箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

滝道の親孝行

2020-08-25 | *編集・春/3月
滝道の 親孝行 !
 
 私はこの日、箕面の 「落合谷」へ向かう為に、駅前から滝道に
入った所でした。
ここから箕面大滝まで 片道、約2.4kmの滝道ですが、
舗装された道は歩きやすく、箕面名物の 「もみじのてんぷら」を
揚げている店が並び、なだらかな坂道はあるものの毎日、
老若男女 さまざまな人たちが思い思いに歩いています。
 
箕面川の清流を見下ろしながら、春夏秋冬 四季折々の風情が
楽しめる散策路で、年間120万人が訪れる滝道です。
ここから、箕面の森のあちこちにハイキングルートがあります。
 
先ほどから私の前を歩いていた親子連れ !・・・
お母さんと もう大きくなった若い息子の 息子の方がしきりに
何か母親にささやいています。
息子の方は一見 不良っぽい恰好で、頭は茶パツで服装も
それなりに・・・と、言った感じですが、なんともまじめそうな
お母さんとは対照的です。
私は後ろを歩きながらそれとなく見ていました・・・
そのときでした。 
 
若い息子が恥かしがる母親を 背中に負い 歩き出したのでした。
オ~・・・なんと!  
それは、丁度その横の道端に建つ、かつて日本財団を創設した
笹川良一氏「母を背負う像」があったからでもあります。
回りの人たちも 温かいまなざしで見つめていました。
 
私は彼らを追い越しつつお母さんを見ました・・・
息子の背に顔をうずめて恥かしそうにしながらも嬉し涙? を
流していました。
息子が堂々と母親を背負い、恥かしがる様子もなく前を向いて
ゆっくりと歩いているのが印象的でした。
私はその先から山道にそれて森に入っていきましたので、
その後の事は分かりませんが、一日中 心温かに、心豊かに
過ごす事が出来ました。 06-5 (完)
2007 3/17

里山に春がきたよ・・・!
 急激に暖かい気候になりましたね・・・
ドンカメは日常生活にも のろく、今日もまだいつもの冬の服装で
出かけたものですから・・・家から少し歩いただけでもう額に汗をかいて
きました。
 
近くの桜橋から箕面川を覗くと、その川の島と土手際には沢山の
黄色い花が咲いていました・・・
菜の花のような?  それよりも背が高く アブラナか?  
花の名前はよく分かりませんが、まさに満開の川面に見とれてまいました・・・
春ですね・・・!
 
 
新稲(にいな)の里山にはいると・・・
田畑の畦道にうす紫色をした イヌフグリの花が沢山咲いています・・・
小さくて上品な花びら、清楚で可憐な花で、私の好きな野草の一つです。
 
その近くにはジャンルの違う黄色い タンポポの花が3輪・・・
少し先には赤紫色の花びらの ホトケノザが群生していてきれいです・・・
その陰に隠れるように、うす紫色した ツユクサの花も咲いています・・・
おはよう!  春だね! ・・・ 野草もみんな一斉に花開き始めたようです。
 
 
畦道にしゃがみこんで、その横を流れる小さな疎水からの水の音・・・
なんと耳心地のいいことでしょう・・・
静かに目を閉じてその流れを聴いていると、瞑想の世界に入って
しまいます。
 
 
遠くの旧牛舎前を見ると、その入り口前にある 桃の木が、ピンク色した
花びらで満開です・・・  きれいだな!・・・ 見とれてしまいます。
その少し先には見事な白色と紅色の何種かの 梅の花が咲いているのが
見えます。
 
かつては牛もお花見するのかな? 思ったりしてみていました。
そんなバカなことを思いながらも・・・  何しろいつも乳牛の乳の出が違うと
いうことで、牛舎にはクラシック音楽などが流れていたりしていて・・・
それにモーツアルトの交響曲第38番プラハが流れていて、臭いのを
我慢して牛舎前で聞き入っている私がいましたから・・・ 
何の話だったか? 
そうそう・・・  そんな訳で牛のお花見も、音楽を聴いて育つぐらいだから
ありえない話ではないのでは・・・ ということが言いたかったわけです・・・? 
 
 
 
私はいつも丘の上にあるスカイアリーナ(箕面市立総合体育館)の東方から
小川口にでて森に入ります・・・
その前に、いつも山麓から大阪を一望して、しばし思いに浸りたたずむ 
お気に入りの場所あるのですが・・・ そこで立ち止りました。
横には一軒だけ民家があり・・・
この家は最高の立地で、いつも羨ましく眺めていますが・・・
 
 
その時でした・・・
 
 
   ホー ホケキョ ケキョ ・・・
 
今年初めて聞く完璧な ウグイスの鳴き声です。
嬉しくなった私は早速リュックから双眼鏡を取り出して、木々の枝から
ウグイスを探し始めました。
なかなか見当りません・・・
 
すると今度は別の場所から ホー ホケキョ・・・
なんと美しい響きでしょうか・・・
春を告げるウグイスの声を聞くと、私はもうジンジンと心が温かくなってきて、
いつもウキウキワクワクした気分になってくるのです。
 
ウグイスは縄張りがあるとかで、この辺ではいつも2ケ所で鳴いています・・・
昨年は、偶然木の枝で鳴いているウグイスを見つけて しばし我を忘れて
感動しながら聞いていました・・・
今年も・・・
しかし、声はすれどもあちこち目を凝らしても捉える事が出来ません。
 
なにしろ小さい鳥ですからね・・・
それなのにあの声量はすごいです。
 
我が家の床の間に 紅梅と鳥 の掛け軸がかけてありますが、私はその
ウグイス色をした鳥をウグイスとばかり思ってきました・・・
しかし、実はそれは メジロだと知りました。
 
実際に見るウグイスはそのメジロより小さく、茶褐色の体で目立たず、
少し尾羽が長いぐらいで特徴もなく、凡そウグイス色のイメージとは
異なりますよね・・・ 
 
 
ウグイス探しをあきらめて、下の小さな池の前で一休みをしていました。
前には大きなクスノキとユーカリの木があり いい木蔭だったのに
今は伐採されて菜園になっています。
しばらくして・・・
ふっとササヤブの中の小枝をみると・・・ 何と!  ウグイスが一羽とまった
ではありませんか・・・  感激です! 
チャチャ・・・ という笹鳴きをしながらじっとしていなくて、しばらくして
クスノキへ飛んでいきました。
あんまり私が探し回っているものだから、きっと会いにきてくれたのだ・・・ 
と 勝手に想像して嬉しくなりました。
 
 
やがて再びウグイスが、青空いっぱいに響き渡るように鳴いてくれました・・・
しかし、そのあとで別の方角から、ケケケケ・・・ ケッキョ・・・ ケキョケキョ
思わずこけそうになりました。
 
練習中の新米ウグイスかな ? 
しかし、これは新米の練習時だけでなく、時に警戒の意味がある鳴きかた・・・
と 聞いたことがありますから・・・ 
悪く考えればあんまり私が探し回っているから警戒されたのか? 
そうするとさっきのウグイスは偵察にきたのか?  
 
でも私はそんな懸念はすぐに払拭して、新米ウグイスまでもが私に鳴いて
聞かせてくれたことに感動でした・・・
いい方に単純です? 
 
 
池の回りにはモンシロ蝶が飛んでいます・・・
田畑に白い雑草の花が一面に咲いている美しい所が見えます。
そう言えば雑草という名前の草はないわけで、よく見ると ナズナ
(別名ペンペン草)の白い花でした。
 
ゆっくり ゆっくりと畦道を歩くほどに 里山の春 を実感して、今日も小さな
至福の一時を過ごせました。
今日はこれから教学の森を抜けて六箇山へ向かって森の散策を楽しもう・・・ 
と やっとこさ重い腰をあげました。
 
 
近くの お寺(禅曹洞宗・布袋山 栄松寺) の前を通ると いつもの
案内板があり、次のように書でしたためられていました。
 
「 一本の野の花も いのちいっぱいに生きている 」
 
小さなタンポポの絵が添えられていました。
 
本当に小さな野の花一本が、春をちゃんと覚えていて 新しい芽を出し 
花を咲かせている・・・  生命いっぱいに生きている姿・・・
今、まさに実感してきた所ですから 私の心にも素直に入ります。
 
私も野の花にならい、大切に いのちいっぱいに生きてみよう・・・ という
気持ちになりました・・・
’13 3・11

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前鬼谷の橋火災!?

2009-03-28 | *編集・春/3月

前鬼谷の橋火災!?

 

 

瀧道から小さなトンネルを抜けて落合谷に入ると、上のほうから数人

グループがしきりに残念!  残念!  と、言いながら下りて来ま

した。

間もなくして一人の女性ハイカーの方も、首を振りながら下りてきま

した。

どうしたのかな?   

何かあったのかな・・・ ?  

しかしすぐにその理由が分かりました。

 

「この先の箕面自然歩道は、通行止め」 との表示です。

何があったのだろうか?

更に進むと山道を大きな看板がふさいで、その理由が明示されて

います。

「・・・この先の橋で火災があり・・・ 危険な為に通行止め・・・ 云々」 

との事です。  

この箕面自然歩道・前鬼谷(ぜんきだに)渓流にかかる小さな橋々は、

近年にその5~6ケ所が改修されたばかりです・・・  

一部の土台はコンクリートや鉄骨で補強されていて、かつての丸太を

組み合わせただけの橋から変っているはずだが・・・?  

そんな橋が火災だなんて想像がつきません・・・

 

例え橋が崩れていても谷川に下りればいいし、狭い浅い所ばかり

なので通行に支障はないだろう・・・ と、私は行って見る事に

しました・・・ 本音は好奇心なのですが・・・ (笑)

通行止めのロープは、すでに何人かのハイカーが通ったようで垂れ

下がっています・・・  

 

ごめんなさい!  

そういいながら、私はロープをまたいで山道に入りました。

ここからゆるやかな登りが、ようらく台園地から五月山ドライブウエイ

まで続いています。

この前鬼谷の左斜面の上方から、右の谷川べりまでにかけてはいくつ

もの細い獣道がはっきりとついていて、いつもキョロ キョロと見回して

しまいます・・・ 

と言うのも、つい数時間前の夜明けまで、この獣道を森の動物達が

行き来していたかと思うと・・・ 

今頃どの辺で寝ているのかな? と、周りを見渡してしまうのです・・・  

ぬかるみに四足の爪あとなどがくっきりと付いていたりすると、余計に

リアルですからね・・・ (笑)

 

岩と岩との間から馬の尾のような細長い小滝が見え、その上にかかる

橋が第一番目の橋です・・・  

見るとここは何も問題なく安全のようです・・・

次いで二番目・・・ 何もなし。 三番目・・・ 大丈夫!  四番目・・・ 

ここでも問題なし・・・

巾は1M 長さ3M 前後の手摺のない小さな木の橋を次々と渡り

ながら、ゆっくりと登っていきます・・・  

春の森の芽吹きを楽しみながら・・・

 

すると上方から髭をはやしたおじさんが一人下りて来たので、

早速尋ねてみました・・・

・  すいませんが・・・ この先に燃えた橋がありましたか?

   *  いや!  ワシも気にしながら来たんやがな・・・  

      あれしまへんでしたで・・・  この下もないんでっか?

お互い通行禁止をまたいできたので情報交換も念入りに? した

けれど、どうやら火災橋はなかったようです・・・  おかしいな?

 

やがて私は上りきった所にある休憩所で一休みにしました・・・

すると一人の同年輩の男性の方が、逆方向から来られ話し掛けこられ

ました。

   *  下から来はったんでっか?  ワテは六箇山からですワ!

       この下の橋な、燃えてましたやろ?

・  エッ!  やっぱり燃えた橋があったんですか?  

      気が付かなかったんですが・・・

   *  あれが目に入らんことないワ!  

      ワテが10日前に通った時はな、橋の三分の一がこう焼け

      とったワ・・・  なにせ木やさかいな!

      しかし、あれは故意やな・・・  タバコの火が燃え移った

      ようなもんとちゃうワ・・・  

      こん前、オーストラリアやったかな?  

      大火事あったがな・・・ タバコも危ないけどな・・・ けどな、

      あの橋をな燃やすとなると結構な火力いるさかいな・・・  

      どないして燃やしよったんかいな?

      崩れ落ちてはなかったけど、あれでは半分ぐらい手を入れん

      とあかんのんとちゃうかな?    

      しかしそれに気が付かんかったんやったら、もう修理したん

      やな・・・?

・  そうだったんですか・・・  知りませんでした・・・  

   通行止めだったのでどうしようかと思ったんですが、逆にその現

   場を見てみようと思って登ってきたんですが・・・

   *  工事が終わったら終わったで、早ように看板どけたらな

       あかんわな!

       ええ季節やのにな、みな通られへんやないかな・・・  

       殺生やな!

・  そうですね!  でも早く補修してもらってよかったです・・・  

   しかし悪い事する人もいるものですね・・・

 

   *  ほんまやで・・・  悪い事いうたらな・・・  こん前な、外院

       の山ん中でな、自転車乗った若い奴がカーブ曲がりきれん

       と谷へ落ちよってな・・・  そんで救急隊が8人がかりで

       担架に乗せて運こんどったワ!

       狭もうて崖や岩やからな・・・  大変やったで・・・

       もうワテ三回もそんなん見たわ・・・  自転車乗ってる

       若い奴見たら、ワテいつも怒ってやりまんねん・・・  

       ほんま、山んなかで自転車なんか危ないわ!  

       この前なんかは70台のじいさんが転んで足折りまして

       な・・・  そんでまた救急が出てましたワ・・・  

       山ん中なんてほんま大変でっせ!  

       一人に8人の救急隊もいりまんねんな・・・

 

いつしか橋の火災から話が違う方向へいってしまいましたが、私も

同感するところも多くあり、相槌を打ちながら聞いていたら、次々と

山歩き時のボヤキ漫談になってしまいました・・・ (笑)

しかし、山や森での事故、災害には気をつけなければなりませんね・・・

他人事ではありません。

 

それにしても、こんな森の中の小さな木橋を燃やして、何の憂さ晴らし

なのでしょうか?

近頃は理由のハッキリしない、わけの分からない人が、わけの分から

ない行動をする時代なのでしょうか?

ワタシはわけが分からなくなりながらも、気持ちを切り替えて猟師山へ

と向いましたが、途中の森の尾根道で、黒く焦げて倒れた木を見つけ

ました・・・ 

ゾ ゾ ゾ~ ! 

よく見ると、どうやら何年か前にこの木に雷が直撃した模様です。

カミナリなら防ぎようのない天災ですからいたしかたありま

せんが・・・?

 

こだわり症の私は、これからしばらくの間、森の火災痕に キョロ 

キョロ キョロ と しそうです・・・ (苦笑)

 

 

09-3-28 (完)


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山道の改修路を歩く!

2009-03-21 | *編集・春/3月

山道の改修路を歩く!

 

 

最近は日替わりのようにお天気が変りますね・・・

今日は昨日の大雨の後の、快晴のハイキング日和です。  

しかし、寒暖の差が10度以上もあり、季節の移り変わり目を感じます。

今日は自然2・3号路の改修が終わったようなので、早速出かけてみる

事にしました。

ここへ来る前に聖天の森の南斜面には、早くもミツバツツジの花が

美しく咲いていて、春風になびいていました。

 

まず瀧上から勝尾寺方面へ進み、百年橋を渡って自然2号路を上り

ます。

いいお天気です・・・

ガリ ガリ ガリ~ ザ ザ ザー   何の音かな?

上っていくと、やがて作業服を着た一人のおじさんが、改修工事の

残処理なのか?  スコップで山道を整備していました。

・  おはようございます・・・  ご苦労様です!

   *  ハイ!  おはようごさいます・・・

・  きれいになりましたね・・・  ありがとうございます・・・

   *  ハイ!

おじさんは私の顔を見ながら、もうこれ以上ないと言わんばかりの

笑顔でにっこりされました。

 

丸太をがっちりと組み合わせて土止めの壁を作り、路肩を固めて

います。

山の保水力がなくなってきた・・・ と、言われ始めてからもう沢山の

岩コロ、土砂が山道を覆い、歩くのに危険な個所もあったので、

嬉しい限りです。

それに杉の間伐材を活用したり、加工したりしているのが嬉しい

ですね。

仕事とはいえ、こうして私には作業不可能なことを黙々とされている

方々には有り難く、自然と頭が下がります。

 

しばらく上っていくと岩場に山椿(ヤブツバキ)の赤い花が沢山落ちて

いて花道が出来ています・・・  昨日の雨風で落ちたのかな?

でも見上げるとまだ沢山の花が枝には付いています。

 

108の石段を上ると フー フー もので、息が切れます・・・

少し休んで一呼吸をおいていると、それまで気が付かなかったの

だが、鳥たちが沢山飛び交っているのが見えます。

それに北の谷間から音がする・・・  何だろうか?  

早速首からかけている双眼鏡でのぞいて見ると、水の流れです・・・

その少し上に長い馬の尾のような小さな滝ができていて、その音

だったようです。  

きれいです・・・ 

自然の営みにしばらく見とれてしまいました・・・

昨日の大雨の影響なのか?  この谷で見る初めての光景に、

一期一会を感じました。

 

この自然2号路沿いには、樹齢100年近いような大きな杉の木が

林立していて、夕暮れ時には欝蒼として恐くなるぐらいです。

しかし、南面の為に昼過ぎまでは太陽があたり、木漏れ日が山道を

照らしていて、それは気持ちのいい自然路なのです。

朽ち果てた大きな杉の木株の上にコケが生え、その中から小さな杉の

赤ちゃんが芽を出しています・・・  ガンバレ!

しばらくかがみこんで見ている時でした・・・

 

   *  何してはりますノン?

(見るとおばさん二人連れ・・・ 突然で少しビックリ!)

・  杉の赤ちゃんを見てたんです・・・

   *  あっ!  これな・・・ 可愛いな! ワテみたいやな! 

       ハハハハ・・・

(もう一人のオバサンが・・・)

   *  あんた!  どこが可愛いのん?  

       やきいもみたいな顔して・・・!

(私の方が大笑い・・・)

・  あっ!  すいません・・・ でも楽しい方ですね。

   *  そうでんねん!  こんな事ばっかり言いながら山歩いて

       おりまんねんで・・・ 

       しかし、道なあ、きれいにしてもろてありがたいでんな!

       ほんま助かるわ・・・ この前なんかな! あんた! 

       二人して同時にこの先で転んでな・・・  痛かったな!

(するともう一人のオバサンが・・・)

   *  あんたがワテの腕につかまったからやで・・・ 

       道悪うてな・・・ 

       死ぬ時も、ワテ道ずれにせんといてや!  

       アハハハハ・・・  ホナお先に!

大阪のオバちゃんにはいつも圧倒されてしまいます (笑)

 

少し間を空けて私も進んでいくと、右に獣道を見つけました・・・

見るとぬかるんだ道に獣足と人の靴跡が並んでついているので、

つい クスッ! と、笑ってしまいました・・・  行けそうだな!?

最近はもう初めての山道の開拓はやめていたのですが・・・ 

方向は分かっているので慎重に登り始めました・・・ 

初めての山道には緊張感でいっぱいです・・・ もうあのオバちゃん達

毒気はすっかりと払拭されしまいました (笑)

やがて見慣れた自然3号路の風景が見えてきました・・・

こんな所に出てくるのか!  新しい発見に満足です。

ところが道なき獣道から急に私が出てきたので、丁度前から歩いて

こられた中年の女性を驚かせてしまいました・・・  

すいません・・・! 

 

暖かい尾根道のひだまりを見つけて一休みにします・・・

思い切り深呼吸をして森のイオンを体に吸収します・・・  

気持ちいい!

リュックからコーヒーポットを取り出してコーヒータイムにします・・・

いい香り!  温かいコーヒーが喉を伝っていく時の至福感は何とも

いえません。

 

やがて鳥のさえずりと共に、ザリ ザリ ザリ・・・ ガザ ガザと変な

音がします・・・  何だ?  

双眼鏡で南側の谷間をのぞいていると、作業着姿の方がスコップを

持って先程と同じように改修された山道を整備しています・・・  

一人なので残作業のようですが、丁寧に一段一段スコップでならし

ながら、横の溝の枯葉などを除いています・・・ 

ありがとうございます!  

私は自然と心の中で叫びました。

 

こうして箕面の森の散策を楽しめるのも、作業して山道を整備して

くださる方々のお陰です・・・  感謝です。

それにこの財政難のおり、箕面市、大阪府や林野庁も必要な予算を

下ろしてくれる事にも有り難いことです・・・

日頃、行政に文句ばかり言っているのに・・・ (心の中でですが・・・)

自分たちに関係する対公共事業費には、こうして素直に感謝できるの

も、我ながらジコチュウな人間だな・・・ と、苦笑ものです。

 

しかし、先程の大阪のオバちゃんがくすしくも言ってましたね・・・

「きれいにしてもろて、ありがたいでんな・・・ ほんま助かるわ!」

その通りです・・・  素直ないい表現です!  (笑)

 

 

09-3-21 (完)


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