土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

教行寺、本堂の巨大さに圧倒。

2018年06月07日 | 奈良の古寺巡り





(2018.06.02訪問)


大和路号は百済寺から県道108号を北へ3キロほど、箸尾御坊教行寺に到着。門前には立派な石標が建てられ真宗の地域一番の誇りを
見せつけられる思いです。往時真宗8世蓮如上人の布教力の強大さは近畿一円隈無く行き渡る勢い、ここ箸尾の地にもその偉功が残さ
れています。山門を潜ると巨大な建物本堂が目の前に。その巨大さに比して境内はささやかな広さなんですが、本堂のあまりのインパ
クトに境内の狭さも気になりません。その巨大な本堂が早くおいでと呼んでますので、早速入堂しました。





            ▼箸尾御坊として地区一番寺を誇る教行寺石標。







            [ 教行寺 ]
            ●山号 安静山 (あんせいざん)
            ●寺号 教行寺 (きょうぎょうじ)通称 箸尾御坊(はしおごぼう)
            ●開基 蓮如上人 (れんにょしょうにん)
            ●開創 文明7年~文明10年 (1475~1478年)

            ●宗派 浄土真宗大谷派 (じょうどしんしゅうおおたには)
            ●本尊 阿弥陀如来
            ▲奈良県広陵町萱野652-1 TEL.0745-56-2031
            ▲拝観 境内自由
            ▲近鉄田原本線「箸尾駅」から南へ徒歩7分
             西名阪自動車道「法隆寺IC」から県道5号線を南へ約3.5km





▼教行寺縁起。







▼山門。戸口一間、四脚門、切妻造、本瓦葺。袖塀には五本線は地区一番寺の誇りか。







▼鐘楼。

   





▼唯一のお堂、本堂です。桁裄7間、梁間6間、入母屋造、本瓦葺、3間向拝付きの巨大な本堂です。







▼本堂前面。戸口3間が開放されています。

      





▼堂内は広く、内陣奥の豪華お厨子にご本尊がお立ちです。







▼内陣長押に山号扁額が。







▼内陣は中央に須弥壇、左右脇の間が設えてあります。







▼見てくださいこの豪華絢爛なお厨子、まるでお城天守の豪華さ。







▼須弥壇の全景です。







▼静かに佇むご本尊阿弥陀さん。            













            ▼ご本尊阿弥陀さんは法衣の一部に金泥を残すのみで、
             お躯は地漆の黒で覆われお顔の様子はよく判りません。光背は後補で目立ち過ぎ。
             仏師、造像年代不詳。







▼もう一度お厨子の豪華さを。







            ▼右脇の間には宗祖親鸞さん、







            ▼左脇の間に中興蓮如上人の肖像が祀られています。

 





▼本堂前には遊具が置かれてます。この日は子供達はいませんでした。







▼庫裏玄関。







▼庫裏玄関門から教行寺お暇です。






気宇壮大、お堂の大きさだけを見るとそんな気がします。寺内町としてその中心に伽藍を構えた教行寺。往時の伽藍構成や寺域は見る
影もないですが、宗祖親鸞さんから連綿と続く浄土真宗の根強い思想は、今直なおこの地に根を張っているのを感じた箸尾御坊教行寺
でした。

教行寺 オ シ マ イ


百済寺、ひゃくさい寺ではなく、くだら寺なんです。

2018年06月05日 | 奈良の古寺巡り





(2018.06.02訪問)


奈良の広陵町はまだ訪ねたことがありません。今日はその広陵町で秀麗な三重塔を持つお寺、百済寺を訪ねてみようと大和路号は広
陵町百済を目指しています。訪ねる百済の地は聖徳太子の百済大寺、舒明天皇の百済宮、天武天皇の大官大寺などの後裔地、伝承地
と唱えられた説が一時幅を利かせたようですが、今はその説は後退、しかし現存する三重塔を見る限り、往時これだけの塔を擁する
寺院は、歴史的にどこまで事実を伝えているかは不詳ですが、それなりの大寺が存在したのは確かではないでしょうか。その三重塔
を目指しています。





▼広陵町のランドマーク。







[ 百済寺 ]
●寺号 百済寺 (くだらじ)
●開山 不詳
●創建 不詳
●宗派 高野山真言宗 (こうやさんしんごんしゅう)
●本尊 毘沙門天立像
▲奈良県北葛城郡広陵町百済1411-2 TEL.075-461-2239
▲拝観料 境内自由
▲近鉄大阪線「高田駅」から広陵町コミュニティバス広陵元気号北東部支線で百済寺公園前下車すぐ
 西名阪自動車道「法隆寺IC」から約6km、約20分





▼百済寺縁起。







▼塔が主役の境内。







            ▼三重塔(重文)。内部は四天柱の須弥壇には本尊金剛界大日如来を安置。
             塔高約23m、本瓦葺、鎌倉時代中期の再建。
 












▼鎌倉期の豪快な建築技術が窺え、往時の寺院規模を彷彿とさせます。







            ▼周囲には塔を圧する何もないので実に堂々とした塔姿の優れた三重塔ですネ。







▼初層の正面。







            ▼三重塔相輪。

      





▼手水舎。







▼万葉歌人山部赤人の歌碑。
 百済野の 萩の古枝に 春待つと 居りし鶯 鳴きにけむかも







▼塔横から境内。







▼本堂。
 高床の高欄つき外縁が三方を巡っています。全面格子戸。談山神社から移築だそうですが、このお堂が本当に本堂なのか疑問です。
 現存三重塔の規模から云ってお堂規模が小さすぎ、往時の伽藍配置は不明とは言え、この位置に本堂があるのは不自然のように思
 われます。方三間、入母屋造、本瓦葺。







▼本堂前面が全面格子と云うのも不自然。談山神社妙楽寺の余ったお堂を持ってきたのかナ。







▼格子窓から中を覗いて見ると……、立派な4枚折戸の厨子風須弥壇でしょうか、この中に本尊毘沙門さんが。







▼境内を2分する如く春日若宮神社の鳥居が目立ちます。神社の由緒は不詳です。







▼鳥居扁額。







▼境内には6摂社が並んでいます。







▼正面が拝殿。前面格子戸はロックされ本殿を見ること叶わずです。

 





▼梵字池をグルリと廻って百済寺オシマイです。







残念ながらこのお寺は現在無住寺、お寺情報も殆どなく往時の寺院規模を感じることは出来ません。春日若宮神社と隣り合っていま
すが、両寺社どちらが神宮寺か鎮守社なのか、主役は果たしてどちらなんでしょうネ。正直なところ、こんなに小さなお寺とは思い
ませんでした。歴史は時には非情な面を見せるようです。
次は広陵町第2弾!!

上品蓮臺寺、チョット気になっていたお寺なんですが……。

2018年06月01日 | 京都の古寺巡り





(2018.05.26訪問) 


京都千本通りを通るたんびに気になっていたお寺、立派な石標が建つお寺です。千本釈迦堂から北へ少々、初めて上品蓮臺寺を訪ね
ました。所在が北区紫野十二坊町、「紫野」いい響きですネ「十二坊町」オシャレですネ、名付けには色んな理由があるんでしょう
が、京都の地名にはウットリする地名が多いんです。そんな所にある上品蓮臺寺は意外と小さなお寺で、残念ながら拝観寺院ではな
いんです。お堂三つも完全にシャットアウト、庫裏の玄関だけ開いていました。





            ▼門前に立つ寺号標。







            [ 上品蓮臺寺 ]
            ●山号 蓮華金宝山(れんげきんぽうざん)
            ●院号 九品三昧院 (くぼんざんまいいん)
            ●寺号 上品蓮臺寺 (じょうぼんれんだいじ)
            ●勅願 宇多法皇 (うだほうおう)
            ●開山 寛空上人 (かんくうしょうにん)
            ●創建 天徳4年 (960年)
            ●宗派 真言宗智山派 (しんごんしゅうちざんは)
            ●本尊 延命地蔵菩薩
            ▲京都市北区紫野十二坊町33-1 TEL.075-461-2239
            ▲拝観料 境内自由 御朱印300円
            ▲時間 6:00~17:00





▼上品蓮臺寺縁起。







▼山門。千本通りに面して建っています。







▼山門を通してその先は庫裏の玄関。







▼庫裏玄関。







▼先ず眼に飛び込んできたのは……、これ。

   





▼手水用の井戸でしょうか、使われているようすはありません。







▼最近の建築でしょうかまだ新しい本堂です。残念ながら立ち入ることは出来ません。







▼正面扁額には光明心殿とあります。







▼本堂。







▼境内のお手入れ管理は行き届いています。







▼大師堂。







▼大師堂扁額。







▼境内。







▼境内の一角に鳥居。







▼失礼して潜ってみました……、前方は歓喜天堂?か。







▼こんな扁額が。







▼また境内にはこんな花や、







▼こんな花が咲いてます。







▼ご朱印が頂けるかどうか庫裏の呼び鈴を……、







▼頂けました、ご朱印です。







お寺情報が殆ど無いお寺なので拝観もサラッと済ませ、ブログもサラッと仕上げてお目にかけてます。どうもオアイソなしでした。
上品蓮臺寺 オ シ マ イ