土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

羅漢さんの表情がお一人お一人違う、愛宕念仏寺。

2011年09月22日 | 京都の古寺巡り


(2011.09.18訪問)

二尊院から鳥居本みち(愛宕古道街道)を北へ羅漢さんのお寺、愛宕念仏寺へ向か
います。おたぎねんぶつじです。
またまた暑い上にだらだら坂道、両側にお食事処、喫茶処、お土産処のお店が並
んでいます。皆さんダラダラ歩いてます。ボクはチンタラ歩いてます。もう歩く
のはイヤです。よって喫茶処に飛び込んだのは云うまでもありません。

▼よう来た! よう来た!ワッハッハ。



[ 愛宕念仏寺 ] おたぎねんぶつじ
●山号 等覚山(とうかくざん)
●寺号 愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ) 愛称 羅漢さんのお寺
●宗派 天台宗
●開基 称徳天皇
●創建 天平宝字から神護景雲年間(764~770年)
●復興 千観内供
●再興 西村公朝
●本尊 千手観音菩薩立像

愛宕念仏寺縁起
称徳天皇(764~770年)の開基でいまの東山の地に愛宕寺(おたぎでら)として創建。
平安初期、鴨川の氾濫洪水で七堂伽藍が流失。天台僧千観内供が醍醐天皇の勅に
より等覚山愛宕院として再建。その後栄枯盛衰、興廃を繰り返し現在地に移し復
興を目指すも荒れ放題。1955年、住職を拝命した西村公朝は復興再興に邁進、本
堂、地蔵堂、仁王門などを整備し現在のお寺の寺観を整えた。

▼愛宕念仏寺石標。



▼仁王門。
清滝に向かう清滝道沿いに立ってます。クルマの方、トンネルに入る前、チラッ
と左を見て下さい、丹色のきれいな山門です。



▼地蔵堂。
この参道を登り切ったところに舞台造、宝形造本瓦葺のお堂が。
本尊 火除地蔵菩薩坐像。



▼ふれあい観音堂。可愛いお堂に公朝さん作の可愛い観音さまが。手で触れるこ
とで心身の痛みを癒して下さいますヨ!



▼思案中の羅漢さん。



▼本堂(重文)。
鎌倉中期の再建。桁行五間、単層入母屋造り、本瓦葺。



▼本堂内陣。
天井は小組格天井、本尊上部は二重折上格天井で繊細で優美な構造になっていま
す。見えます? スンマセンねぇ、ヘタな写真で!



▼本尊 千手観音菩薩立像。
お顔は丸形、やや童顔で伏し目、可愛い小さなお口です。舟形向背を持ち、主手
は中央で合掌し脇手にはそれぞれ観音持物を持っています。厄除け観音として平
安時代から篤い信仰を集めているそうですヨ。



▼清水寺貫主大西良慶さんの板書。
良慶さんは復興再建のため公朝さんを叱咤激励したそうです。



▼多宝塔。
本尊 石像の可愛い釈迦像。左に伝教大師最澄さんがお立ちです。



▼千二百羅漢。
境内入って先ずビックリするのと同時にボクたちの心を和ませてくれるのは、個
性的で表情豊かな羅漢石像がなんと千二百体。
昭和56年(1981年) 仁王門の解体修理の際に、寺門復興興隆を願って修復費用捻
出のため境内を羅漢石像で一杯にしたいと発願したのが始まりだそうです。最初
五百体の羅漢を全国に募集、一体一体すべてが一般の参拝者の手によって彫られ
たもので、発願10年後には千二百体となり千二百羅漢と呼ぶようになったそうで
す。







美術院国宝修理所所長、仏像修理技師、東京芸大教授、仏像彫刻家、仏像研究者、
僧侶として縦横に活躍した西村公朝さん、公朝さんなくして今の愛宕念仏寺はな
かったでしょう。
公朝さんは愛宕念仏寺前住職。境内ではふれ愛観音、訶梨帝菩薩、石像釈迦像な
どの仏像や仏画がみることができます。

さて、愛宕古道街道を戻ります。戻りは下り、楽チンです。ボクの好きな源融さ
んに会いに清涼寺へレッツゴーですヨ!