げながら、老船で一人で獲物に襲い掛かる

サメと闘うサンチャゴじいさんの姿です・・・。

 

しばらくして再度下を見ました・・・

何もない・・・  あれ?  もうみんな食べたのかな? 

ところが何と!  

少し先にあの彼が一匹で、少し小さくなった白い砂糖片を引っ張って

いる姿がありました。

 

私は感激しました・・・ どうやってあの修羅場を乗り切ったのだ? 

 

前もそうだったが、いつの間にか話がついたのか? 戦いに勝利した

のか?

不思議な光景です。

彼の住処はいったいどこなんだろうか? 

休むことなく一所懸命に運んでいる・・・ 相変わらずの山あり谷あり

なのに・・・

 

大きな岩コロに出た・・・

なんと口にしっかりと砂糖片をくわえたまま後ろ向きに上り始めた・・・

やがてその障害物もクリヤーしてしまった。

驚くことばかりだ・・・。

そして山道の斜面を下って行き、やがて見えなくなった・・・ 

でも気になるな! 

 

私はリュックからバードウオッチング用の双眼鏡を出して斜面を覗くが

見当たらない。

もう住処に着いたのかな?  見当たらないな・・・!

そのときだ!

少し遠くの枯れ葉の山陰から白い砂糖片が浮き沈みしているのが

見えた・・・

まだ運んでいるんだ!  すごいな!

 

振り返ると最初の場所からもう10M ぐらいの距離だ。

5mmのアリの10mだから・・・

人間だと1kmを2倍の重さの荷物を一人で、しかも敵と戦いながら、更に

険しい山岳地帯を運んだ計算になるな?

 

それにしてもあの二回の戦いにどうやって勝利したんだろう?

どうしていつの間にか敵のアリはいなくなったのかな? 

ご馳走に群がる敵をどうやって蹴散らしたのかな?

不思議です・・・!

 

 

それにしても冬に向けて夏の間せっせと働くアリの姿は、あの

「アリとキリギリス」の童話の世界ばかりでなく今、老境に差し掛かって

いる私にも、それなりの示唆を与えてくれました。

 

森の中の小さな出来事からいつも励ましと教訓を与えられます・・・

それに自然から与えられる感動と感激に感謝です。

いつもありがとう・・・! 

  あきらめて アリあきらめず 我恥じる   

            (一度は諦めてすみません)

 アリさんに 戦うすべを 教わりに            花詩 

’13 8・29

 

 


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クモのお荷物!?

2020-08-26 | *編集・夏/8月

クモのお荷物!?

 谷山谷(たにやまだに)から才が原池に出た所で一休みをしていました。

時折、涼しい風が吹いて汗を心地よくしてくれます。

 

私が一休みしている前方に大きなクモの巣があります・・・

この時期あちこちに蜘蛛(スパイダーマン)の狩りの場がありますね。

私が何となく見ていたら・・・

上から大きな枯れ葉がハラハラと落ちてきて・・・

なんと! よりによってそのクモの巣の上にしっかりと鎮座し居座って

しまいました。

狩りのクモ糸に 大きな葉っぱなんてなんとも迷惑な話ですね・・・

 

食事をしようと思ってお腹を空かせて待っているところに急におしゃべり

婆さんが上がりこんできて、喋り始めたようなもの・・・?  

ちょっと例えになってないですね・・・  

ビックリするやら、腹立つやら、おじゃま虫には早く帰ってもらいたい

気持ち・・・?

 

さて、どこにいるのか? 

家主のスパイダーマンはどうするんだろうな・・・?

少々の風に吹かれてもしっかりと枯れ葉はクモ糸に絡まって自然に外れ

そうにありません。

 

すると、しばらくして家主がヤレヤレと言った感じで、ゆっくりと出てきま

した・・・

そして、大きな枯れ葉の回りをあちこちと回りはじめて何かやっています?

偵察しているのかな・・・?

 

 

すると急に枯れ葉が持ち上がったかと思うと・・・ 

なんということか・・・!

あの大きな枯れ葉がハラハラと下に落ちていくではありませんか・・・

 

あら不思議!  どうやったのかな・・・?

なんとも・・・ !  (私は口をアングリです!)

 

一度クモの巣に捕まるとまず逃れる事が出来ません・・・

大きなトンボが巣にかかっているのを見たことがありますが、どんなに

羽根をバタバタしても取れませんでしたから・・・ 

それなのに・・・!

 

いらないおじゃま荷物は簡単に取り外して放り出せるのですね・・・

知りませんでした・・・クモの糸ってどうなっているんでしょうね・・・?

ビックリです!

 森の中をのぞいて見ているといろんな出来事があって、いつ迄も飽きる

事がありません・・・。

’13 8・26

 

  


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箕面の森の人もよう!

2020-08-26 | *編集・夏/8月

箕面の森の人もよう!

 箕面・外院のバス停を降りると数人のハイカーの方々が頭を下げて

迎えてくれましたが・・・ ?

うん ?   どうやら人違いのようでした。

 

今日は古参道から山越えをして勝尾寺へ、東海自然歩道から清水谷方面

への予定です。

外院の里山に入ると田畑で仕事をされている方が目に付きます。

稲も順調に育っている様子です・・・トンボが飛び交っています。

日曜菜園を楽しんでいる方々も見受けられます。

ノンビリとしたこの風情は私の いいな~感覚をいつも刺激してくれます。

左手に土手があり、農業用の大きな溜め池があります。

ここに上ると大阪が一望できるのでいつも寄り道をするのです。

外院の森の方から沢山の鳥がさえずっているので双眼鏡で覗いて

いました。 

すると、下の道から・・・

  「何か見えますか・・・?」 と 大きな声・・・

見ると20人位の団体さんの先頭の方が私を見て叫んでおられる・・・

  「 いえ!・・・   あっ!   今日でしたか・・・ ご苦労様です!  

   お気をつけて・・・! 」 と 私も叫んでいました。

 

そうか!

あのバス停におられた方々は 箕面山パトロール隊の方々で、今日は

山のゴミ清掃の日なんだ! と分かりました。

先頭の白い髭の会長さん NPO法人みのお山麓保全委員会のみなさん

始め、箕面の森の活動のまさに中心として活動されている先輩の方でした。

手を振ってやがて旧参道の方へ皆さんと上っていかれました。

その後、茶園谷のしらみ地蔵付近で別のゴミ清掃隊の方々にもお会い

しました。

本当にご苦労様です。

  

箕面の森は東京の高尾の森に次いで日本で二番目に小さな国定公園に

ありますが、都市近郊の森と言う事もあり、いろんな方々がいろんな思いで

森を利用し活用されています。

今日は森のゴミ清掃隊のボランテイア活動をされている方を含め、

私が箕面の森で目にした方々の 人もようをお伝えしようと思います。

 

 

箕面の森の人もよう!   (* 私の見た人たち・・・) 

 

・ ハイキング  

私も含めて森の散策、山歩きを楽しまれている方。 (ハイカー)

・ 自然観察  

箕面の森は日本でも有数の植物、昆虫類の宝庫ですから、ナチュラリスト

から子供まで沢山の人がやってきます。

箕面公園昆虫館や森の博物館(箕面ビジターセンター内)もあります。

・ バードウオッチング 

鳥もまた数多くの種類がいて四季折々楽しませてくれます。

私のように小さな双眼鏡を首にかけては楽しんでいる素人ウオッチャー

から、日本野鳥の会で活動中の方や、本格的な重機材を肩に野山を駆け

巡るプロカメラマンの方までさまざまですね 

・ マウンテンバイク(MTB)

山道を専用自転車で駆け回ります。

大人から子供まで・・・ しかし、同じ山道を歩くハイカーにとっては下り

斜面をスピードを出して下りてくる時などぶつかりそうになり ヒヤ! と

する危ない時があります。 

・ 山岳耐久トレイルランナー 

正式な呼び名は分かりませんが、体にフィットしたタイツに身を固め山道の

上り下りも走りながら駆けていきます。

私など何度も休憩しながら登っている山道でもスイスイと走って登る体力

には恐れ入ります。

・ 山岳競歩ランナー 

山を走らないまでも競歩に近い早足で、時には両手にウエートを持ち、

両足にウエートをつけてトレーニングしている方もいて、それで私を軽々

追い越していくので恐れ入ります。   若い女性の方もよく見かけますよ。

・ 障害者ハイキング 

ボランテイアの方々が目や耳、体の不自由な方々の手足となって山歩きを

いっしょに楽しまれている所を拝見しました。

・ 犬と散歩 & 用心棒代わり? 

大きな子牛のような犬と山道で出くわした時は腰が抜けるほどビックリし

ました・・・

いくら山の中でもリード(綱)はつけて歩いてください!  (怒)

森の中で犬の散歩か、ご自分の山歩きの用心棒か (ご婦人に多い!)?

 分かりませんが犬連れはよく見かけますね。

・ 絵を描く方 

滝道側や箕面川べりでキャンバスを立てて絵を描いておられる方々、

スケッチブックを片手にスケッチをされている方々の姿が絵になりますね!

・ デイトで  

若いお二人がしっかりと手をつなぎ合って歩いています。

森の景色よりお互いを見つめ合っているほうが多いのでは・・・  

(要らぬお世話でしたね!)   抱き合っている姿も見ますが、誰も

いそうにない森の中でも意外と目立つんですよ!  

・ ご夫婦連れで 

最近は団塊の世代と言われるようなご夫婦が、お2人の新しい趣味を

見つけた・・・と言う感じで多く森を歩いているのを見受けます。

でも、家の延長のような方々もいて夫婦ケンカもあり、見ていると面白い

ですよ! (失礼!) 

・ キャンプ  

指定場所以外原則禁止のようですが、全くお構いなしにテントを張って

キャンプをされている方々。

・ バーベキューパーテイ 

箕面ビジターセンターで予約すると もみじ広場で利用でしますが、指定

場所以外は禁止です。

でも、禁止にもかかわらず箕面川の川原や森の中でもいい匂いをさせて

いるパーテイがおられます。

・ カラオケ

これには参ります・・・ 大声が森にこだまして離れられません!

先日はおじさん、おばさんの団体さんでしたが森の中でのカラオケ設備

にはビックリでした。   韓国朝鮮語で絶唱されている方もいましたね・・・

(禁止場所でやったり、大声だしたり! 迷惑気にしない・・・これって

大阪名物?)

・ 太極拳 ?  

森の空き地でお一人でポーズを取っている方をお見受けしました。

あれは 酔拳の舞い か・・・? 

・ 子供たちの山歩き 

保育園児、幼稚園児、小学生など子供たちの山歩きは興味深々で好奇心

いっぱいなのがよく分かります。  森の中では生き生きとしています!

・ 若者達の森体験、自然活動  

教学の森にある 「箕面市立青少年野外活動センター」を利用しての

キャンプはいつも子供から若者達で賑わっています。

隣接する散策路、西尾根コースを歩いていると森の中から若い歓声が

よく聞えてきます。

・ 森の展望台つくり 

若者達が森の一部を切り開き、大阪が180度一望できる素晴らしい手造り

展望台を2ケ所作ってくれました。  (許可を取ったんでしょうね?)

その丸太のベンチで一休みしながらの大阪一望は私の楽しみの一つです。

・ 耐寒ハイキング 

中学や高校が真冬に全校挙げての学校行事としてされているようです。

この列に狭い山道で出会うとまず一時間は進めません 

・ サバイバル訓練 

ある時、ある中学での行事として生徒だけで雪の積もる後鬼谷でテントでの

野営、自炊、一泊キャンプをしている所に出会ったことがあります。 

すごい!

・ 教育 訓練  

ある介護学校の新入生訓練に出くわした事があります。

共に森を歩き、山に来ると一人一人の性格がよく分かるのです・・・ と

先生が教えてくれました。

たまに高校や大学運動部の活動を見ますが、相当厳しいですね・・・! 

・ 戦争ごっこ 

何と言う名称が分かりませんが、ある日冬の谷山谷で迷彩服を着た

完全武装の戦士と出会って ビックリ!

よく見ると雪の中に、木の上に、木陰にも沢山戦士がいるのです・・・

しかも拳銃や機関銃まで装備・・・軍用双眼鏡を見ながら・・・バリバリ・・・と!

おもちゃとはいえ、私は一瞬! どこに迷い込んだのかと思いましたよ・・・

・ 漫才の練習

若い男の2人連れです・・・ 熱心なのにまったく面白くない!  笑えない!  

それが面白かったですが、でもいつか吉本の舞台を賑わせてくださいよ。 

・ 音楽の練習  

音の大きなラッパを鳴らしている時、音程がはずれたりするとそれを聞き

ながら歩いている私などはずっこけてこけそうになります。 

でも、先日は望海の丘でバイオリンの素晴らしい音色が森の中に響き渡り、

うっとりした心地で聞き惚れてしまいました。

・ 野点  

森の平地の中で赤い毛氈の上でお茶のお手前をされている方々に出会い

ました。自然と一体になって優雅ですね・・・

その後、尺八の音色が森に響き渡っていました。

・ ハンモックで読書 

木と木の間にハンモックを吊り、読書中の方がいました。

風に吹かれながら宙に浮き、気持ちよさそうでした。  落ちないで! 

・ 木登り 

最近は子供だけでなく、ツリークライミング? と言うのでしょうか・・・

ロープを使って登ったり、木と木の間を渡ったりスポーツ感覚の木登りの

ようですね。  まるで忍者みたいでした。

・ 写真撮影  

箕面の森の四季の風景を専門に撮り続け出版されている写真家の方々も

おられます。  早朝から夜景まで、それに一年中森を歩いておられます。

私も箕面の森の写真を見るのが好きなのでその方々の個展にもよく

でかけます。 きれいですね 

・ ボランテイア活動 

森のゴミ収集、森の環境安全パトロール、道案内の表示取り付け、森の

間伐作業、森の案内ガイド、自然観察会、山麓森づくり、箕面ホタルを守る、

山道の階段づくり、子供と自然と遊ぶ活動、箕面川の清掃・・・まだまだ沢山

のボランテイア活動があります。

 ・ フォレスト ランブリング (森の散策)

私が今 楽しんでいるものですが・・・

 

箕面の森の利用、活用にも人それぞれの目的によってかくも多様な活動が

あるものだなと感じ入りました。

貴方はどのような分野に興味がおありでしょうか?

’13 8・22

 


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森は早や 晩夏!?

2020-08-26 | *編集・夏/8月

森は早や 晩夏!?

 今日は東海自然歩道を歩いて見ました・・・

明治100年記念事業の一環として東京・高尾山まで連なる

全長、約1700Kmの自然歩道です。

その西の起点がこの箕面ビジターセンター前から始まるのです。


今日はいつになく多くの人々で賑わっています。

見るとバーベキュー広場も家族連れでいっぱいです・・・

夏休み中の子供たちが網やかごをもって、セミや蝶々を追いかけて

います。

カメラマンが渓流の岩場で、川トンボにレンズを向けています。

ハイキングスタイルの中高年の団体さんが準備をされています。

箕面大滝も朝から沢山の人々で賑わっていました。

先週の人出と大違いでビックリです。

 

最初の岩場の斜面を一歩一歩上り、ぎふちょう橋を渡って森に

入ると、もう爽やかな風を肌で感じます。

ヤマグリが小さなイガグリをつけて実っています・・・

クロアゲハ蝶が頭上を飛んでいきます・・・

杉木立の合間から空を見上げると、真っ青な空に白い綿のような雲が

ゆったりと浮かんでいます。

 

いつものように私は、ゆっくり ゆっくりと森に浸りながら歩みます・・・

ウリカエデ、ヤマザクラ、アカマツ、リョウブ、ヒサカキ、ミツバツツジ

・・・ この山道は針・広葉樹の混交林なので変化があり、いつも

季節感を楽しめます。

しばらくアップダウンを繰り返すたびに、汗かきの私は一休みです。

 

リュックを下ろして横をみると・・・

倒木の根元に大きく白いキノコを見つけました・・・ 

食用可能なのか、毒キノコなのか分からないので、いつも鑑賞する

だけですが・・・

すると何か大きな昆虫が ノソ ノソ とやってきました・・・

キノコの傘の下に来たので近寄ってみると・・・

角に特徴があるので、オオクワガタのメスのようです?

子供の頃はよく鎮守の森・神社の境内などで昆虫採集をしたもの

です。

カブトムシやクワガタ、タマムシやコガネムシ類などいくらでも採れた

ものですが、今は養殖されて店で見かけるだけのようで残念です。

それだけに、久しぶりに自然の昆虫に出会うと感激です。

 

ミンミンゼミ、クマゼミ、アブラゼミ、ツクツクボウシ・・・

セミの大合唱も耳が慣れて、もう夏のバックグランドミュージックになり

ました。

東の方角から ゴ~ン~ と、鐘の音が森に響き渡り、読経が風に

乗って聞こえてきました・・・

お盆の勝尾寺も参拝の方々でにぎわっている事でしょうね。

 

ガラ岩場を登り、最勝ケ峰(535.5M)から開成皇子のお墓

(宮内庁管理)前で一礼し、いつもの展望岩場でお昼にしました。

ここは茨木から生駒山、金剛山まで大阪が一望できるのですが、

夏場は樹木が繁り、少し視野が遮られます。

ここまでドンカメ足で約100分・・・ 普通の人の2倍以上です。

それにしても下界の人々の賑わいに比べて、ここまで誰とも出会って

いないのですから、不思議な感じです。

 

東海自然歩道の箕面最高峰・証如峰(604.2M)との表示を

見ながら尾根筋にでると・・・

少し冷たい感じのする涼しい風が吹いてきました・・・

オニヤンマが飛んでいるので目で追いかけていたら・・・

最近めずらしい赤とんぼが、膨らんだススキの穂にとまっています・・・

これが晩夏というのだろうか・・・?

 

帰路は自然8号路から清水谷林道へ下りました。

西から太陽が谷間を照らすと、間伐の行き届いたスギ林の林床まで

光がしっかりと届いています。

小さな谷川にもその光が届くと、キラ キラ キラと川の水に反射して、

周りの草木に影絵のような動きをかもし出しています。

 

そんな小さな流れを眺めていると、つい手を伸ばして浸してみました。

   冷たい!

夏の山水はどうしてこんなに冷たく、気持ちのいいものなので

しょうか?

また涼しい風が吹いてきます・・・

早速、両腕から顔を洗う・・・ なんと言う気持ちよさ!

そのまま顔を上げると、木漏れ日が顔を照らす・・・ まぶしい!

 

もう一度!

顔を下に向けた時・・・ ボトン~!

しまった!

胸ポケットに入れていたカメラを、水の中に落としてしまった・・・

すぐに拾い上げて点検・・・ ダメだ!

一瞬のドジに、大事なカメラをオシャカにしてしまった。

 

目の前の川面にかかる枯れ枝の上から、小さな白いキノコが3個、

整列して仲良く生えている・・・

珍しいその絵になる光景に見とれてしまったが・・・

こんな時に限ってシャッターチャンスを撮れないなんて、残念!

しかしカメラは使えなくとも、しっかりとこの目に焼き付ける・・・

再び同じ場面に出会うことはないだろうが、心に刻める目がある事が

改めて嬉しい!

 

淡い毛状の合歓の木の花がまだ咲いている・・・

林道にはタチツボスミレに似た小さな白紫色の花が咲いています・・・

紫色の面白い花形をしたカリガネソウ・・・

赤い小さな実をつけたヘビイチゴ、洋種のヤマゴボウなど・・・

胡蝶花の長い葉が、こもれびを受けて谷間に反射し、輝いています。

 

箕面川ダム湖周辺にも、あの ムッ! とする蒸し暑い風でなく

爽やかな涼しい風が吹いていました。

早や、季節の移り目ですね。

2週間前にやっと梅雨が明けたと思ったら、もう晩夏!?

初秋を感じます。

 

今年は異常気象による災害が多発しています・・・

植物達はあてに出来ない気温よりも、毎年狂わない昼と夜の長さの

変化を、季節の訪れの目印にしているそうですよ・・・

植物達は毎年毎年規則正しく、昼と夜の長さを変化させる太陽の

頑固さを、最も信頼しているのだそうです・・・

そういえばここ数日、太陽が山に沈むのが少し早くなったかな? と

思っていたところです・・・

 

自然界の法則には人智の及ばない知恵があるのですね。

偉いな~!

 猛暑きてもう晩夏かな箕面山 (花詩)

’13 8.19

 



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ボクちゃんの夏休み!

2020-08-26 | *編集・夏/8月

ボクちゃんの夏休み!

 今日は、箕面ビジターセンターを基点に、自然3号路から

箕面ダム湖を周回し、清水谷へ向かいました。

トンボが舞い、ススキがなびき、ここ数日の涼しさから

早や初秋を感じます。

 

草色一面のダム湖面ですが、数人の方が一人用のゴムボートを

操り、釣りを楽しんでいるのが見受けられます。

遠くにトチノキか、シイノキか、クリノキか?   

沢山の白い花を咲かせている木々がみえます・・・

この周辺にはアカシデ、アカメカシワ、エノキなどの落葉広葉樹が

茂り、まさに森の中の湖の感がします。

歩道脇に背の高いトモエソウか? 月見草か? 

黄色い花を咲かせています。 

 

 

箕面林道入り口脇の 「箕面川源流」 の表示板から箕面川の

川辺に下りて汗を流すと、なんと冷たくて気持ちのいい事・・・ 

最高の気分です。 

さっぱりした所で清水谷林道へ向かいました・・・

 

杉林を抜けて自然8号路に入ったところで一休みです・・・

木蔭に入ると風は涼しく、チョロチョロと流れる谷川の流れに

手を入れると、更に冷たい水です。

横にはヘビイチゴの赤い実が沢山なっています・・・ 

胡蝶花が群生していますが、いま花は咲いていません・・・ 

うす紫色をしたカリガネソウが清楚に沢山の花を咲かせています。

そんな静かな森の風情を楽しんでいると・・・

 

前方から小学生とお母さんの二人連れが下りてきました・・・

 ・  こんにちわ・・・ 虫取りですか?

すると、お母さんが・・・ 

    *  こんにちわ・・・ 子供にせがまれて来たんですが・・・ 

       もう大変です! 

と 笑っておられる。

その時、目の前をクロアゲハ蝶がゆらゆらと飛んで行きます・・・

あっ! と 言うと少年はすぐに追いかけていったものの

取り逃がしたようです・・・

 

ブラブラと戻ってきた少年は突然に・・・

    *  お母さん!  どうしてお父さんはいつも仕事ばっかり

       なの?

       お父さんときたらよかったわ・・・  と、不満顔です。

するとお母さんは真面目な顔をして、少年の目を見つめながら・・・

    *  お父さんはね・・・ いま、会社が大変なのよ・・・ 

       ボクちゃんが学校へ行ったり、ご飯を食べたりできる

       のも、お父さんがお仕事してくれているからなのよ! 

       お父さんもどれだけボクちゃんと一緒に遊びたいのか、 

       お母さん知ってるのよ・・・ でもね、  今はお父さん、

       頑張らなくちゃいけないの・・・ 

       お父さんはいつもボクちゃんのこと大好きだよ! って

       言ってるわね・・・ 

       だからボクちゃんも宿題、一生懸命に頑張ろうね・・・ 

    * 「 分かってるよ・・・ 」

 

その時、草むらから飛び出したバッタをつかまえたボクちゃんは・・・

    *  「お母さん捕まえたよ・・・ これ何?」 

    *  あら!  良かったわね・・・ なんでしょうね?  

       帰ったらお父さんに名前を教えてもらいましょうね・・・

    *  「うん!」 

と言うと、嬉しそうです。

 

バイバイ・・・

少年は私にそう言うと、会釈したお母さんと共に二人して仲良く

下っていきました・・・

 

ハイカー以外に余り一般の人が訪れそうにない清水谷ですから、

きっと以前にお父さん共々この地を訪れた事があるのでしょうね?

それにしても、お父さんの事をしっかりと子供に説明できる

お母さんは偉いですね・・・

そしてその事を理解して、お父さんの愛情を感じたボクちゃんの

顔からは笑みがこぼれ、もう不満は消えていました・・・

僅か数分の出会いなのに、いいご家族を感じました。

 

私は東海自然歩道に出た後、開成皇子のお墓を経て、

自然4号路から西下してビジターセンターに戻ってきました。

そして「森の博物館」に立ち寄ってみたら・・・ 

 

あのボクちゃんとお母さんが昆虫の標本を前にして、

二人でしきりに笑っている姿に出会いました。

 

夏休みもあと一週間となり、滝道などでは沢山の親子連れが

網を持って昆虫採集などをしています。

そしてこの箕面ビジターセンターのテラス前では、丁度 職員の

人たちがササでバッタ作りを子供たちに教えています。

 (私も何年か前に教えてもらいましたが、もうすっかり忘れて

  しまいました・・・)

他の職員も、顕微鏡で葉についた小さな目玉のような虫の卵を

写し出しながら・・・

これは何の虫の卵かな?  などと、興味を引いています。

木の枝で作った動く汽車のおもちゃは、子供たちには人気の

ようです・・・

 

 

私は帰路につきながら・・・ 

あのボクちゃんの夏休みの宿題は・・・

 ”お母さんと過ごした箕面の森の一日” と共に、

きっと忘れられない ”夏の日の思い出” になるだろうな・・・

 そんなほのぼのとした、温かい思いを抱いたのでした・・・。

’13 8・13



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夏の森  それぞれを楽しむ!

2020-08-26 | *編集・夏/8月

夏の森  それぞれを楽しむ!

 勝尾寺の旧参道からウツギ池に着いたのは、丁度お昼時でした。

真夏の入道雲がモクモク~と湧き上がり、特有のダイナミックな

盛り上がりを見せています・・・

その雄大な雲の姿をくっきりと浮かび上がらせているのが、抜ける

よう青い空の色です・・・

そして、その空と雲の姿が周りの杉木立と共に、きれいに池面に

写り込んでいるのが見えます。

 

誰もいない静かな大きな池・・・

かすかに池が波立つと、ほぼ同時に木立も少し揺れています。

森の中でこの池の周りだけが、ポッカリと空が開けた広い空間です。

暑いギンギラギンの太陽が池面を照らすと、その波紋に光が反射し

て、キラキラキラ~ と輝き、美しいオーラを放っています。

セミの合唱隊の合間に、久しぶりにウグイスの鳴き声を聞き

ました・・・

最近はウグイスももっぱらセミの伴奏に回っているようです。

 

リュックからおにぎりを出して口にほおばると、塩味がきいていて

美味い!

流した汗の補給をしてくれるようで、一気に一個 丸ごと口に入れて

しまうと、とうとうムセてしまい胸をトントントン・・・ 

あわててお茶を流し込んでホッと一息です・・・

そんなにあわてなくても、ゆっくりと食べたらいいものを・・・

ゆっくりでいい時にはせっかちで、あわててもよさそうな時には

ゆっくりで・・・

相変わらずの不器用なドンくさいカメさんです。

 

ボンヤリとただ池に写り込んだ雲や木立の動きを眺めていると・・・

突然!  バシャ~

大きな魚が飛び跳ねてビックリです・・・ 魚がいるんだ!

その大きな波紋が岸に届く頃に、また先のほうで飛び跳ねました・・・

池の中ではパーティでもやっているのか?  

なにやら賑やかそうです・・・

 

 

池の土手に大の字になって横になると、上空は真っ青な空に白い

入道雲がゆっくりと動いていて、それがいろんな形に変化していって

面白いのです・・・

ついウトウトウトとしてしまいます・・・

目の前にシオカラトンボが行ったり来たり・・・ 起き上がって周りを

見ると、結構沢山のトンボが飛んでいます・・・

そんなノンビリとした森浸りを楽しんでいると・・・

遠くから何やら人工音?  

近づいてくるとどうやらバイクの音らしい・・・ 嫌な予感です?

 

この先の林道はこの池で行き止まりですが、一般車乗り入れ

禁止で、民有林の林業者の車が時々ここを通る位なのですが・・・?

やがてバイクは池の下で停まった・・・

 

そして、二人の方が釣り道具を背負いながら土手を上がってきま

した・・・

私のいる西の土手と、彼らの来た北の土手ではかなり離れている

ので、お互いに挨拶するような事はありませんでした・・・

正面には 「・・・釣り禁止・・・水利組合」 の大きな看板があるのに、

これだけは目に入らないようで素通りです。 

 

何げなく釣りの準備をしている二人連れを見ていると、手馴れた様子

次々と道具を組み立てていきます・・・

釣りを知らない私には何をやっているのか分かりませんが、そのうち

斜面に逆L型の台をつけ、枝のない傘を頭に載せるとエサを

つけた竿がしなり、池の中央にポトン! と着水してウキが立ち、

波紋が広がっていきます・・・

この間、二人の大声で喋る会話に聞き入ってしまいましたが・・・ 

どうやら兄弟のようでお互いの孫や嫁の話などをしています・・・  

楽しそうです!

 

先程まで賑やかだった魚たちはどうしているのかな?

人間と魚の知恵比べの始まりですね・・・

そんなゲームの始まりですが、私はもう浸るどころではないので、

腰をあげました・・・

すると、林道下から5人の若者がマウンテンバイクを肩に担いで

上ってきました・・・ 

みんな気持ちのいい挨拶をしてくれて、マナーもいい人たちです・・・ 

これからのツーリングにワクワクしていて嬉しそうです。

 

古参道に入ってもしばらくは、あの釣り人二人の笑い声が森に

こだまして聞えてきました・・・ 仲のよい兄弟のようです・・・

 

 

心地よい風が森を吹き抜けていき、汗ばんだ額を拭ってくれます・・・

地上の風と違い、森の風はどうしてこんなにも清涼で気持ちのいい

ものなのでしょうか・・・?

帽子をとり、胸襟を開いてその新鮮な空気を思い切り吸い込み

深呼吸すると、足の指先から頭のてっぺんまで ビ~ン と

血が巡り、邪気や諸々の滞っている体の空気を総入れ替えして

くれるようで、気持ちのいいものです。

 

この古参道は旧参道の裏道のようですが、特に何ら整備された

ものはなく、昔々の参道で自然のままですが・・・ 

自然が自然である事に価値があり、そんな自然の中では人は

謙虚な姿勢で臨み、自然と静かに対話する事ができます・・・

だからここは、私の好きな森の散策路の一つなのです。

 

途中から愛宕の森へ入り尾根道を下っていました・・・

すると下のほうから男女の声がしたかと思うと、すぐ目の前に

お二人駆け上がってこられました・・・

 

 ・ こんにちわ・・・

    *  こんちわ!  すいません!  お先です・・・!

 

お揃いのランニングウエアーで、お互い腰にペットボトルの

小さいのが見えただけで、あっという間に見えなくなりましたが・・・ 

足の筋肉が隆々としているのが印象的でした・・・ 

まさに野山を駆け巡るウサギさん!  ドンカメの私には到底真似の

出来ないものです。

 

今までに箕面の森で過ごされるいろんな方々を見てきました・・・

ハイキングや自然観察、昆虫や植物の採集、バードウオッチング、

犬の散歩(兼、山歩きの番犬)、キャンプ・バーベキュー、マウンテン

バイク、モトクロス、トレイルランナー、山岳競歩、写真、戦争ごっこ、

絵画、音楽や楽器の練習、野点、カラオケ、釣り、ツリーグライ

ミング、ハンモックで読書、デイト、耐寒ハイキングと自然教育、

木登り、障害者活動、清掃、森の整備を含めた各種ボランテイヤ

活動、太極拳、私のようにフォレスト ランブリング(森の散策)

まで・・・

挙げればきりがないぐらいに、人それぞれの楽しみ方があります・・・

そして、そこにそれぞれの満足があれば、それはとても素晴らしい事

ですね。

 

 

夏の森・・・ 

箕面の森は、今日もここを訪れるそれぞれの人たちに、沢山の

心の糧を与えてくれているに違いありません・・・

先程の釣り人さん・・・!  いつまでも兄弟仲よくお過ごし

ください・・・!

それにしても字の読めるお孫さんを一緒に連れてこなかったのは

正解ですよ・・・

きっと・・・!? 

 ’13 8・12


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暑い夏・・・ 夏の森へ!

2020-08-26 | *編集・夏/8月

暑い夏・・・ 夏の森へ!

 今日も35℃を越える猛暑日です・・・ 暑いです!

私はリュックを肩にかけ、帽子をかぶり、トレッキングシューズにストックを

もって、いつもの山歩きの格好で「外院」(げいん)のバス停に降りました。

 

すると視線を感じて前を見ると、コンビニの車の中から若い二人の男女が、

何か言いながら私をまるで珍しいものでも見るようにじろじろと見て

います・・・

どうやら、 ” このクソ暑いのに物好きな奴やな・・・? ” と いった

呆れた様子です。

すると、前の店の店員さんは・・・ 暑いのに ご苦労なこって!・・・ 

と、言う感じ?

余りの暑さに、涼しい所にいる人を見ての、私のヒガミかも

しれませんが・・・

 

そんなにおかしな格好してるのかな? と、店のガラスに自分の姿を

写してみると、確かに ” カメが風呂敷包みを担いで、どこかで泥棒して

きたような格好・・・” ?   

確かに不恰好でむさぐるしい・・・ 

見てるだけで汗が出てくる・・・ (実際にもう汗だくのゆでだこ!?)

他人のほっとけない・・・ と 言う視線に理解を示しつつも・・・? 

カメはそんな事には我れ関せずに、外院の里山に向かいました・・・ 

  

里山に入るとムッとする生暖かい風と共に草の匂いがしてきます・・・

水田の稲はもう60CMぐらいに成長していて風になびいています。

田畑には真っ赤に熟れたトマト、そしてナス、キュウリ、ゴウヤ、

オクラなどの野菜が、太陽をいっぱい浴びて健康そうに育っています。

 

つい半年前にスズメたちが井戸端会議をしながら最後の残り柿を

ついばんでいた池のほとりの柿の木・・・

今 沢山の青い実をつけています・・・

あと数ヶ月で、また鳥たちの憩いの場所になることでしょうね。

その下にはピンクの秋桜(コスモス)が3輪・・・ 可憐な花を咲かせ、

ゆらゆらと風にそよいでいます・・・ 

もうそんな季節なんだな・・・ ?

 

大きな農業池の土手を上がり、振り向くと大阪市街が一望でき、暑さの

せいなのか、ゆらゆらと陽炎(かげろう)が漂っています。

池にはカメが悠々と泳いでいます・・・

甲羅干しも暑くてかなわん・・・ のか? 水の中が気持ちよさそうです。

カメにはなぜか近親感を憶えます。

 

足元の草むらは、この時とばかりに草群が急成長しています・・・

そこを歩くたびにバッタや虫が一斉に飛び立ちます・・・

子供時代になじんだ懐かしのイナゴを探しましたが、最近はめった

見かけなくなりました・・・

 

 

私は先年に自分で探した細い道へ分け入り、ウツギ谷へ迂回する

つもりで森の中に入っていきました。

村人作の手製のイノシシ柵を開け、電気柵の間に入ると、もうどっちが

動物なのか錯覚しそうです?  いつも複雑な変が気持ちになります。

 

急に大きなクモの巣に頭を突っ込んでしまい・・・ ワアーこりゃ大変!  

やっと糸を取って歩いていくと、また突っ込んでしまった・・・ ドジ! 

やっと通り過ぎていくと今度はやぶ蚊と虫の大群・・・ 

追っても追ってもついてくる・・・ 

どうも虫たちにはいつも好かれる体質のようです。 

好いてほしいものにはそっぽを向かれて・・・ 私の人生と似ています。

幸いこんな事もあろうかと、昨夏から持っている携帯用電気蚊取り器の

スイッチをオン・・・

効果抜群でやっと抜け出しましたよ。

 

 

竹やぶの横を小さな疎水が流れています・・・

少し開けた所に出たときでした・・・汗だくのゆでだこ頭を拭いていると・・・

私の目の前を一頭の蝶々が飛んで行きます・・・ きれいだな ~

目で追っていると、また戻ってきた・・・そして、目の前の枝にとまりました・・・

 

まさか・・・! 

再度よくよく見ても まさか です・・・ 「オオムラサキ」 です!

 

先月、手塚治虫少年の文章から箕面の森でオオムラサキを追いかけて

いたことを、このブログを紹介したばかりです・・・

あれから図鑑や標本で何度かオオムラサキを見たので、私の老眼でも

間違いありません・・・  

実は、本当は分かりません?  

余りの予期せぬ偶然に、もうビックリしてしまいました。

 

こんな所に?  なぜ?  どうして? 

どこをどのように飛ぼうが蝶々の勝手ですが・・・  

私も少年時代にこんな美しい蝶と出会っていたら今頃は~~? に

なっていたかもしれません。

すぐにオオムラサキは南のほうへ飛んでいってしまいましたが、しばし

感動しながら行き先を眺めていました。

こんな予期せぬ感動や感激があるので、暑い夏の森でも全く苦に

ならないのです・・・

 

 

ウツギ谷へ入ると早速 獣道を下り、渓流に両手を入れて顔、両腕の

汗を流しました・・・ 冷たくて気持ちいい!・・・

濡らしたタオルで体の汗も拭います・・・

 

ホッとして耳を澄ますと相変わらずのセミの大合唱!

もう慣れてしまいました・・・ 夏の風物詩ですね・・・ 

それによく聴いてみると、この賑やかさでもなかなか味深い響きを感じ

ます・・・

セミ一匹づつ同じようでいて、音色や音程が微妙に違うのですよ・・・

 

先日、滝道で私の前を歩く親子がいました・・・ 

どうやら初めてセミ取りにきたようです・・・ 

すると小さな子供が道に落ちでいた死んでいるセミを拾い・・・

大きな声で・・・ 「お父さん! これ電池切れや!」 ・・・ 

お父さんは回りの手前あわてていました・・・ これはマジな話ですよ。

 

話がそれましたが・・・

一休みをしている岩場に、真っ黒な川トンボが10数匹飛び交っています・・・ 

黒一色は初めて見ました・・・ 私の好きな上品な美しさを感じます・・・?

小刻みにハネを震わせて嬉しそうに舞っています。

 

川にはカワムツが泳いでいるのが見えます・・・

岩の間からゆっくりとサワガニが出てきました・・・

杉木立の多い鬱蒼としたウツギ谷には、木漏れ日以外に太陽が余り

届かず、その緑いっぱいの木蔭の下にはさわやかな風の流れがあり、

更に岩にあたる水しぶきとせせらぎの水音で、静かな清涼感に溢れて

いるのです。

 

クーラーの涼しさと違った、自然の奏でる優しい風や、音や、緑豊かな

森の空気が、実際温度をはるかにしのいで涼しさを体感できるのは

不思議な事です・・・

自然の営みを見ていると我を忘れてしまいます・・・

そして、静かに自然と対話するという・・・ それが何とも贅沢な一時

なのだと感じます。

 

暑い夏です・・・ 私の夏の森には沢山のドラマがあり、感動があり、

いつも安らぎと癒しを与えてくれます。

 

 

このクソ暑い時に、物好きなやっちゃな・・・ と、哀れみに近い

目つきで私を眺めていた朝の若い二人連れにも、是非この森の至福感を

味わってもらいたいものだと思っていますが・・・  さて反応やいかに・・・?

 

コマーシャルでやってるみたいに・・・

「森の中にもローソンありまんのか・・・?」

森のなかにローソンは  ありまへ~ん・・・!

’13 8・8 


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地獄谷で戦争ごっこ?

2020-08-26 | *編集・夏/8月

地獄谷で戦争ごっこ?

 今日は滝道から西江寺へ上り、参拝の後境内を通り、裏山から

聖天の森へ向かいました。

急に視界が開けて寺霊園の裏からは大阪が180度一望できます・・・

すでに朝から30℃を超えていて、この暑さに各家庭やビルのクーラーは

全開のようで、その放熱が地上を覆っている感じがします・・・ 暑いです。

 

暑がり屋の私はもう汗だくで、朝から湯であがったタコ状態です。

しかし、さすが森の木蔭に入ると吹く風が心地よく、帽子をとると、

薄い頭にその涼しさが敏感に伝わり・・・ 思わず・・・ 

きもちいいな~!

見上げると、コナラ、ヤマザクラ、アベマキ、クヌギ、リョウブ、ネジキ・・・

いろんな森の枝葉が風にそよぎ・・・ 今日も箕面の森へようこそ! ・・・ 

なんて、歓迎してくれているようで、単純な私はそれだけで嬉しくなって

しまうのです・・・ 

この風に枝葉がそよぐという森の仕草だけで、視覚的にもホッとする

涼しさを運んでくれますね。

 

先日は夜の滝道で沢山のクマゼミ、ヒグラシの合唱を聞きましたが、

今日はそれ以上にアブラゼミ、ミンミンゼミ、ニイニイゼミなども加わって、

それはすばらしいセミの大交響楽団が結成され、その演奏会が終日

続いています。

それにしても賑やかな不協和音ですが・・・ これも夏の森の風物詩・・・

今のこの時期にしか聞く事の出来ない、バックグランドミュージックとして

楽しむ事にしています。

 

私は地獄谷からこもれびの森へ向かいました。

突然!・・・ パチン、シュー、ババババ~ン、キ~ン、ビシュー・・・・

耳をすますと、なにやら金属音が響いてきます・・・ 何だろうか?

 

すると急に目の前に一人の若者が息を弾ませて下ってきました・・・

迷彩服にヘルメット、両腰には電子銃? ナイフも見える・・・

ここはどこなんだ・・・? 

一瞬の事に私はたじろぎ戸惑いました。

まるで映画に出てくるような近未来の戦闘兵士の登場です・・・

彼も私に面食らったようですが、すぐに山裾を上がっていきました・・・

一体あれはなんなんだ・・・?

 

しばらくすると今度は山裾と山上で電子音? 

撃ち合いが始まったようです・・・

まさにここは 戦場か? と思うほどです・・・

どうやら10人近い若者がいて、女性の姿もある・・・

なんと言えばいいのか・・・?

 

私があ然として歩いていくと、今度は別のグループなのか、なにやら

教官らしき人が新兵? 3人に銃の持ち方、撃ち方などを教えている・・・

熱中しているのか私には目もくれず、私も声をかける雰囲気でもなく

通り過ぎましたが、山道沿いに置いてある道具類を見るとまさに

軍隊の装備です。

いくら遊びとは分かっていても、この静かな森の中で不気味さを感じました。

 

この遊びがゲームなのかスポーツなのか?  サバイバルゲーム? 

何と言う呼び名なのかも分かりませんが、私が箕面の森の中で見たのは

これで3回目です。

最初は、雪の積もったある冬の日に、私が谷山谷を下ってくると、突然に

山の中腹でゴソゴソと動くもの・・・ 

一瞬、いるはずのない白熊を思ってしまったほどです。   

ビックリしましたよ!

それがよくみるとあちこちの木蔭や岩間に隠れていて、みんな手には

銃を構えているのです・・・ 赤い光線が出ていたので電子銃かな?

TVで見る雪の中のロシア兵のような、白い戦闘服姿にもあ然としました。

 

2回目は数年前の夏の日、天上ケ谷の近くの森に20余人ぐらいで、

完全装備の兵士スタイルを見て、最初は自衛隊の訓練かな? と思った

ぐらいです。

近くの車道には迷彩色に塗装されたアメリカ軍スタイルの四輪駆動車が

止まっていたりして・・・ それにバズーカ砲のような大型兵器も持って

いてビックリした事があります。

TVで見る、イラクやアフガニスタンに展開するアメリカ軍の格好に似て、

ヘルメットにカメラがついていたりします・・・ まさに本格的です。

私にとってこれは不気味さと違和感と嫌悪感を覚えます。

 

くすしくも今は8月・・・

63年前の8月6日には広島に、8月9日には長崎に、戦争中の日本の

敵国アメリカから原子爆弾を投下され、更に8月15日には太平洋戦争が

終結し敗戦となった日と続きます。

日本人の戦死傷者数は延べ数百万人・・・

更に数千万人の日本人が家、財産を失い、食べる物もろくに食べられずに

路頭に迷い・・・ 全く想像できないぐらいの悲惨な戦争でした。

 

私はこの敗戦半年前の爆弾が降り注ぐ戦時下で生まれましたが、

父や母はどんな思いで、この赤子の将来を見つめていたのでしょうか?

きっと戦争のない平和な日本を夢見、切に望んでいたに違いありません。

そして、それは日本国民全ての望みであったはずです・・・。

奇跡的と言われるこの戦後63年間の平和日本・・・ 

今のこの大切な時を、子供たちへ伝えていかねばなりませんね・・・

 

それを思うと、この平和な森を、戦いの森へと変えたくありません・・・

例えそれがゲームやスポーツであっても・・・ そう思いませんか?

私は悲しい思いで森を見上げました・・・。

 

 

風呂ケ谷から姫岩の所へ下りて来ると、渓流の岩の間で二人の小学生が

水遊びをしています・・・ 

その川原ではその両親がピクニックシートを広げ、ランチボックスが置いて

あり、楽しそうに笑っています。

私も川辺に座って靴下を脱ぎ、ズボンをめくって早速水の流れに足を浸し

ました・・・ 気持ちいい・・・ なんと言う幸せ感・・・ 

ついで顔を洗い、両手の肩の所まで水につけるともう一気に汗が引いて

いくのが分かります。

岩場には川トンボが飛んでいます・・・ 

セミの合唱の合間をぬって夏鳥たちの鳴き声も聞えます・・・

先程の小学生が叫んでいます・・・ どうやらサワガニを見つけたようです。

 

私は木蔭の岩場に仰向けに寝転びながら、生い茂る枝葉の合間から

青空を見上げていました・・・言葉にならないぐらいの至福のひとときです。

その時、南から北へかけて白い飛行機雲がはしり、その先端に小さな

動くものが見えます・・・  高度の成層圏を超音速で飛ぶあの

大型旅客機は、どこへ向かっているのだろうか・・・・

ふっと あれが日本に爆弾の雨を降らせたB-29戦略爆撃機でなくて

よかった・・・ と 思いましたが・・・ 

その時あるコラムを思い出しました・・・ 

今の若者に ”B-29 を知っているか?” と 問うと・・・

「そんな濃い鉛筆あるのん?」 と 逆に聞かれたとか・・・ コラム氏は、 

笑った後にやりきれなさを感じたとか・・・ 私も同感です。

 

この緑豊かな平和な箕面の森・・・ 

渓流の中にはカワムツが泳ぎ、それを狙い狩をするアオサギの姿が

あり、鳥たちが飛び交い、昆虫もいっぱいいて、猿や鹿やリスなどもいて、

沢山の種類の生物がいて、多様な植物があり・・・ お寺があり、大きな

樹木が生い茂り、静寂がある・・・

この森の中で私は、心穏やかに、心豊かに、心癒されて、いずれお迎えが

来るその日まで 心行くまま、心静かに過ごしていきたい・・・ 

そんな小さな願いが心満たされる事を切に望んでいます・・・

 

戦争を想起させる若者達の遊びを見て、また8月の特別な思いを省みて、

改めていまこの平和な森に感謝する一日となりました・・・。

’13 8・5

  

 


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森での回想!

2020-08-26 | *編集・夏/8月

(管理人のあれこれ話)

 今朝は車で箕面ドライブウエイを上がり、

滝上の市営大日駐車場へ車をいれました。

 

セミの大合唱の中、前鬼谷からようらく台、三国岳への予定で

出かけたものの、途中で急に胸が痛くなり

うずくまってしまいました。

大事をとって予定変更し、箕面ビジターセンターで一休み・・・

暑さと体調のせいか?

最近は体力的にも余り無理がきかなくなりました。

 

心地よい風が緑陰の木の葉を揺らすので目を閉じ、

そのささやきを聴いていると、もう天国にいるようです。(笑)

 

落ち着いてきたので、ゆっくりと体を動かし、

自然3号路へ向かいます。

 

ここは10年前の冬、私が始めて訪れ、感動し、

パラダイムの転換を図った記念の森なのです。

あっという間の10年でしたが、箕面の森を知り、自分の人生で

貴重な体験と感動、心の癒しを与えられた森なので感慨深い

ものがあります。

 

杉林に入ると、先日ブログでもお伝えした倒木による山道の

閉鎖の件・・・

あの大木がきれいに切断され、両脇に置かれて通行できるように

なっていました。

輪切りされた大きな幹もあり、その年輪を数えてみたものの、

150ぐらいで諦めました。

一体どのぐらいの年月を経た木なんだろうか?

 

天上ヶ岳へ向かう修験道も、途中から無理せず引き返し、

東の森へ向かいます・・・

木もれびが森を照らし、そのはっきりとした陰影が山道に影絵の

ように映し出され、風で揺れるたびにその絵が動き、

何か物語りを演じているように見えました。

 

緑のトンネルの中で再び発作が起こり、大事をとって

何度も休みます。

 

あの10年前の凍てつく寒さの日、ここで何気なく樹間から

空をみあげていると・・・

やがてキラキラと輝く白い妖精のような小雪が降り注ぎ、

やがてあっという間に大雪となり、森全体が真っ白になりました。

降り止むと・・・

野鳥のさえずり、野うさぎが走り、風に舞う雪けむり・・・

凛とした厳しさのなかで、その自然の営みに感動したものです。

  

その同じところに立って・・・

この10年間の四季折々の感動を ありがとう! と

つぶやきました。

 

ビジターセンターに下ると、野草園にはオレンジ色した

オオキツネノカミソリやフシグロセンノウやホタルブクロが二輪

咲いていました。

 

森の博物館の前に、あの倒木の大きな輪切り片が一個

置かれていたので所長に尋ねると・・・

  その内に磨いてみようかなと思って! とのこと。

聞けば、あの大木はエドヒガン桜で樹齢は200年以上、

江戸時代からのもののようですよ。

 (箕面の山パトロール隊発行の 「花と木のハイキングマップ」

  にも、幹周り340cm(NO-27)として記載されています)

 

一部芯の部分が虫食い状態だったものの、箕面ダム湖への

道沿いにあって、何度も通っている時は気にもしなかったものの、

いざ無くなってその上空を見ると、ポッカリと大きな空が見え

それがどんなに大きな枝葉を伸ばしていた大木だったのかを、

改めて思い知りました。

 

生きるものはいずれ全てが朽ちていく・・・

樹木とはいえ、そんな江戸時代からの古木が無(亡)くなるのは

辛いものです。

 

帰路、お盆のせいか?  北摂霊園のモニュメント広場まで、

車で上がってみました。

 (いつもは東海自然歩道から、高山、明ヶ田尾山方面へ抜ける

  ときに、この前を歩いて通るのだが・・・)

 

いつになく多くの人がお参りに訪れています。

丁度 角の新洋風墓地の募集地を眺めていると、係りの人に声を

かけられ、しばし説明を受けてしまいました。(笑)

空気のいい山上からは遠く大阪湾や淡路島まで見え、

北摂の山々が見渡せる気持ちのいい芝生墓地でした。

 

  こんな箕面の森の中で終の眠りにつけたらな~ 

と、一瞬思ったものの・・・

もうしばらく長生きしてみたいと思い直し、山を下りました。(笑)

 ’10-8-8  (晴れ)


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暑い森!

2020-08-26 | *編集・夏/8月

暑い森!

 今日は先ず、箕面・帝釈寺近くの皿池公園から北へ上がり、

外院の山里を経て、勝尾寺・旧参道へ向かいます。

 

里の稲も7-80cm位に伸び、トンボや蝶々が舞い、

畑ではトマト、ナス、キュウリ、カボチャ、オクラ、ニガウリ・・・

いろんな野菜が実っています。

 

土手の上の池では若い釣り人が糸を垂れていて、その奥では

ドスのきいたウシガエルの大きな鳴声が聞えます。

 

ノアザミが一輪、紫の花を咲かせています。

 

森に入ると早くもスズムシやコオロギなど秋の虫の音が・・・

突然、ヒグラシ(カナカナ)が一斉に鳴き始め、その大音響に

思わず自分の耳がおかしくなったかな? と思うぐらい

賑やかです。

いずれも晩夏か初秋を思わせる森の響きに、

早くも季節の変化を感じます。

 

今日はうす曇ながら30数度と気温も湿度も高く、

しかも風のない蒸し暑い日です。

森に入ってもムっとする暑さに、汗が自然と滲み出てきます。

 

随所にある森の丸太のベンチで一休みしながら

ゆっくり上がって行くと・・・

山道をまたぐように小さな谷川の流れがあり、早速汗だくの顔と

腕周りを洗い、タオルを浸して首筋に当てると

冷たくて気持ちがいい~

しかし、じっとしているとヤブ蚊の群れに襲われるので

早々に退散です。

 

少し歩くと、また同じような小さな流れが・・・

と言っても、ここはチョロチョロの流れ・・・

それをどなたが施したのか? パイプとバケツで受けていて、

ここでも体を拭った後は、そのバケツの谷水を頭から被りたく

なったぐらいです。(笑)

 

やっと少しさっぱりして足回りを見ると、3種の立派なキノコが

生えています・・・採らないで撮るだけにして再び上がります。

 

上から一人の女性が下りてきました。

見ると手にはゴミの入ったビニール袋と取りバサミを・・・

何度かお会いしたことがあるものの、挨拶を交わすだけですが、

いつもクリーンハイキングをされている様子には頭が下がります。

 

しらみ地蔵前から谷山尾根・巡礼道から七町石へ・・・

丸太ベンチで一休みです。

それにしても無風の森は緑陰の中でも暑いものです。

そこへ これでもか! と言わんばかりに鳴くミンミンゼミや

クマゼミの大合唱隊が、更に暑さを運んでくれるので、

今日はゆっくりと森に浸る事も出来ません。(笑)

 

谷山を超えていると急斜面にまた新しい階段が出来ていました。

松などの倒木、枯れ木を現場加工して手作りの階段を作って

いてくださるボランティアの方の作業跡が見られます。

これも何度かこのブログでも紹介しましたが、一人で黙々と

山奥の森の中で活動されている姿には頭が下がります。

 

谷山谷へ下ってくると、ここにも小さな谷川の流れがあり、

岩場のたまりに下り、早速 頭から冷たい谷水をかけて

汗をぬぐいました。

気持ちいい~

 

今日は「水の日」との事、山に蓄えられた深い地下水が流れる

測度は、年に1m程と聞きました。

地下に染み込んだ水が地表に湧き出るまでに300-500年も

かかるとの事・・・

この谷川の水がそうした水か、湧き水か分からないけれど、

もしそうだとしたら、江戸時代の雨水の純化された水で

汗を流しているのかもしれない? と少しロマンを誘います。(笑)

 

才ヶ原池に着くと、水面いっぱいに白いものが・・・?

近づいてみると梅花藻(バイカモ)が、池面いっぱいに白い花を

咲かせています・・・

清流や湧き水が流れる場所でしか育たないとされる

デリケートな植物なだけに、ここで見れるのは嬉しい事です。

ここでも一人の青年が釣りをしているものの、

針にその藻が引っかかって四苦八苦の様子でした。

 

谷山の尾根を歩いている頃から風に乗り、時折り音楽や歌が

流れてきます・・・

日頃聞いたことのない多人数で練習中の気配なものの、

どこからだろうか?

 

地獄谷を下り、姫岩のあるつるしま橋まで下ってくると・・・

初めて箕面に来た! という4人連れの方に道を訪ねられ、

大滝へ至る天狗道をお教えしましたが・・・

聞けば、今日は滝道のキャンドルロードと大滝のライトアップを

見たいのだとの事。

 

そう言えば今日は<箕面まつり>でパレードもあるし、

ステージイベントやいろんな催しがあるようなので、

あの尾根で聞いた音楽の練習も、そんな関係かもしれないと

納得しました。

 

山本珈琲店前の楓橋から滝道に出ると、ゆかた姿の

若いカップルが何人も見受けられ、お祭ムードいっぱいです。

 

瀧安寺前広場では、箕面観光ボランティアガイドの皆さんが

何かイベントの準備をされています。

 

前の紅葉橋では・・・

<納涼! 箕面川床> の赤い敷物と提灯が目を引いています。

一度その料理と風情を味わってみたいものです。

 

今日は「昆虫館」が入場無料となっていたので、

久しぶりに覗いて見ました。

沢山の子供たちが珍しい昆虫や飛び交う蝶々に

目を輝かせていました。

 

駅前に着くと、もうパレードが始まっていて、

タッキー816・みのおFM局の生中継と共に、沢山の人々が

集まっています・・・

もの姿の若き倉田市長も元気いっぱい!

 

そこへ次々とパレードの方々が到着し、各々が最後の

パフォーマンスを披露したりしていました。

 

今日一日、暑さでへばり気味だった私も・・・

暑さを吹き飛ばす皆さんの熱気と、すごい盛り上がりに

やっと活気が出てきました・・・

夏は暑いのが当たり前だ~ と!

 

こんな日は、地ビール世界最高金賞をとった

美味しい<箕面ビール>でも飲みながら、<箕面まつり>を

楽しむ事にしましょう・・・(笑)

 ’10-8-1  (うす曇、晴れ

 

 

 


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森のきのこ!

2020-08-26 | *編集・夏/8月

森のきのこ!


昨日は箕面の森もどしゃ降りで、終日深い霧がかかって

いましたね。

今日は昼から晴れとの予報に、曇り空の中を森へ出かけました。

 

自然7号路を歩いて行くと、相変わらず山裾は崩れ気味で

小岩が多く、少し歩きにくい所もあるけれど・・・

谷間や山裾に高木のクマノミズキが乳黄白色した花を咲かせて

います。

花が集まり上向きにつく花弁が独特で、葉の上に綿が乗っている

ようにも見え、それが谷間全体を覆っている姿に見とれました。

いつも出会うお猿さん家族に今日は出会いません・・・

まだ天上ヶ谷にいるのかな?

 

エキスポ90みのお記念の森に着くと、少し早いのか? 

全く人陰がなく、全体に霧がかかり、奥の方の森はかすれて

見えます。

 

イノシシ、シカ防止柵を開いて「花の谷」に入ると、

黄色いキンシバイの花が朝露をのせたままキラキラと咲いて

います。

ハナザクロ、ヤマボウシ、ハコネウツギ、イワガラミの白いがくが

花びらのように見え、白いニワナナカマドの花もきれいです。

足元を見ると紫色したウツボグサ、コナスビやコモチマンネングサ

なのが小さな花をつけています。

 

突然、 ゴウ ガゴガガ・・・

ビックリして振り向くと、池にボチャン! と水の波紋が・・・

どうやらトノサマガエルの響きのようです。

池に垂れ下がったヒノキの枝葉には、白い卵魂が3ヶ所・・・

ここはモリアオガエルの産卵のようです。

カエルは一度に沢山の卵を産みオタマジャクシにかえしても

大人に成育するのは0.1%ぐらいと聞いたことがあり、

それだけ天敵が多いということなので大変ですね。

 

池の上をショウジョウトンボ、シオカラトンボが飛んでいます。

しゃがみこんでそんな花の谷に浸っていると、東の森から

森のピッコロ奏者、キビタキのさえずりが聞えてきました・・・

うっとりする美しい鳴声です。

まけじと西の森からはウグイスが鳴いています・・・

いい季節です。

 

少し霧が晴れてきました。

私は長谷山(568.2m)へ向います。

 

雨上がりの尾根道はじっとりとしているものの、時折り吹き抜ける

初夏の風が爽やかでいい気持ちです。

ここは東は落葉広葉樹林帯、西は常緑針葉樹林帯で尾根道で

ハッキリと分かれていて面白い森です。

倒木や枯れ木をまたぎながら歩いていると、キノコがあちこちで

ニョキニョキと顔をだしています。

 

余談ですが・・・

私は幼少時過ごした田舎でマツタケ、シメジ、マイタケ・・・等の

キノコを採ってきては、よく家のおかずになったものの、

それ以外のキノコは詳しくありません。

キノコ専門の大学教授が誤って笑い茸を食べ、笑い転げて

死にかかったという話しや、キノコ採り名人が毒茸を誤って食べて

亡くなったりしたニュース等を聞き、山や森でどんなに沢山の

キノコを見つけても採らなくなりました。

 

一度、清水谷林道でキノコ狩りをしている方に出会い、

その成果を見せてもらいましたが、いろんなキノコに混じり、

小さなオチョボ口に赤い口紅をつけたようなキノコを見せてもらい

後ずさりした事があります。(笑)

後で調べたらクチベニタケというそうですが、食べられないと

いうのにどうするのでしょうか?

 

長谷尾根で最初に見つけたのはムジナタケとサクラタケ?

どちらも可愛いキノコですが毒茸ですね。

赤いドクベニタケ、白いドクツルタケ? シロオニタケ、

カラカサタケ? 

名称は分からないものの、9種類のキノコを見つけましたよ。

 

右左を見ながら歩いていくと、目の前に木の根がありました・・・

またごうと足を上げたら動くので ドッキリ ビックリ! (笑)

また苦手な爬虫類君の登場です。

私はいつもそんな日は・・・

 ラッキー! 今日もいい事が一つあるぞ! 

と思うことにして、脳裏から消す努力をしているのです

が・・・(笑)

 

高圧電線の鉄塔(山下31号)で一休みしながら、

東に開けた清水谷、茨木方面を、西の堂屋敷山から川西方面を

ボンヤリと眺めていると・・・

刻一刻の如く青空が見えてきました。

その雲の移り変わりと、次々と広がる青空・・・

やがて顔をだした太陽の動きとあわせ、なんと早いこと!

まるで早回しのように、天上が流れ変化し開けていく・・・

自然界の一つのショーを見ているようで感動的でした。

 

次いで私は鉢伏山(604m)から明ヶ田尾山方面へ向いました。

木漏れ陽が森に差し込むと、雨上がりの新緑が一気に明るく

栄え、気持ちのいい散策日和です。

 

 

帰路、箕面ビジターセンターに立ち寄りました。

センターのイベントスケジュールを見ると・・・

 

  「7月11日(日)10時~ 専門家による「キノコ調べ」

   (色も形もさまざまなキノコを見つけよう)

    参加料は100円・・・」

 

とありました。

私も少しキノコの勉強をしてみたいものです。

 

所長から ~キノコ見ませんか? とのお誘い。

実は意味も分からないまま後を付いていくと・・・

裏手に何とも珍しい種類のキノコの姿が・・・?

レースのスカートをふんわりまとったような貴婦人のような

キノコが2株・・・

木漏れ陽を浴び、その白い格子編みのレース状衣が

ひときは輝いて見えました・・・ すごい!

初めて見る森のお姫様、妖精のようです。

なんと綺麗なんだろうか~ 感動です!

 

聞けば「キヌガサタケ」との事。

その周りに数個の球形の幼茸があり、一ヶ所のその頭部が割れ

中の頭が出かかっている状態です。

そのキノコの前に朝から特殊定点カメラを置き、その移り変わりを

撮ってもいるとの事・・・

何でもキヌガサタケはキノコの王女様でとても珍しく、

幼茸が割れてスカートが広がるまでは15-30分、

気温湿度や条件から前後はあるものの、その日限りの晴れ舞台

ようですよ。

 

勝尾寺近くの孟宗竹林、笹林で見かけた人がいるものの、

こんな身近な所に生えていたとは・・・との事。

中国では頭部とツボを取って食用にするものの、余り食用価値は

なく、もっぱらその美しい姿に出会えるか否かの鑑賞機会の方が

重要なようです。

 

まさにこの感激の出会いは一期一会そのもののようです。

 

ほら!  やっぱり今日はいい事があったでしょ! (笑)

 

 ’10-7-4  (曇り晴れ)

 

 

 

 

 


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森の音楽会・・・!

2020-08-26 | *編集・夏/8月

森の音楽会・・・!

 朝夕すっかりと涼しくなってきました。

家の前の桜並木を見ていると、早や色づき始めた葉が随所に見られ

ます・・・

今年の秋は早く来そうな様子ですが・・・?

 

小雨が降り出した新稲(にいな)の山里で、畦道にしゃがみこんで

初秋の気配を楽しんでいました・・・

前を細い疎水が流れ、その土手には薄紫色のツユクサが花を

咲かせています・・・

雨露があたり、その水玉を通してみる花柄はまた違った趣があり、

高貴で、優雅さを感じる草花です・・・

その横には黄色いタンポポが花咲かせ、その色の対比がまた

鮮やかなのです。

近くには名も知らぬ 紅、白、青、紫色の小さな草花も咲いています。

 

稲も、いま乳箔の花を咲かせている田・・・、

実をつけはじめ、稲が真っ直ぐに立っている田・・・、

早や稲穂が実りはじめ、頭を垂れ始めている田など、

品種や植え時の違いによって、少しづつ稲田の様相が違って

見えます。

 

雨はやがて強さを増してきました・・・

私は近くのクスノキとユウカリの大木のある所で雨宿りをしようと

畦道を急ぎました・・・

近づくと、もうすでに濡れたシャツを拭っている畑仕事のおじさんが

一人いました・・・

・  こんにちわ!

      *  よう降りまんな!  もう畑におれんでな・・・

          あんた山行きまんのか?

・  そうです!  しかし今日はこの雨でダメかな?

      *  あの黒い雲の後ろは明るいさかいに・・・

          あと少ししたら上がりまっしゃろ!

それからしばし、日照不足で稲の生育が悪い事や、最近のおかしな

天候などを話しながらいると、頭上に賑やかな鳥がやってきました・・・

・  鳥も雨宿りか・・・?

おじさんに、 そんなこと考えた事あらへんわ! と 笑われて

しまいました(笑)

 

やがて雨も小降りになったので、私は教学の森へ向って出かけて

いきました・・・

 

 

帰路についたの3時ごろでした・・・

曇り空の後鬼谷や落合谷はいつになく薄暗く、谷間は足元を見ながら

慎重に下りねばならず、緊張しながら一歩一歩と降りてきたので

もう足がガクガクになりました。(笑)

 

森の喫茶店(山本珈琲店)で一休みをした後、瀧安寺の赤い瑞雲橋を

くぐると、前方に人が沢山います・・・

なにごと!?

見ると芝生広場に 「箕面の森の音楽会」 との表示・・・

すると係りの方が、もうすぐ始まりますから・・・ と、チラシを持って

こられ、飲料サービスの案内までして下さる・・・

夏の夕暮れの森の音楽会なんて!  なんていい響きなんだろう(笑)

感覚から入る私は、いつしか席に座っていました(笑)

 

空を見上げると、瀧安寺の森からセミの大合唱団も参加するかの

ように、賑やかに鳴いています・・・

横を流れる箕面渓流のせせらぎの音も・・・ いい伴奏です。

その前のベンチの上では、若き恋人同士が見つめあいながら

二人だけの世界に浸っています・・・ それもよしか!(笑)

 

やがて音楽会が始まりました・・・

今日は、暑い真夏の夕暮れを想定したのでしょうが?  

曇り空の、涼しい初秋の夕暮れです・・・

最初は、箕面・聖母被昇天学院の生徒達によるハンドベル

クワイアーです・・・

私は生で演奏を聞くのは初めてなので、そのチャペル礼拝行事にも

使われると言う美しい音色にうっとりとしてしまいました・・・

しかし、後のお寺の境内から時折聞える、参拝のジャラジャラ音や

野鳥の鳴声、セミの鳴き声などがご愛嬌伴奏です・・・

一人で クスッ! と笑ってしまいました(失礼!) 

何事も自然で、野外のいいとこですね・・・

 

次いで、ハワイアン・フラダンスと生の演奏です・・・

昔の若き美しい方々?(失礼!)が、ハワイアンソングに合わせて

踊り始めました・・・ 衣装も美しい!

森の中は一気に明るく、華やかな雰囲気に包まれてきました・・・

私は前の席を立って後に周り、全体を見ていました・・・

すると留学生なのか? 若い女性の外人さんが二人、私の前に立ち、

見るからに踊りだしそうな格好で、ワクワクしながら見ているのが

伺えます・・・

しかし、しばらくすると頭を振り振りしながら、滝の方へ歩いていって

しまいましたが、あの首ふりふりはどういう意味なの・・・?

少し気になりましたが・・・(笑)

 

5組の踊りが終わると、次は味わい深きポップス・・・ いいですね!

次いで箕面第二中学校・吹奏楽団の演奏は迫力がありました・・・

沢山の人数なのに、各楽器を上手に使いこなしていて、見入って

しまいます・・・ 

力強い響きが森にこだましていきました・・・

 

この音楽会は、箕面の森を愛する各活動グループが協力して

開催されているようで、次回は 11月15日、13時~ とか!

思いがけずに森の中でいい音楽を楽しむことが出来て、

幸せな気分を味わいました。

 

暗くなった森の中から、時折り光るものが目に付きます・・・

川面に街灯が反射して、それが近くの照葉樹を輝かせているのか?

ホタル?  昆虫?

それとも箕面の森に住む動物たちも、聴き入っていたのかな?(笑)

 

明日(30日)は、「箕面の山パトロール隊」が主催して 

「箕面の自然の魅力を探るハイキング」 と称し、箕面の山の木や

花を訪ねるハイキングがあるから・・・ と、参加募集の案内をされて

いました。

何でも 「歩きたくなる箕面の山の花と木のハイキングマップ」 が

完成した記念ハイキングで、第一回目とのこと・・・

私が今日下ってきた落合谷から大ケヤキを登り、三国峠(395.9m)

箕面山方面を巡るそうですよ。

思いもかけないいろんな活動が、箕面の森をフィールドに行われて

いるようで、本当に嬉しい気持ちになります。

 

森からヒグラシ合唱団が、賑やかに見送ってくれました・・・(笑)

 09-8-29 (完)


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葛のつる・・・!

2020-08-26 | *編集・夏/8月
 

葛のつる・・ 



今日は箕面ダム湖畔の周回からスタートです。

 

四季の森で一休みをした後、箕面林道から自然7号路へ向って

 

歩いている時です・・・

 

 

 

突然に足をとられてバタン!  と、体ごと倒れてしまいました・・・

 

危ない!

 

とっさに体を横にして柔道の受身の真似をしたので、少しはましで

 

したが、ビックリです。

 

高校時代に少しだけ柔道をかじっただけなのに、体が覚えていた

 

ようで助かりました(笑)

 

 

 

これが土道で、岩場でなくてよかった・・・

 

以前、明ケ田尾山へ向う途中で、満開のミツバツツジの花を見上げ

 

ながら歩いていたら・・・

 

浮き上がっていた根っこに両足をとられて、そのままお腹と顔から

 

真正面に倒れ落ちた事がありました・・・

 

目の前に、折れてとんがった細い木の幹があり、寸前で顔に

 

かかる所で ゾッ! としたものですが・・・

 

これで バタン! は二回目です (笑)

 

 

 

足元を見ると、葛(クズ)のツルが両足に絡まったからでした。

 

これが前に岩でもあれば大怪我をするところでしたから

 

何事もなく ホッ! としました。

 

 

 

今の季節は、里も山もこの葛の繁殖期ですから大変です・・・

 

紅紫色した気品のある花房ですが、多年性のつる草で地をはったり、

 

木に巻きついて10M以上も伸び、大きな葉っぱが特徴です。

 

しかし、その生命力はすごく、木に絡みつくと大木でも枯らしてしまう

 

ので、林業者からは嫌われているそうですよ。

 

それに田畑でもすごい勢いではびこるので、農業者からも嫌われて

 

いるそうです。

 

 

 

私がよく歩く西尾根道、六箇山、鉢伏山、四反田谷、清水谷でも

 

この葛のツルに絡みつかれて枯れたり、枯れかかったりしている木を

 

見てきました・・・

 

最初は繁った木だと見ていると、近づくとそれが葛のツルが巻き

 

ついていたのですから ビックリです。

 

高山の棚田や周辺でも、新稲や外院の山里でも、土手で、畦道で

 

この葛のツルを刈っている人がいました・・・

 

聞くと・・・

 

根が張っていて、いくら刈っても毎年出てくるんで大変ですわ!

 

と、嘆いていました。

 

 

 

どこでも嫌われもののようなので「害草」なのかと思いきや!

 

あの葛餅や葛湯の原料だし、今はやりの夏風邪などにも効くという

 

葛根湯も、これが主原料というので「益草」なのかな?

 

益害両用植物と言えそうですね。

 

山や森、自然界のさまざまなものにも、同じ事が言えるのかも

 

しれません。

 

 

 

ちなみに私を転がしたこの葛のツルが、地球の砂漠化防止に役立つと

 

聞きました。

 

何でもその旺盛な生命力、どんな土地でもたくましく育ち、

 

根をしっかりと大地に張るので、土壌の流出をくい止めるのだとか・・・

 

更にその大きな葛の葉は、家畜のいい飼料になり、やがて循環して

 

やせた土地の肥料にもなる。

 

過度の放牧で砂漠化した土地や、森林伐採後の裸の森、

 

火山の噴火後の耕作不能地など、世界には自然破壊が進んでいる

 

が、その猛烈な繁殖力から、緑地再生で抜群の効果があり、

 

世界から注目されているのが、この日本の葛と言うのだから

 

分からないものですね・・・

 

菓子にも薬にも加工できて、まさに「益草」といえそうですが・・・?

 

 

 

箕面・自然7号路では、昼間 隣の天上ケ谷からやってくるサルの群れ

 

とよく出会います・・・

 

今日も私の前後を数匹のサルたちが戯れています・・・

 

横の谷間を覗くと、ここにも木に絡みついた葛のツルが見えます・・・

 

それにしても、木と木の間を飛び回っているサルたちは、よくこのツル

 

に足を絡ませないものだな!? 

 

「サルも木から落ちる・・・」 なんて事を目撃しないかと、しばし眺めて

 

いましたが・・・ うまいものです (笑)

 

 

 

少し擦りむいた左手のこうを見ながら・・・

 

今晩は冬の残りの葛湯を作り、冷やして味わってみることに

 

しよう・・・ (笑



09-8・21


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幸せのこもれび!

2020-08-26 | *編集・夏/8月

幸せのこもれび!

 今日は天上ケ岳(499.2M)でお昼にしました。

遠く大阪湾を望むと、キラ キラ キラと、波が反射して輝き、

大型コンテナ船がゆっくりと進んでいるのが見えます。

 

雲間から山頂に、暑い日差しが差し込んできました・・・

しかし木蔭に入ると、意外と涼しい風がそよいでいます・・・

真夏の風と、秋の風が、混ざり合っているような 合風? を、

肌で感じます。

昔の人がこんな風の吹く空をみて「ゆきあいの空」と表現していた

そうですが、まさに夏と秋の風が上空で行き逢って、挨拶している

ような感じです・・・ 上手い表現ですね(笑)

 

やがて堂屋敷山(553.4M)へ向って腰をあげました。

一つ谷間から再び上りきると、もう汗だくになり、リュックを下ろして

また一休みです・・・ 体力のなさを痛感です(笑)

 

すると突然に後方で・・・

ウオー ギャ ジャパー ウン ウン ウン・・・

何語か分からないような? でもリズムのあるような?

大きな叫び声が聞えて来ました・・・ なんだ!?

その内に手をつないだ二人連れがやってきました・・・

      *  こんにちわ!

・  こんにちわ!  あれ?  またお会いしましたね・・・

      *  あっ!  そうですね・・・

      *  私、もう足がガタガタですわ・・・(笑)    

         でもこうして息子と二人して山を歩けるなんて

         幸せですわ・・・!

 

お母さんは汗を拭いながら、それから2~3語、私と言葉を交わした

ものの、子供さんに引っ張られるように谷間へ下っていきました。

このお二人と出会うのは今日で4回目なのです・・・

最初は箕面川ダム湖畔にて、次いで前鬼谷、そして最勝ケ峰で

お会いしました。

 

プライバシーもあり、今までのお話を要約すると・・・

・  心に障害を持つ息子さんを、施設でお世話頂いているものの、

   週一回はお母さんが迎えに行き、二人して箕面の山を歩いて

   いること。

・  それは息子さんの希望で、最近はいつも楽しみに待っていて

   くれること・・・

・  半年が過ぎ、ふさぎ込んでいた息子がどんどんと明るくなって

   話すようになってきた事・・・ 風邪も引かなくなった事・・・

・  それに大きな叫び声のような発声は、気分が良くて歌っているの

   だと・・・

 

今日もお母さんはタオルだけもって、手ぶらです・・・

息子さんがいつも大きなリュックを担ぎ、今日は二本の洋傘を持って

いました。

森の中では生き生きとし、いつも元気に、嬉しそうに行動している

姿が印象的です。

 

私は一年ほど前に、いつも行く古本屋で・・・

「森林療法序説--森の癒しことはじめ--」 上原 厳 著 を、

1ドルで手に入れて読み、感激した事があります。

その本の一節には、丁度 自閉症療育施設における森林療法の

事例研究が載っていました。

専門的なことは分かりませんが、森の中での療育--

自然環境に身を委ね、自然が癒し、人間として成長していく事を

見守っていく姿があり、感動したのです。

 

私自身も会社経営から引退して、隠居生活に入って間もなく、

ひどいうつ鬱状態に陥り、家人に専門医に連れて行かれた経験が

あります。

長い時間はかかりましたが、幸い薬も使わず、カウンセリングと

箕面の森の散策を趣味として、回復しました・・・

それだけに「森の療法」という言葉に、実感が伴うのです。

 

あのお母さんは、人に言えない辛さや苦しみを、沢山経験して

こられたことと推察します・・・

今、息子さんと手をつないで、山や森を一緒に歩く事で、

その辛苦を克服してきたのかもしれませんね・・・

確か、「今は幸せです・・・」 とおっしゃっていました・・・

 

「幸せ」 の文字の中にはよく見ると 「辛さ」 という字が入って

います・・・

その辛さを乗り越えたところに、それを深く意識する事のできる

幸せの心情があるように思いました。

お二人の幸多きことを祈ります。

 

大きな声で歌い? ながら、手をつないで山を下りて行く母子・・・

その前を、ひと筋のこもれびが、明るく照らしていました・・・

 「叫び唄 希望のこだま 夏の森」  (花詩)

 09-8・19 (完)


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森の霊園にて!

2020-08-26 | *編集・夏/8月

森の霊園にて!

 今日は箕面最高峰の明ケ田尾山(619.9m)を経て、高山の村落に

つきました。

高山の棚田の稲は、山里よりも伸びてスクスクと成長し、稲穂が

爽やかな風に気持ち良くなびいています。

 

見ると白い物が動いている・・・  なんだろう?

早速、双眼鏡で覗いてみるとシラサギです・・・

真っ白い優雅な姿で、畦道から長い首を伸ばして餌を探している

様子です。

 

鎮守の森の境内で一休みをした後、南の森へ向って上りました・・・

ここからは東海自然歩道への抜け道なのです。

しばらくすると、大阪府下最大の北摂霊園が見えてきます・・・

山と森を切り開いて開発され、25、000基もあるそうですよ。

真夏のカンカン照りの太陽を浴びながら、山上のモニュメント広場に

着くと、もう汗だくです。

 

私はここを通るたびに立ち寄る所があるのです。

それは芝生墓地・・・

遠く茨木、生駒山を見渡せ、広く見通しのきく場所で、

低い洋風墓石が整然と並んでいます。

私はなぜかこんな墓地を、終の住処にしたいな~ と、常に思って

いるせいか?  親しみを覚えるのですよ(笑)

 

芝生の上に座り込んで、物思いに耽る事もあります・・・

時々、おしゃれな? その墓石碑を、一つ一つ見て回る事もあります。

その形デザインに感心したり、その墓碑に彫られた言葉の想いに

涙する事もあります。

 

私は決して墓地巡りが趣味ではありませんが(笑)、

たまたま見たグアム島で、デンマークのコペンハーゲンで、

スイスのツエルマットで、ニュージーランドのクイーンズタウンで、

ハワイで、ニューヨークのマンハッタンで、ハンガリーのブタペストで、

チェコのプラハで・・・

旅や仕事で訪れた時に見た墓地は、どこも花に囲まれて明るく

美しい所でした。

 

それは5年程前の事でした・・・

箕面の森の散策を楽しみながらここを通り抜ける時に、いつもと

同じく、ここで一休みをしながら、何気なく一つの墓石の裏面を

眺めていました・・・

あれ?  もしかして?

それは珍しい名前だったので覚えていたのですが・・・

年月もぴったりです・・・

ここがあの人の・・・!?

 

それは立派な洋式墓碑なのです・・・

あれはもう30年以上も前のこと・・・

私が事業を始めてまだ四苦八苦していた頃、一人の女子大生が

自死しました・・・

詳しい事情は分かりません。

しかしそれは取引先の一人娘さんでした・・・

ご両親は共に仕事一筋で、人も羨むばかりの成功者で、駆け出しの

私にとって憧れの人たちでした。

私は知人に誘われ、教会での葬儀に参列し、初めてその娘さんの

遺影を拝見しました。

 

しかし、あれから家族は崩壊し、会社も止め、音信不通で、消息は

私には分かりません・・・

 

改めて墓碑を見ると、あの時の娘さんの名前だけが彫られていて、

誰も訪れる事のないような雰囲気に寂しさを感じました。

私にとってこの偶然の発見と出会いは何なのだろうか?  と、

自問自答しています・・・

 

それ以来、ここを通るたびにいつもここで手を合わせ、語りかけて

いるのです。

お盆の今日は特に人が多く、花が飾られ、お線香が焚かれ、

縁者が集っています。

何のご縁なのか? いまだに私には分かりませんが、今日も

面識もない私が、若き故人に語りかけ、また自分の諸々の思いに

心をはせたのでした・・・

 

箕面の森から、セミたちが賑やかに、賛美歌を大合唱しているように

聴こえました・・・

 09-8-15 (完)


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