(2018.04.14訪問)
まさに仏像ワンダーランド。ブロンズ像、石像、珍しいFRP像などが境内所狭しと建ち並ぶ景観は凄いとしか言いようがなく、その
像が総てデカイ、仏師や作者の腕なのか仏像の出来が大小関わらずミ〜ンナ素晴らしい。古寺を訪ねようと云う並の考えで訪ねると
大いに勘が狂う、そんなお寺が我大大阪 (だいおおさかと読んでください) の北部、能勢の山中に存在しているんです。境内は広く、
当然アップダウンがきつい中で10m、20m級の仏像を縫うようにして見て回る、これって一種の修行なのか。そう云えばこのお寺、
元は真言宗の修行寺院だったんだとか。
▼参道中途に在る最初のインパクト、この広場の右へ目をやると……、
[ 七寳寺 ]
●山号 七面山 (しちめんざん)
●寺号 七寳寺 (しちほうじ)
●宗派 日蓮宗 (にちれんしゅう)
●開創 明暦元年 (1655年)
●中興開山 本性院日光上人(にっこうしょうにん)
●本尊 七字名号大曼荼羅
▲拝観料 境内自由 朱印300円
▲時間 いつでも
▲大阪府豊能郡能勢町倉垣1861 Tel.072-737-0740
▲阪急宝塚線「川西能勢口」乗り換え能勢電鉄「妙見口」下車京都交通バス(本梅車庫行き)倉垣農協前下車 徒歩800m
阪急宝塚線「川西能勢口」乗り換え能勢電鉄「妙見口」下車京都交通バス(和田経由本梅車庫行き)七面口下車 徒歩すぐ
R173号線一の鳥で右折し一本道倉垣JAを左折
R173号線一庫ダムを右折し一本道
▼いきなり超ビッグな黄金の十一面観音さん。
こりゃインパクトがあります。なんとこの観音さんFRP製で像高28mとのこと。
そして前の左右二灯籠の龍彫刻もスゴイ、小さく見えますが、3mはありそう。
七寳寺縁起 (七寳寺HPより抄出)
当山は釈迦ケ嶽七面山七寶寺と号す。もと真言の行場であったと思われる。慶長五年(1600年)ごろから領主能勢頼次公の外護のもとに、
本満寺貫首寂照院日乾上人とその一門によって、能勢領内が教化されて法華経御題目が流布された。のち、頼次公の二男頼隆公と涌泉
寺第二世玉龍院日悦上人が、夢の中で紫雲に乗った七面大明神のお姿を感得。その霊夢にうながされて、頼隆公の子息頼春公は、国土
安穏、武運長久、子孫繁栄のため当地に七面堂を寄進。明暦元年(1655年)三月のことであった。以後「七面大明神鎮護の場」となった。
三百数十年の間、消長盛衰をみ、明治の廃仏段釈で当山も荒廃を極めた。昭和二年(1927年)七寶寺中興開山本性院日光上人が入山、三
宝に給仕し、一心に諸天に法味を捧ぐ。仏天感応のゆえにか、昭和十七年(1942年)日蓮宗より釈迦ケ嶽七寶教会の認可を得、あらたに
七面堂を建立、昭和二十一年(1946年)七寶寺寺号の承認を得た。
▼日蓮宗のお寺では先ずこの方ですネ、宗祖日蓮さん像。
像高4m、台座3m、昭和五十五年(1980年)六月造立。
▼不動明王。五大明王が整然と並んでいます。
▼七面山参道石段前に白衣観音。この観音さん以外に五体の観音さんが立ってますヨ。
▼七面山参道口。いきなりイヤですネ、けど上らにゃしゃーない。先ず本堂エリアへ行きましょう。
▼石段右に優しいお顔の如意輪観音。外数体の観音さんがお立ちです。
▼ドンドン上りましょう。本当は必死のパッチです。右は金剛華観音。
本堂エリアに着きました。
▼本堂です。中から読経の声が響いてきます。今法要中で入れませんと受付のオバさんの冷たいお言葉。
身延山第二十一世日乾上人真蹟大曼荼羅が本尊、釈迦如来立像、日蓮聖人像が祀られているそうです。
昭和四十四年(1969)建立。
▼釈迦殿と書かれた本堂扁額。
▼結局内部を覗くことも出来ずに本堂退散。
▼本堂から振り返えると先ほどのビッグな黄金の十一面観音さんが眼下に。
▼慈母観音。像高2.8m、昭和五十五年(1980年)十月造立。
▼この三体の像は谷側へせり出して安置されてるんですヨ。
▼本堂右隣は祖師堂。左右に仁王さんが控える変なお堂。
▼祖師堂扁額。
▼お堂側面から入堂出来ます。須弥壇には宗祖日蓮さんがお坐りです。
▼簾越しなのでお顔はハッキリとは判りませんが、見る限りキリッとした若き日の日蓮さんと云う感じ。
▼オーッ、天井にカラーの鳴き龍が、大迫力です。
▼烏天狗が云ってます、ここより上は修行場につき許可亡き者は立ち入り禁止。
▼大国殿。大黒さんとえべっさんが和やかにお出迎え。
▼大国殿扁額。
少し歩きますが五重塔エリアへ。
▼馬頭観音が馬に乗ってます。
▼三十番神。初めて聞く神様の団体。
月三十日日替わり神の意で一箇月三十日の間、毎日交代で国家衆生を守護する三十柱の善神だそうです。
▼地制観音。この観音像も巨大、何やら両手に持ってますが武器でなさそう。
▼五重塔。色鮮やかですが決してミニチュアではないんですよ。
層間が妙に長いのでひょろっとしたひ弱な感じの塔という印象。キレイなんですがネ。
続いて龍神池へ行きましょう。
▼龍神池。小さな池ですがなんとなく神秘的な感じが、周辺には羅漢さんがいます。
▼竜が二頭相当入組んでとぐろを巻いています。
▼一頭はこんなヤツ。
▼ココにもデッカイ観音さん、准胝観音。千手観音に似てますが、手が18本、目が3つあるのが特徴らしいです。
いずれの菩薩も人を救うと云うことが共通なんですネ。
▼多宝塔が池の汀に建っています。
次に高所にある大仏様を訪ねましょう。
▼108段あるそうです。
▼表情色々、石段左右に羅漢さんが並んでます。この石段を上りきると……、
▼大仏様が見えてきました。石段テッペンの左右に黄金の風神、雷神が待ち構えています。心して大仏様に会いましょう。
▼東大寺の大仏さんを彷彿とさせますネ。しかもこの上なく男前! 像高10.6m、平成9年造立、本名大阪摂津大仏と云います。
▼大仏さんを取り巻いて釈迦10大弟子が祈りを捧げています。
この方は阿難尊者、釈迦の臨終まで付き添った方です。
▼普遍的男前。
▼舎利弗尊者。智慧第一の方。
▼お弟子が3mあるのでいかにデカイか。
▼大迦葉尊者。釈迦第一の弟子、釈迦滅後第一回参集の中心となった方。
▼大仏の基壇から見た能勢の町。風神雷神を後ろから見るのは珍しい。
最後にお釈迦さんのエリアに。
▼さらに進むと寝姿10mのこれまたデカイ金色の釈迦涅槃仏。
▼いいお顔ですネ。
▼足裏の法輪。まさに扁平足です。
▼台座の銅版には釈迦誕生からの色々なシーンが浮き彫りにされてます。
▼号泣してる、喚いている、怒っている数百体の羅漢さんがお釈迦さんを取り囲み最後のお別れシーン。
▼ご朱印です。
本堂に入堂で来なかったこと、相当周り漏れがあったことは少々残念ですが、境内アップダウンのわりには、
多くの仏像に出会い、多くの仏像名を知り、仏像ファンにとってはこの上ない充実感が残りました。
お寺は古さだけが価値ではない、三百年のお寺も千年経てば古寺になる、
改めてこんな山中にこれだけの充実した寺院造りを成し遂げた人間力にカンパ〜〜イ!
しかし大大阪にこんなお寺が在ったとは。
七寶寺 オ シ マ イ
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