森で癒し!
やっと梅雨明け宣言が出されたかと思ったら、もう暦の上での立秋も
過ぎてしまい、何となくこのまま夏が終わってしまうのか?
と思いきや・・・
今日は朝から30℃を超える真夏日です。
夏の高校野球が甲子園で始まりました・・・
やっと夏らしい風情ですね。
ギラ ギラ~ と、今までの曇天を振り払うかのような真夏の太陽!
私は真夏の太陽を実感すべく、その炎天下で意識して帽子をとって
みたものの、すぐに薄くなった頭皮が 暑い! と(笑)
1分もたたずに湯でダコ状態になり、すぐに木蔭に避難しましたよ(笑)
今日は「箕面ビジターセンター」前から出発です。
ここは自然4号路から勝尾寺へ、東京・高尾山へ向う東海自然歩道
(西の起点地)、天上ケ岳への修験道など・・・の起点地です。
それにこの北側の森は、それぞれへ向う時のウオーミングアップにも
適した森ですね。
サラ サラ~ と、気持ち良く流れる箕面川を眼下に、ゆっくりと森へ
入っていくと、それまで ムッ~ としていた真夏の空気が、
少しヒンヤリと変るのが肌で感じられます。
ミンミンゼミ、クマゼミの大合唱を聞きながらも、風が心地よく、
コナラ、ヤマザクラ、ケヤキ、リョウブなどの小枝がゆっくりと揺れて、
真緑になった葉が小さく踊っているように見えます。
新設なったゆるやかな丸木階段を上っていくと、杉林に入ります。
見上げると樹冠が大きく揺れて、上空では風が舞っているようです。
それは真夏の太陽をいっぱい浴びて、感激の踊りのように見えます。
その踊りのたびに、森の小径の木もれびも変化し、木蔭がまるで
影絵のように動き出し、移り変わり、物語を演じているように思え
ました。
朽ちた杉の大木が横たわり、その崩れた幹の端から、小さなスギの
新芽が顔をだしています・・・
それがひと筋の木もれびを浴びて、まるで森の精や親木たちが
その誕生を祝福しているようです。
豊能自然歩道、箕面川ダム湖方面とある表示の前で、
一組の同年輩のご夫婦が、地図を広げながら、一休みをされて
いました。
・ こんにちわ!
* こんにちわ! こんちゃ!
すいませんが・・・五月山の方へ行きたいんですが・・・
こっちでいいんですか?
と、奥さんが声をかけます。
・ どちらからでも行けますが・・・
私はダム湖沿いから自然7号路経由、また天上ケ岳コースなどを、
自分のオリジナル地図を示しながらご案内しました。
・ よろしければこれを差し上げます・・・
私はその地図を差し上げました。
* やあ! ありがたいわ! すいませんね・・・
これ分かりやすいわ! お父さんよかったわね!
私らはいつも二人して山歩きをしてるんです・・・
いつも家ではケンカばっかりしてるのに、山へ来ると
不思議とケンカしませんねん・・・
なんでやろな? お父さん!
ハ ハ ハ ハ ハ ハ ~
豪快な笑いの奥さんの横で、お父さんは苦虫をかんでいます(笑)
・ 山ではいつもご主人が、先に歩かれているのですか?
* そうですねん! 私、怖いの苦手ですねん!
(何でそんな事聞くの? と言う顔をされていましたが・・・
私には山でケンカしないお二人の理由が少し分かるような気が
しました・・・
家ではきっと逆なんでしょうね? (笑))
私は分岐点から、自然3号路の東コースに向いました・・・
コバノミツバツツジ、リョウブ、クヌギ、モミジ・・・
尾根の雑木林は、気持ちいい樹木のトンネルを作ってくれています。
ここにも涼しい風が吹いています。
私は腰を下ろし、しばしいつもの森浸りを楽しみました。
足元を金色のコガネムシが歩いていきます・・・
蝶々が足元の枯れ小枝にとまりました・・・ シジミチョウぐらいの
大きさで、紫と銀色に輝く美しい蝶々です・・・
思わず身を乗り出して見とれてしまいます・・・ きれいだな!
夏鳥たちがあちこちで飛び回っては鳴いています・・・
すると、急に目の前の樹木に、尾の長い鳥が飛んできました・・・
よく見ると、くちばしと目の回りがコバルトブルーの特徴のある鳥です。
サンコウチョウだ!
箕面の森で誕生し、成鳥になったばかりの青年鳥のように見えます。
ゴソ ゴソ ゴソ・・・
見ると、枯れ葉の横を7色の鮮やかな虹のような色をした、小さな
トカゲ君が、チョロ チョロ と這っていきました・・・
それにしても素晴らしいグッドデザイン!(笑)
足元のアリさんたちも、今を盛りと忙しそうです・・・
アリとキリギリスの童話を思い出します・・・
今日の私は、朝から少しうつ鬱です・・・
しばしいろいろな事があって、心が悶々としていました。
それが森の散策をはじめ、森に浸って自然の営みを見たり、感じたり
していると、いつの間にか忘れてしまっていました。
それは固い氷の塊が、太陽の暖かさに溶けだし、徐々に氷解して
いっているようで、それが実感できるのです・・・ 不思議です。
もう9年も前の冬の事・・・
私が初めて箕面の森を訪れ、突然のパラダイムの大転換を図れた
のも、この森の同じこの場所でした・・・
私にはこの森の、この場所は、いつも心の癒し場所なのです。
そんな所が存在し、それを持っている私は何と幸いなことなの
だろうか・・・ と、いつもそう思っているのです。
「山歩きしてると、不思議とケンカしませんねん!」 と大きな声で
話していたあの奥さん・・・
第一は、森のかもし出す不思議な自然力と、それによる心の癒し
効果が大きな原因と思いますが、もう一つは・・・ 内緒です (笑)
09-8-8 (1) (完)