箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

勝尾寺 まだでっか?

2020-09-30 | *編集・秋/9月

勝尾寺 まだでっか?

 今日は箕面・外院から旧参道を上り、勝尾寺山門前から

自然5号路に入りました・・・

お寺のゴ~ンという鐘の音を聞きながら松林を通り、気持ちのいい

散策路をゆっくりと歩きます・・・

 

  コツン・・・ うん ? 

急に頭の帽子の上に何か落ちてきました・・・ 

足元を見るとドングリです・・・

手にとって見ると青いドングリが、カワイイ帽子をかぶっていて、

まるで小さな赤ちゃんのようで初々しい姿を見せています・・・

早速ポケットに収納しました・・・ 

ドングリの命は地面に落ちたままだと乾燥に弱い為に1~2週間と

聞きましたから、今日帰ったら早速、庭に埋めてやりましょう・・・

今までそうやって春になると可愛い新芽が顔を出すのを楽しみに

してきました・・・

それから2~3年して大きくなったら、また森に持っていって、

日当たり良い場所に植えてやるのです・・・ 

もう何本も巣立っていきましたよ。

 

シバグリの小さな青いイガが落ちていて、中を見るとクリは無く、

早くも動物の食事に供されたようでした・・・

暑い暑いといいながらも、箕面の森も急に秋の装いを始めたよう

ですね・・・

そんな森の変化を楽しみながら、やがて坂道を下ってきました。 

右下の谷には「八天杉増長天の石蔵」 なる古墳があると言う所。 

  (私はまだその谷下へ下りたことはないのですが・・・) 

この辺かな?  と、覗いて見ているときでした・・・

 

下のほうから フ~フ~ フ~ と言いながら10数人の団体さんが

上がってきました・・・

 

  「こんにちわ!」

    「うん?  ああ~」

 「こんにちわ・・・」

     「  ・・・  ・・・  ハ~ 」

 

おかしいな?  

皆さん会社帰りのような格好で、男性は黒い革靴にネクタイ姿、

この暑いのに背広を片手に持っている人もいます。 

女性もハンドバックを片手にビジネスシューズです・・・ 

何か 研修会の帰り・・・? といったような印象です。

それにしても、ろくに挨拶の返事もなく、感じの悪い人たちです・・・

リュックを担ぎ、山歩きの格好をしている私のほうが、なぜか逆に

場違いの錯覚をしてしまいそうです・・・ 

 

    「 勝尾寺 まだでっか・・・」 

 

一番最後を上ってきたフ-フ-顔のメタボおじさん(失礼!)から

声がかかりました・・・

私は少し考えてから・・・ 

   「そうですね!  これからしばらく上り坂が続きますが、

    その先は比較的平坦で気持ちのいい道ですよ・・・ 

      突き当たったら左のほうへ、そしたら石段があり、約2-300段

    下ったら勝尾寺の正門前にでますが・・・ 

    約3-40分ぐらいでしょうか・・・」

私はおじさんの歩き方から、少し余裕を持って時間を言いました・・・

 

    「 エッ  ウッソ!  ほんまでっか? 

      そんなん かなわんな・・・ 

      リーダーはすぐそこや! 言うんでついてきたんやがな! 

      それに、この道行くと勝尾寺の裏側に出て、

      入場料 タダになるいいまんねん・・・ 

      みんなでチャーターバスわざわざ降りてついてきた

      のにな・・・

      しんど!  もうあかんわ・・・」

 

そう言いいながらも、一人後ろに取り残されてあわてて

 よっこらしょ! と、渋々追いかけていきました。

 

 (勝尾寺の裏山に出る道は、実はこの道ではなく自然4号路から

  ですから、そのリーダーはどうやら右と左の入る道を間違えた

  ようです・・・)

私は自然5号路を下り、府道にでると、すぐ前の自然4号路に入り、

勝尾寺から東海自然歩道方面に向かいましたが、気になって仕方が

ありませんでした。

 

どこからお見えになった方々か分かりませんが、せっかく箕面の森

散策を楽しまれるのに、いい思い出を残して欲しいと思ったから

です・・・

追いかけて行ってでも、道が違う事を言うべきだったのか・・・?

しかし、挨拶もろくにしないような偉そうな? 自信たっぷりの感じの

リーダーでしたから、聞く耳を持ったかどうか・・・?

それに、人から聞かれないことに、余計なお節介はしないほうが

いいのでは・・・ と?

いずれにせよ勝尾寺へは出ることが出来るのですから・・・ 

但し、タダの裏山からでなく、入場料の必要な正面に出るだけの違い

ですが・・・ 

 

それにしても今頃、あのリーダーはどんな弁解をしているので

しょうか?

それに、あのドンベイのメタボ男性は (またも失礼!) 

無事ついたでしょうか? 

汗ビッショリの姿を想像するだけでも、お気の毒です・・・ 

 

しかし、そんな事を考えながら気もそぞろで、黙々と歩いていると、

私の心には何も森の印象が残っていませんでした・・・

今日、私はどこを歩き、どこの散策を楽しんできたのでしょうか・・・?

景色も風情も、こんなに印象の浅い森の散策もまれでした・・・

不思議なものですね・・・ 

  「勝尾寺 まだでっか・・・」 

この一言の方が、印象深い一日でした。 

’13 9・30

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋の高山・風情!

2020-09-30 | *編集・秋/9月

秋の高山・風情!

 今日は明ケ田尾山(619.9m)の山頂で昼食にしました。

ここは箕面市と豊能町・高山との境界線上にあり、山頂の一角だけが

樹木を伐採しているので、そこだけが森の中でぽっかりと穴があいた

ように見えます。

真っ青な空に所々に綿雲が漂い、穏やかな秋空です。

 

途中で二人連れの同年輩の女性に出会いました・・・

挨拶を交わしただけですが、二人とも笑顔で、生き生きとした表情が

印象的でした。

友と親しみ、山歩きを楽しみ、お喋りに花を咲かせながら、

季節の自然を愛でる・・・  

そんなお二人の自然体が心に残りました。

 

今、中高年のハイキングブームとかですが、先日のTV中継では

何百人と列を作り、前の人のお尻ばかり見ながら登っている姿を

放映していました・・・

これでは心斎橋の地下鉄階段と同じだ・・・! と、一人つぶやいた

ものです。(笑)

そんなに沢山とでなく、数人の気の合う仲間や友人と、気ままに

ゆったりペースで,道草などしながら山を歩き、森の散策を楽しむのも

いいものです・・・

 

私など、頑固で、意地っ張りで、ワガママで、自己中心的なので、

もっぱら一人歩きが合っています・・・(笑)

何しろ自然が相手だと素直に、謙虚にならざるをえず、人智を超えた

不思議な体験などを通して、山や森や自然界に畏敬の念をいだく

ようになると、少しは人間的に丸みを帯びてくるように思うのですが、

人間界に下りてくるとすぐに元に戻ってしまいます。 (笑)

 

近くで何台かのバイク音が?  まさか?  聞き違いかな?

それとも下の府道から風に乗って聞えてきたのかな・・・?

しかし、それは高山へ向う山道に出た時に分かりました。

この細いV字谷は山水が少し流れ、小岩が多いので歩きにくい

山道ですが、その谷間にくっきりとバイクタイヤの跡が残っていた

のです・・・

最近は、山を自転車(マウンテンバイク)で走り回る趣味の人も多く

いてよく出会いますが、爆音のエンジン音とガソリンの匂いを撒き

散らして走るオフロードバイクは、森の中ではいただけません・・・

私は生理的に苦手なので、一人文句を言いながら山を下りました。

 

小高い丘の上にあるキリシタン大名・高山右近の生誕地石碑の前に

つき、その横のモミジの木の下で一休みにしました。

汗をかきながら下ってきたので、木蔭の風が涼しく心地のいいこと・・・

思わず大の字になって寝転がってしまいました・・・ (笑)

真っ青な空に浮かぶ フワ フワ の白い雲を目で追っかけていると、

いつしかウトウトと眠たくなってきました・・・ いい気持ち!

 

賑やかなヒヨドリの鳴声に我に返って起き上がると、畑の横にコスモス

が色とりどりに咲き乱れています・・・

その前にはカンナ、ケイトウ、ホウセンカ、オシロイバナ、サルビア

などが咲いています。

畑にはナス、キューリ、トマト、かぼちゃ、オクラ、ピーマンなどが実を

つけています。

昔ながらの独特の農家の家屋を見ていると、本当に懐かしい田舎を

思い出します。

軒下にはタマネギが束ねてぶら下がり、漬物にするのか大根を干して

いる所もあります・・・ いい風情です。

 

この地は都市近郊の過疎地とかで、人口は数百人で年寄りが多く、

店舗も一軒としてなく、バスも一日2本ぐらいでは、村を構成していく

のは難しいのかな・・・?

しかし、車で20~30分も走れば箕面や千里の都市に出られる事を

思えば、住む環境にはいいと思うのですが・・・?

 

人影の見えない村落に、一台のライトバンが入ってきた・・・

見ていると、助手席からカバンを抱えた女性が出てきては、点在する

家屋を一軒一軒回っている・・・

介護などの見回りの人にも見えず、何か御用聞きかセールスかの

様子です・・・?

でも、留守の家が多いのか、すぐに立ち去っていきました。

箕面の隣村であっても、この環境の違いには驚きますが、

私などはワク ワク するような夢空間に映ります!? (笑)

過疎地の不便さはあっても、この豊かな自然は変えがたいものが

あると思います。

 

ゆっくりと腰をあげて鎮守の森のある棚田へ向います・・・

すると途中で ビックリ!

昔の高札場のある裏山から一匹のキツネがでてきて、私を見ると、

また山へ戻っていきました・・・

私は化かされないように、ホッペを少しつねってみましたが・・・(笑)

 

やがて稲田に出ると、これも ビックリ!

もう稲刈りが終わっている田、今まさに家族総出で刈り取っている田が

あり、昨日見ていた箕面・新稲や外院の稲はまだ青々としていた

ので、その早い収穫作業には驚きです。

紅色鮮やかな畦道の彼岸花が、郷愁を誘います・・・

もう柿の実が黄色く色づいているし、農家の横にあるクリノキには

イガがはじけ、大粒の栗が顔をのぞかせています。

そんな木の根元に 白い彼岸花 を見つけてこれも ビックリ!

珍しい白い彼岸花を先日TVでみて、いつか見てみたいと思っていた

ので、こんなに早く地元で見つけられてラッキーです。

 

山手の小道から、急に二人の女性ハイカーが下りてきました・・・

見ると、昼前に出会った方々で、手に草花を束ねています。

・  こんにちわ!  あれ?  この先に道がありましたっけ?

  *  こんにちわ! 先ほどもお会いしましたわね・・・

      ええ、この先に何かあるかしら・・・? と、登ってみたものの

      途中で道が途切れていましたわ!

      それにクマでもでそうな雰囲気で、怖くなって戻ってきま

      したの・・・ ハハハハ

 

そういえば、昨日のこと・・・

同じ地名で、岐阜県高山の乗鞍スカイラインの畳平パーキングに

クマが現れて、9人が重軽傷を負ったニュースがあったばかりです。

この高山周辺でのクマ情報はありませんが、やはり緊張します。

 

山裾にはキリン草、えのころ草、リンドウ、黄色いオミナエシ、

オヒシバ、タテノ花、野菊、センブリ、じゅず玉、などの野草が・・・

それに紅葉したドウダンツツジ、ハゼ、サクラ、ヌルデ、ウルシなどが

彩りを添え、ススキが白い穂を傾けています。

 

秋の風情を存分に楽しんだ、高山の村落でした。

 09-9-20 (完)

 

      

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする