土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

東寺、空海さんの精神が今も……。

2016年02月16日 | 京都の古寺巡り




(2016.02.13訪問)


なんだかんだと愚痴と不満をタラタラ云いつつ、今週も「京冬の旅文化財特別公開」で京都へやってまいりました。
今日は東寺の五重塔特別公開訪問です。五重塔は年数回は特別公開をやってますので、余り有り難みはないのですが、講堂の立体曼荼
羅に決して負けない、塔内の諸仏に圧倒されにボクはよく来るんです。なんと云っても塔そのものや仏像群、柱絵、壁画まで江戸初期
の制作なので比較的彩色も残り、取っ付き易く時代を超えても空海さんの精神は塔内に満ちているようです。





            ▼水鏡?







            [ 東寺 ]
            ●山号 八幡山(はちまんざん)
            ●寺号 東寺(とうじ) 教王護国寺(きょうおうごこくじ)とも称されている
            ●宗派 真言宗総本山(しんごんしゅうそうほんざん)
            ●開基 桓武天皇(かんむてんのう)
            ●開創 延暦十五年(796年)
            ●開山 弘仁十四年(823年)空海に下賜
            ●本尊 薬師如来坐像(重文)
            ▲拝観 800円 朱印 300円 
            ▲時間 夏期8:30~17:30 冬期8:30~16:30
            ▲http://www.toji.or.jp/ 
            ▲京都市南区九条町1番地 電話075-662-0173(拝観受付)
            ▲平成六年(1994年)「古都京都の文化財」として世界文化遺産に登録。

            ▲近鉄京都線「東寺」駅下車 徒歩約10分
             JR「京都」駅下車 徒歩約15分
             市バス東寺東門前下車すぐ





▼南大門(重文)。三間一戸、切妻造、本瓦葺、明治二十八年(1895年)三十三間堂の西門を移築。







            ▼弘法大師立教開宗根本道場 真言宗総本山 東寺と刻されています。







東寺縁起
桓武天皇が延暦十三年(794年)の平安京造営に際し、延暦十五年(796年)東寺を国家鎮護のため羅城門の東に創建。弘仁十四年(823年)
空海に下賜された。講堂には大日如来を中心に国宝の五大明王など二十一体の仏像を安置。この配列は立体曼荼羅といわれる。金堂は
豊臣秀頼の再建。五重塔は徳川家光が再建、塔高55m。大師堂は大師在世時の住房で、弘法大師像と大師念持仏の不動明王坐像を安置。





▼南大門(重文)。九条通りに面し、交通量甚だ多し、クルマがいない珍しい一瞬でした。







                ▼南大門横の「京冬の旅文化財特別公開」ポスター看板です。
                 東寺は「五重塔」と「灌頂院」が公開されています。







▼南大門から望む金堂。







▼金堂(国宝)。桁裄七間、梁間五間、入母屋造、本瓦葺、重層に見えるが下屋根は裳階。













            ▼金堂正面。下屋根裳階がセンターで切り上げ、
             壁面に観相窓が付けられています。







            ▼金堂本尊薬師如坐像(重文)。



             (写真はネットから)

中尊薬師如来坐像 像高290cm、脇侍日光、月光菩薩立像 像高270cm、寄せ木造、慶派二十一代仏師康正、安土桃山期。
中尊の光背には七仏薬師像を、台座の懸裳の下には薬師如来の眷属十二神将像が配されています。
広い堂内には本尊薬師三尊のみが祀られ、よけいな荘厳は一切ありません。これこそがお堂に仏の最高の見本。





▼講堂(重文)。桁裄九間、梁間四間、入母屋造、本瓦葺。承和二年(835年)創建、延徳三年(1491年)再建。
 云わずと知れた21体の密教仏が立体曼荼羅として祀られている大デレゲーション須弥壇に写真はありませんが驚いて下さい。
 今日はどなたも出張されず全員がお揃いでした。



須弥壇中央は大日如来を中心に五智如来、右に金剛波羅密多菩薩を中心に五菩薩像、左は不動明王を中心に五明王像が、須弥壇東端に
梵天像、西端に帝釈天、須弥壇四隅に四天王が安置。合計二十一体の像が整然と安置され、立体曼荼羅を構成しています。
写真が無いのは何とも残念!





            ▼五大明王の中心、不動明王(国宝)。



            (数年前に描いたペン画です)




            ▼おネーサンに大人気の帝釈天(国宝)。



            (数年前に描いたペン画です)





▼瓢箪池畔の白梅。東寺は梅はきわめて少ないようですネ。







            ▼五重塔水鏡、と云うほどでもないか。







▼瓢箪池の忍耐強いカメさん、15分後に見ても同じ姿勢でした。







                それでは五重塔特別公開へ。

                ▼五重塔特別公開のポスター看板です。







            ▼九条通りからの五重塔(国宝)。
             五重塔は焼失すること四回、現在の塔は正保元年(1644年)再建。







▼塔内の諸仏。中央の心柱が大日如来を表し、周りを如来四尊、菩薩八尊が囲んでいます。
 仏像もさることながら、柱、長押、壁面の絵の美しいこと、出来立てのころは眼が回りそうです。



(写真はポスター看板を複写)





            ▼西面の塔です。







            ▼東面、阿閦如来です。







            ▼北面の塔です。







            ▼南面、宝生如来です。







            ▼塔の上層。







            ▼相輪。







さて主伽藍エリアから西院伽藍エリアへ行ってみましょう。

▼食堂横の手水舎。







▼食堂。かっては観音堂と呼ばれ、僧の修行の場。今は四国八十八所、洛陽三十三カ所観音霊場の納経所。







            ▼今の本尊。十一面観音立像。木造彩色、昭和八年(1933年)、仏師明珍恒男さん。







▼西院御影堂門。

 





▼御影堂前堂(国宝)。元は空海さんの住房。前堂、後堂、中門の三部分からなる住宅風複合仏堂。屋根は檜皮葺で複雑な形状構成
 し、前堂に弘法大師像(国宝)が安置されています。







▼御影堂後堂(国宝)。後堂に空海さん念持仏の秘仏不動明王像(国宝)が安置されています。







▼護摩焚で堂内は黒くなっています。







            ▼境内の一角に天皇皇后陛下お手植えの五葉松。







▼この門名は不明ですが、潜るとスグ左に毘沙門堂。







▼毘沙門堂。兜跋毘沙門天像を安置するために建てられたお堂。兜跋毘沙門天は現在宝物館に収蔵。今どなたがお祀りされている
 のか分りません。













▼西院の鐘楼。







▼西院の長~い土塀の南に小子坊があります。小子坊勅使門。
 天皇をお迎えする特別な建物、南北朝時代、光厳上皇はここを仮御所としたそうです。







▼小子坊勅使門門扉の透かし細工、まあ見事な細工ですヨ。







▼本坊山門。







▼本坊玄関と右は庫裡寺務所。いずれもリッパリッパ。







境内南西端に灌頂院があります。密教の奥義の伝法灌頂、後七日御修法など儀式執行のお堂。

▼灌頂院東門。







▼灌頂院堂。「京冬の旅文化財特別公開」中!
「重文両界曼荼羅図」(元禄本・複製)や、最古の彩色曼荼羅「国宝両界曼荼羅図」(伝真言院曼荼羅・模写)、
 日本画家・浜田泰介筆の「国宝十二天屏風」(模写)、伝法灌頂の法具のしつらえなどを特別展示する。
 ほとんどが模写やレプリカに付きここは華麗にスルーです。







▼東寺の鎮守社、八幡宮。







▼八島社殿。地主神、東寺建立以前よりこの地に鎮座、空海さんは伽藍建立に先立ち、地主神として崇めたと伝わるそう。







▼境内北端の弁天堂から五重塔を見る。







▼北大門。







            ▼九条通りR1陸橋から五重塔と南大門です。







さすが空海さんのお寺、東寺は広いし奥深いですネ。
空海理論や密教奥義なんて、ボクなどには理解の外の外なんで、せめてそのエッセンスの外側にでも近づけたら、なんて思うことすら
厚かましい上に土台無理。
司馬さんの「空海の風景」もう一度読んでみようかなァ……。

と云うことで東寺、オ シ マ イ  長々とドウモでした。





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