土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

興福寺中金堂、絶賛ライトアップ中!

2018年10月25日 | 奈良の古寺巡り




(2018.10.24訪問)




20日から一般公開された興福寺中金堂、夜間拝観とライトアップが行われています。11月11日まで。







古都の色ではないと云うなかれ。ドンドン色が変わって行きます。







キレイでしょ。













マアなんときれいな ム ラ サ キ。 さしずめ極楽浄土とはこんな感じか。






前シルエットは投光器。これが無けりゃ、色がでません。




















とまあこんな具合で、ポンポンと色が変わって行きます。11月11日までやってます。寒くならないうちにどうぞ。



興福寺、中金堂301年ぶり再建。

2018年10月04日 | 奈良の古寺巡り





(2018.10.03訪問)


あまりの上天気に、いつの間にか近鉄奈良行急行に乗ってました。気が付くと興福寺の境内に立っていたんです。
平成22年10月立柱式から丸8年、平成30年10月7日(日)に落慶式を迎える興福寺中金堂が、301年ぶりにその姿を現しました。
堂内整備や会場設営でまだ鋭意作業中の中金堂ですが、創建時の姿が青空の下で映えています。
また一つ奈良時代の姿が蘇りました。
落慶法要は10月7日(日)から10月11日(木)まで、一般拝観は10月20日(土)から予定されています。




▼今日の中金堂です。





















































教行寺、本堂の巨大さに圧倒。

2018年06月07日 | 奈良の古寺巡り





(2018.06.02訪問)


大和路号は百済寺から県道108号を北へ3キロほど、箸尾御坊教行寺に到着。門前には立派な石標が建てられ真宗の地域一番の誇りを
見せつけられる思いです。往時真宗8世蓮如上人の布教力の強大さは近畿一円隈無く行き渡る勢い、ここ箸尾の地にもその偉功が残さ
れています。山門を潜ると巨大な建物本堂が目の前に。その巨大さに比して境内はささやかな広さなんですが、本堂のあまりのインパ
クトに境内の狭さも気になりません。その巨大な本堂が早くおいでと呼んでますので、早速入堂しました。





            ▼箸尾御坊として地区一番寺を誇る教行寺石標。







            [ 教行寺 ]
            ●山号 安静山 (あんせいざん)
            ●寺号 教行寺 (きょうぎょうじ)通称 箸尾御坊(はしおごぼう)
            ●開基 蓮如上人 (れんにょしょうにん)
            ●開創 文明7年~文明10年 (1475~1478年)

            ●宗派 浄土真宗大谷派 (じょうどしんしゅうおおたには)
            ●本尊 阿弥陀如来
            ▲奈良県広陵町萱野652-1 TEL.0745-56-2031
            ▲拝観 境内自由
            ▲近鉄田原本線「箸尾駅」から南へ徒歩7分
             西名阪自動車道「法隆寺IC」から県道5号線を南へ約3.5km





▼教行寺縁起。







▼山門。戸口一間、四脚門、切妻造、本瓦葺。袖塀には五本線は地区一番寺の誇りか。







▼鐘楼。

   





▼唯一のお堂、本堂です。桁裄7間、梁間6間、入母屋造、本瓦葺、3間向拝付きの巨大な本堂です。







▼本堂前面。戸口3間が開放されています。

      





▼堂内は広く、内陣奥の豪華お厨子にご本尊がお立ちです。







▼内陣長押に山号扁額が。







▼内陣は中央に須弥壇、左右脇の間が設えてあります。







▼見てくださいこの豪華絢爛なお厨子、まるでお城天守の豪華さ。







▼須弥壇の全景です。







▼静かに佇むご本尊阿弥陀さん。            













            ▼ご本尊阿弥陀さんは法衣の一部に金泥を残すのみで、
             お躯は地漆の黒で覆われお顔の様子はよく判りません。光背は後補で目立ち過ぎ。
             仏師、造像年代不詳。







▼もう一度お厨子の豪華さを。







            ▼右脇の間には宗祖親鸞さん、







            ▼左脇の間に中興蓮如上人の肖像が祀られています。

 





▼本堂前には遊具が置かれてます。この日は子供達はいませんでした。







▼庫裏玄関。







▼庫裏玄関門から教行寺お暇です。






気宇壮大、お堂の大きさだけを見るとそんな気がします。寺内町としてその中心に伽藍を構えた教行寺。往時の伽藍構成や寺域は見る
影もないですが、宗祖親鸞さんから連綿と続く浄土真宗の根強い思想は、今直なおこの地に根を張っているのを感じた箸尾御坊教行寺
でした。

教行寺 オ シ マ イ


百済寺、ひゃくさい寺ではなく、くだら寺なんです。

2018年06月05日 | 奈良の古寺巡り





(2018.06.02訪問)


奈良の広陵町はまだ訪ねたことがありません。今日はその広陵町で秀麗な三重塔を持つお寺、百済寺を訪ねてみようと大和路号は広
陵町百済を目指しています。訪ねる百済の地は聖徳太子の百済大寺、舒明天皇の百済宮、天武天皇の大官大寺などの後裔地、伝承地
と唱えられた説が一時幅を利かせたようですが、今はその説は後退、しかし現存する三重塔を見る限り、往時これだけの塔を擁する
寺院は、歴史的にどこまで事実を伝えているかは不詳ですが、それなりの大寺が存在したのは確かではないでしょうか。その三重塔
を目指しています。





▼広陵町のランドマーク。







[ 百済寺 ]
●寺号 百済寺 (くだらじ)
●開山 不詳
●創建 不詳
●宗派 高野山真言宗 (こうやさんしんごんしゅう)
●本尊 毘沙門天立像
▲奈良県北葛城郡広陵町百済1411-2 TEL.075-461-2239
▲拝観料 境内自由
▲近鉄大阪線「高田駅」から広陵町コミュニティバス広陵元気号北東部支線で百済寺公園前下車すぐ
 西名阪自動車道「法隆寺IC」から約6km、約20分





▼百済寺縁起。







▼塔が主役の境内。







            ▼三重塔(重文)。内部は四天柱の須弥壇には本尊金剛界大日如来を安置。
             塔高約23m、本瓦葺、鎌倉時代中期の再建。
 












▼鎌倉期の豪快な建築技術が窺え、往時の寺院規模を彷彿とさせます。







            ▼周囲には塔を圧する何もないので実に堂々とした塔姿の優れた三重塔ですネ。







▼初層の正面。







            ▼三重塔相輪。

      





▼手水舎。







▼万葉歌人山部赤人の歌碑。
 百済野の 萩の古枝に 春待つと 居りし鶯 鳴きにけむかも







▼塔横から境内。







▼本堂。
 高床の高欄つき外縁が三方を巡っています。全面格子戸。談山神社から移築だそうですが、このお堂が本当に本堂なのか疑問です。
 現存三重塔の規模から云ってお堂規模が小さすぎ、往時の伽藍配置は不明とは言え、この位置に本堂があるのは不自然のように思
 われます。方三間、入母屋造、本瓦葺。







▼本堂前面が全面格子と云うのも不自然。談山神社妙楽寺の余ったお堂を持ってきたのかナ。







▼格子窓から中を覗いて見ると……、立派な4枚折戸の厨子風須弥壇でしょうか、この中に本尊毘沙門さんが。







▼境内を2分する如く春日若宮神社の鳥居が目立ちます。神社の由緒は不詳です。







▼鳥居扁額。







▼境内には6摂社が並んでいます。







▼正面が拝殿。前面格子戸はロックされ本殿を見ること叶わずです。

 





▼梵字池をグルリと廻って百済寺オシマイです。







残念ながらこのお寺は現在無住寺、お寺情報も殆どなく往時の寺院規模を感じることは出来ません。春日若宮神社と隣り合っていま
すが、両寺社どちらが神宮寺か鎮守社なのか、主役は果たしてどちらなんでしょうネ。正直なところ、こんなに小さなお寺とは思い
ませんでした。歴史は時には非情な面を見せるようです。
次は広陵町第2弾!!

吉田寺。端正、秀麗、賛辞あふれる阿弥陀さんがいます。

2018年04月05日 | 奈良の古寺巡り





(2018.04.01訪問) 


中宮寺を辞して次は吉田寺に向かいます。法隆寺の工事中の中門へ一言ごアイサツをしてそのまま松の参道を25号線へ。
相変わらず25号線はクルマで一杯、皆さんどこへ行くんでしょうネ。西へ走り龍田神社の信号を左折、ものの10分余りで吉田寺の
駐車場に到着です。このお寺吉田寺と云うより「ぽっくり寺」と云った方がとおりがいいでしょう。ココの本尊阿弥陀さんは腰下の
病に功徳があり、年輩の方々の信仰を集めていると聞きます。今のところボクは問題ありませんが、しかしなんと云っても歳が歳で
すので、阿弥陀さんとジックリお会いするつもりでやって参りました。





▼オシャレな参道ですネ。







[ 吉田寺 ]
●山号 清水山(しみずさん)
●寺号 吉田寺 (きちでんじ) 愛称 ぽっくり寺
●開基 伝恵心僧都源信(えしんそうずげんしん)
●開創 伝永延元年 (987年)
●宗派 浄土宗 (じょうどしゅう)
●本尊 阿弥陀如来坐像
▲拝観料 300円 朱印300円 駐車場 無料
▲時間 9:00~16:00
▲奈良県生駒郡斑鳩町小吉田1-1-23 Tel.0745-74-2651
▲http://kichidenji.com/

▲JR大和路線 大和路快速乗車「王寺駅」下車タクシー約15分
 JR関西本線「法隆寺駅」または「王寺駅」下車タクシー約15分





▼門前の桜と椿が迎えてくれました。








吉田寺縁起 (吉田寺HPから抄出)
吉田寺の創建は古く、天智天皇の勅願によると伝えられ、本堂西側には妹君、間人内親王の御陵と伝えられる清水の古墳がある。
その後平安時代末期の永延元年(987年)に恵心僧都源信が開基された。浄土教の先駆者として知られる恵心僧都源信はお念仏の御
教えを早くから世に広められ、その著書の「往生要集」では、お念仏による衆生救済の功徳を理論付けられた。浄土宗の法然上人や
浄土真宗の親鸞上人にも多大な影響を与えられた。





▼簡素な山門には山号清水山の扁額が。







▼短い参道を行きますとスグ境内、左本堂と右多宝塔です。







▼本堂です。本尊阿弥陀如来坐像。桁裄5間、梁間5間、入母屋造、本瓦葺、1間向拝付。安政6年 (1859年) 再建。







▼お寺の春今盛りなり。







▼本堂前面。中央1間は折り戸付障子戸、左右2間づつは格子蔀戸。







▼本堂扁額。山号でもなし寺号でもなし、さてなんと読むのだろう。







▼本堂外陣から内陣須弥壇の様子。中央奥黄金に輝くのが本尊阿弥陀さん。                













▼端正を絵に描いたような本尊阿弥陀如来坐像(重文)。奈良県下最大の阿弥陀像、像高226cm。
 開基源信僧都が境内栗の樹から彫ったとの伝承があるが仏師は不詳。実際は平安後期の作。







▼本堂。







▼鐘楼。木製袴腰、切妻造、本瓦葺、安政3年 (1774年) 建立。鴟尾に注目、唐招提寺式鴟尾が乗っかってます。







▼鐘楼扁額。ミョウなんとかロウ、このお寺の扁額は難しい。







▼鐘楼袴の下に鬼瓦。







▼多宝塔 (重文)。本尊大日如来像。方3間、重層、本瓦葺、塔高約12m。寛正4年 (1463年) 建立。      



















▼上層の組み物。







▼大きさにもほどがあるスズメ蜂の巣。選りに選ってなんでこんなところに。
 重要文化財保護の観点から取らないようにという町からのお達しらしいですヨ。







            ▼多宝塔相輪。







▼さくらばな 散ってドコ曳く 花筏。







▼偉丈夫僧侶が書いてくれた優しいご朱印です。







本堂奥に端坐する本尊阿弥陀如来坐像は小さな境内全体を光り輝かせています。およそ800年前の作とはとても思えない美しく端正
な像形は如来仏のスタンダードたる資格を持つに相応しい丈六像です。正確な造像年代も仏師名も不詳のこの阿弥陀さん、吉田寺と
云う小さなお寺で営々と残し伝えてきた寺方の努力は並大抵ではなかったでしょう。吉田寺を隠れ寺とは申しませんが、こんな小さ
なお寺でこんな宝物が、奈良のお寺の奥深さを改めて感じた吉田寺でした。

吉田寺オシマイ。





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