店主の徒然ワイン日記

店主の徒然ワイン日記

ペアリングの極意!?

2025-01-22 16:40:26 | ワイン日記

2025年1月のワイン会はランテルナ・マッサで行いました。

そろそろ、続けて30年になるかというワイン会。開けたアイテムは3000種類に達するでしょうか。

会を始めたばかりの頃、子連れでワイン会に参加していたお父さん。椅子の上でスヤスヤ寝ていた幼子は今や立派に成人して、父と娘でグラスを傾ける光景を見るにつけ幸せを感じます。

当時はワインの価格も安かったし、ペトリュスをはじめとして、ボルドーの一級、ブルゴーニュの特級でも気軽に開けられた古き良き時代。

さて、今回も料理とワインのペアリングをゆる~く追求してみました。

ワインは料理の引き立て役とよく言われます。

料理だけでも充分に楽しめるが、ワインが無いとその楽しみは半減。

ワインとの相乗効果で更に更~に美味しく感じます。

この日はイタリア料理に合わせて、ワインもすべてイタリアからチョイス。

飲めない者は、人生の半分は損していると云われるが、それは飲める者の驕りとして話半分。

しかし料理とワインのマリアージュの体験が出来ない人生は実際に勿体ない気がする。

どうこう言ってるうちに肉料理と赤ワインのペアリングになってきた。

上:説明が無いとなんの料理か判りませんよね。

これは猪のコンソメとアニョロッティ。

アニョロッティとは詰め物をしたパスタの事で、中に猪肉がたっぷり詰まってる。

これがボディのしっかりした赤に絶妙なのだ。

肉と赤ワインで悦に浸ってると、次に出たのが「蛤出汁汁、しょうさいふぐ、真鯛の唐墨ソースゆず風味のリゾット」。

合わせたワインがコフェレルホーフのシルヴァーナーである。

白、ロゼ、赤と飲み進めるが、ここで一旦白ワインに戻り、

ワインのプロフィールを再確認。

このシルヴァーナー・エッレは、収穫は3回に渡って行われ、1回目の収穫で酸味とフレッシュさ、2回目の収穫でフルーツ。3回目の収穫で旨味と力強さを得る。ワインとしてのポテンシャルに合わせて半分はアカシア樽で熟成。 全てのワインはノン・マロラクティック。発酵時期が既に寒いのと酸度が高いのでマロラクティックは基本的に起こらない。天然のリンゴ酸と揮発的な品種由来の香がワインに残る。石清水にレモンを搾ったかのようなフレッシュさ、ピュアさ、ほんのり優しい甘みも感じられる。山のミネラルは細かく、繊細で飲み疲れる事はなく、体に染み入るような美しさを感じるワイン。

そう。

ワインは面倒くさい飲み物。

いつもこんな蘊蓄を齧りながら飲むと疲れるでしょう!?と時に揶揄されもするが、ワイン飲みは自虐的態度が身についているので、そんな時は「わざわざ高い金払って、飲んだら空き瓶しか残らないモノに、嵌ってる自分は愚か者だよね」と。

内心「そう尋ねるあなたには決して解らない高尚な世界に私は住んでいるだよ」と、ほくそ笑みつつ、独り悦に入る。

ワインは嗜好品。

一生幸せになりたかったら釣りを覚えろとよく云われるが、この諺はそのままワインにも当てはまる。

 

料理の詳細が判るともっと楽しい笑。

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徒然

2025-01-19 14:15:28 | ワイン日記

旬の野菜を自給自作するようになってから10年が経った。きっかけは何だったか忘れたが、3.11.の東日本大震災だったような気もする。あの災害を契機として、それまでの体制に疑問を持つようになったのは間違いない。盤石と思われていた電力インフラは実は欠陥だらけで、原発の「トイレのないマンション」の意味を知った。それまで当たり前に甘受し、便利で助かるものの些末な事と高を括る事の多くが、蓋を開ければ、供給する側に都合が良い、金儲けのための道具と理解した。「人新世の資本論」曰く、人類の経済活動が地球を破壊する気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥り、それを阻止するには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならない云々。

実際その通りにタイムスケジュールは進んでいるのだろう。あらゆる消費財が高騰し、遂に私たちの主食にまで及ぶようになった。悲惨な戦争は広がりを見せ、訳の分からない疫病や災害に悩まされる日々が続く。天変地異など地殻変動は私たちの集合意識と連動しているという説を聞いたことがある。ますます人心が荒廃する時代に在っては先行きが思いやられる。

とりあえず出来ることから始めようと思い、私のシンプルなアタマで思いついたのが自給自作なのである。しかし畑にできる土地など持ってないので、誰か使ってない土地を貸してくれないかと探したら、使ってない農地(耕作放棄地)なら田舎に行けばいくらでも有るという現実を知った。ツテを頼って借りた畑は想定外に広く、痩せた土地を開拓するのはひと苦労だった。

その頃「半農半X」という生き方があるのを知り、早々それを真似てみる事にした。やはりその頃知った「自然農法」の本を読み漁って、意気洋々と野菜造りに精を出してみたものの、育つ野菜はみすぼらしく貧相、虫食いだらけである。夏本番ともなると、ここは雑草を育てている雑草畑か!?と見紛うばかりの状態。それでも飽きずに10年経ってようやく畑らしくなってきた。今では何を植えてもそれなりに良く育つ。まだまだそれなりの野菜しか育たないが、少なくともケミカルフリーの健康野菜である。少ない野良仕事で健康が担保できるのなら、かなり安上がりである。

どうして安上がりなのか?それは肥料や農薬をはじめとして、野菜の「種」以外は何も必要としないからである。否、種だって自家採取すればタダである。最初の頃に購入した農業資材はかれこれ10年使いまわして十分に元を取った。一番高い買い物は昨年購入した小型のチェーンソーである。土地は自分のものではないが、維持管理は私がやらなければならない。道路に太い枝が張り出してきたのでそれをカットする必要に迫られたのだ。

さて、上の画像にある落ち葉の山は近所の山林からのお裾分けである。これに米屋から頂戴した米糠を混ぜて半年~一年放っておくと立派な堆肥になる。自然は偉大である。本来必要なものはタダで用意してくれる。

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ワイン会

2024-07-10 17:45:41 | ワイン日記

定例のワイン会の忘備録です。

どことなく吟醸酒っぽさのある信州のシャルドネ。

シャルドネ/ 信州たかやまワイナリー (白)750ml (wineya.com)

酒肴に抜群に合う。

対するはこってり樽バターのトスカーナ・シャルドネ。

まるでロゼの趣の信州ピノノワール。

ピノ・ノワール / 信州たかやまワイナリー (赤)750ml (wineya.com)

対するは大御所のピノノワールです。

 

〆はボルドーの二級格付け。

 

飲んで食べて元気を貰いました。

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5月のワイン会

2024-05-29 15:24:09 | ワイン日記

今月はCOLKで開催。

アミューズ:新玉葱のムース、季節野菜とコンソメのジュレ

前菜:大洗産鮮魚とハマグリ、大葉のタブレ ハマグリのジュのソース

魚:真鯛の石窯焼き炭火炙り、25年熟成バルサミコ酢とトマトのオリーブオイルソース

メイン:茨城県産ホロホロ鶏のロースト、ソースシュプレームと肉のジュのソース、ローズマリーの泡、サマートリュフを添えて

デザート

メニュを先に教えてもらったので、ペアリングに適したワインを導きます。

ミスマッチしないよう気合いを入れて選ばないと(汗)。

地元の旬の食材を中心に組み立てたメニュ。

 

 

真鯛ですが、バルサミコ酢とトマトのオリーブオイルソースという事でイタリアの赤(バルバレスコ)を合わせてみました。

これはこれで悪くありませんでしたが、

モンテプルチャーノ・ダブルッツオのワインでも良さそうな感じでした。

 

 

食鶏の女王と言われるホロホロ鶏には上質なピノ・ノワール。

 

デザートに合わせたのは、

グラッパ

誇るべき地元産、日の丸ウイスキー「サクラ・ラ」

この日も大いに喰らい呑み尽くしました。

ホスピタリティに溢れたスタッフの皆さまに支えられ、おかげで私もゆっくり料理とワインを堪能できました。

     +     +

話は変わりますが、NHKの朝ドラ「虎と翼」を見るのが日課です。

久しぶりに見応えのある内容で、毎日愉しみに観ています。

そして何より猪爪家の自宅の様子がとても好きです。

特に台所!

家の中で一番光の入る場所だそうで、母(はる)が中心となってこの家を切り盛りしている雰囲気が伝わってきます。

食は大切。

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収穫の秋?

2024-05-26 13:25:55 | ワイン日記

「麦秋」は小津安二郎監督の映画(1951)でもありますが、

麦の収穫を迎える今(初夏の頃)の事。

どうして秋なのか?

麦が熟し、麦にとっての収穫の「秋」であることから、名づけられた季節。

七十二候では、二十四節気のうち「小満」の末候を「麦秋至」としています。

そういう訳で、自社畑では麦の収穫の頃を迎えています。これでパンを作ろうと思っていますが、製麦が面倒なのでまだ実現していません。単に種籾として使っています。種を蒔いてから約半年で収穫出来ます。栽培には何の手間も掛からないので、空いたスペースで輪作しているという訳。

オリーブ(マンザニロ)の花が咲きました。

下の画像はベルダーレというオリーブの品種。

オリーブは複数の品種を混植して、花粉を交雑させると結実しやすくなります。

秋にはオリーブの実がたわわに実る予定。

あくまで予定です。

仕事の合間に防火管理者の講習を受けてきました。

火事は怖いですからね。

こうした知識は必要。

効果測定(講習の最後に実施するテスト)では満点でした。

自分へのご褒美にワイン(笑)。

この最近に限った事ではありませんが、世界中至る所で災害や異常気象による被害が続出しています。さらに戦争や殺し合い、そして疫病など様々な事件の報道を目にします。

ポイント・オブ・ノー・リターン、要するに、地球はもはや我慢の限界を越えてしまったとよく言われます。今後、更に災害の頻度と程度が悪化して、もはや安全に生きていける場所と時間が残されていないのかも知れません。

斎藤 幸平著・「人新世の資本論」やジェイソン・ヒッケル著・「資本主義の次に来る世界」などを読むとよく分かります。 

それでも既得権益(資本主義)を手放し、最後までフラットな世界が実現することはないでしょう。行きつくところまで行き、地獄を経験してはじめて目が覚めるのかも知れませんが、はたしてその時まで人類は生きていられるのか。

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