店主の徒然ワイン日記

店主の徒然ワイン日記

晴耕雨読

2021-09-05 16:13:05 | 野良仕事

今年の夏野菜の出来は今までになく良い。

春先、5~6月頃の苗の植え付け前に、菜園の畝を作り直したお陰だと思うが、今夏は強い日差しと、多めの降雨量によって野菜の成長が著しいのです。

お盆前の猛暑で一旦は枯れたかに見えた胡瓜も復活。今頃になって見事な加賀太胡瓜を実らせています。

おかげで、今年の夏野菜はすべて自給が可能になりました。

降り続いた雨によって、菜園の土はしっかり水分を含んでいる。

秋が深まる頃に収穫する海老芋や人参もスクスクと育っているようです。

雨が降ると活動を活発化させるモグラの駆除に役立つのが「毬栗」と「花火」。

子供たちの夏休みが終わって用済みの花火をセール価格で入手して、

広い畑の中で花火の導火線に火をつけて、独りモグラ相手に戯れる姿は哀愁を誘う(笑)。

野良仕事の合間に読書。

BRUTUSの農業特集は珍しい!

ところで皆さまは「食料安保」はご存知?

国や個人の食料供給が不慮の事態によってストップした場合、飢え死にしないよう、予め自前で生産体制を整え、備蓄しておく「安全保障」がそれです。

例えば富士山が噴火したとして、東京都23区に2cmの火山灰が積もったとします。微細な火山灰はいともたやすく電気も交通インフラも完全にシャットダウンさせてしまうでしょう。モーターで動く水道管もガス管も同時にダウン。果たしてスーパーやコンビニの棚は数時間で空になります。流通が麻痺しているので、空になった棚の補充はいつまで経ってもなされぬまま。微細な火山灰が漂う大気の中ではヘリコプターもドローンも全く使用不能。

こんな時に自宅のパントリーに家族の空腹を満たしてくれる食料や水があれば当座の飢えは凌げます。暫くして自衛隊が人海戦術で非常食の供給を始めてくれるはずです。それまでに有効な避難の目処も立てられるでしょう。

ところで「ダーチャ」ってご存知?

ダーチャとはロシアの人々が郊外に持つ畑付きの別荘、都市と自然を往来する二拠点生活を意味する言葉です。

ダーチャの起源は帝政ロシア期にさかのぼると言われ、18世紀から19世紀にかけて当時の貴族が郊外にさかんに別荘を建てたのが発祥とされます。ロシア革命後の旧ソ連時代には政府が労働者の保養施設として小屋付きの菜園を多数整備し、貸し出すようになった。これが今日一般的なダーチャの原型。

ソ連崩壊後の経済危機からロシア国民を救ったとも言われるダーチャは、経済が著しく疲弊して治安が悪化し、極度のインフレや給料の遅配などで家計が行き詰まる中、市民が食料を自給し、テロと飢えから身を守る最後の砦がダーチャでした。ロシア国内で生産されるじゃがいもの90%、野菜や果物の70%以上をダーチャが占めていたとの統計もあるといいます。

そろそろ私達も不慮の事態に備えないといけませんね。それには歴史に学ぶのが手っ取り早い。

自家菜園はいわば、生きた野菜の保管庫です。生活インフラが断たれたとしても、菜園に行けば何かしらの新鮮な野菜が手に入ります。

生活で生じる家庭ごみの収集も不慮の事態下ではストップするでしょう。ごみ集積場は瞬く間にゴミの山と化し、挙句悪臭を放ちます。

でも菜園があれば、そうした生ごみの殆どを、必要であれば排泄物もまとめて肥料として活用できるでしょう。土壌微生物が(喜んで)完全に分解してくれます。

コメント (2)
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