もし皆さんが、仕事上誰からも敬意を払ってもらえていないと感じたらどうしますか?
自分は懸命に工夫して与えられた仕事をこなしているのに、聞こえてくる声は批判まかりで嫌になる。
自分は困っている人がいたら手を差し伸べているのに、いざ自分が躓いても誰も助けてくれない。
こんな状況が続いたら皆さんどうしますか?僕ならこう思います。「全てを自分で行えばいい。」
2010年ワールドカップの南米予選、アルゼンチンが5位と低迷しています。そのため指揮をとるマラドーナの手腕は疑問視され、ファンの間では退陣要求も高まっているようです。しかし間違ってはいけないのは、マラドーナは辞任したバシーレの後釜として招かれたのであって、予選を通じてアルゼンチンは好調を維持できていないことになります。
バシーレの基本布陣は4ー3ー1ー2。「1」のポジションを務めたのはリケルメでした。しかしマラドーナ就任後ふたりの間に諍いがおきてしまい、リケルメは召集の対象外になりました。そこでマラドーナが召集対象としたのは、ファン・ベロンでした。
所属するエストウディアンデスをコパ・リベルタドーレスの優勝に導いたベロンと、リバプールのマスチェラーノ、そしてメッシとアグエロ。今のマラドーナ政権下で軸となる選手達の顔触れです。
僕が思うに、アルゼンチンはドイツを手本にすべきだと思います。ホスト国ドイツが自国大会の為に招いた指揮官は、ユルゲン・クリンスマンという、まさにリスクを背負ったものでした。クリンスマンはドイツ以外にも、イタリアとフランス、イングランドで生活経験があるため、語学に堪能で様々な場数を踏んでいました。またそれまで暮らしていたアメリカでは、最先端の科学トレーニングも目にしていましたが、彼には決定的に不足している点がありました。「戦術とメディア対策」のふたつです。
その不足分を補う為に指名されたのが、ヨギアム・レーブとオリバー・ビエルホフのふたりです。
まずビエルホフがメディア対策の一環として、広報を務め代表チームを喧騒から守る事に成功します。そしてレーブがドイツに適した戦術を植付け実行に移す。実際クリンスマンをレーブの手腕に敬意を抱いていて、彼のトレーニングに口を挟むことはなかったそうです。
かつてリベロを配置した3ー5ー2に、異様なまで固執したドイツは彼方に消え、連動性の高い4ー4ー2が生まれます。そして結果は3位入賞です。クリンスマンが退き、レーブ体制で臨んだ2008年欧州選手権は準優勝。ここにチームを躍進させるヒントが隠されていますね。
1.指揮官は選手交代枠3と選手の体調管理を含め、戦術に明るくなくてはいけない。
2・もし自分に補えない点があるなら、2頭ないし3頭体制を敷く事も効果がある。その際常に話し合いの場を設け、他人の領分にむやみに口をださない。
マラドーナを退陣させる事を、アルゼンチンサッカー協会は考えていないでしょう。実はマラドーナはカルロス・ビラルドをアドバイザーとして迎え入れていますが、1986年と2009年の今では、サッカーの質と環境は大きく異なっています。
ですから本当にマラドーナ、そして代表を助けたいのなら、2009年の今が旬の人間を、招きいれるべきでしょう。僕はディエゴ・シメオネ、ホルヘ・ラポルタあたりが頭に浮びます。
それでもマラドーナは最後までひとりで指揮を執るでしょう。アルゼンチンはこのまま、マラドーナと運命共同として、ワールドカップの予選を戦う他ありません。
そして隣国ブラジルも、2002年のワールドカップ予選において、想像し得ない苦戦に遭遇していました。その予選の中で最も評判が悪かった指揮官が、エメルソン・レオンでした。どうしてレオンは評判が悪かったのか。続きは次回で。
自分は懸命に工夫して与えられた仕事をこなしているのに、聞こえてくる声は批判まかりで嫌になる。
自分は困っている人がいたら手を差し伸べているのに、いざ自分が躓いても誰も助けてくれない。
こんな状況が続いたら皆さんどうしますか?僕ならこう思います。「全てを自分で行えばいい。」
2010年ワールドカップの南米予選、アルゼンチンが5位と低迷しています。そのため指揮をとるマラドーナの手腕は疑問視され、ファンの間では退陣要求も高まっているようです。しかし間違ってはいけないのは、マラドーナは辞任したバシーレの後釜として招かれたのであって、予選を通じてアルゼンチンは好調を維持できていないことになります。
バシーレの基本布陣は4ー3ー1ー2。「1」のポジションを務めたのはリケルメでした。しかしマラドーナ就任後ふたりの間に諍いがおきてしまい、リケルメは召集の対象外になりました。そこでマラドーナが召集対象としたのは、ファン・ベロンでした。
所属するエストウディアンデスをコパ・リベルタドーレスの優勝に導いたベロンと、リバプールのマスチェラーノ、そしてメッシとアグエロ。今のマラドーナ政権下で軸となる選手達の顔触れです。
僕が思うに、アルゼンチンはドイツを手本にすべきだと思います。ホスト国ドイツが自国大会の為に招いた指揮官は、ユルゲン・クリンスマンという、まさにリスクを背負ったものでした。クリンスマンはドイツ以外にも、イタリアとフランス、イングランドで生活経験があるため、語学に堪能で様々な場数を踏んでいました。またそれまで暮らしていたアメリカでは、最先端の科学トレーニングも目にしていましたが、彼には決定的に不足している点がありました。「戦術とメディア対策」のふたつです。
その不足分を補う為に指名されたのが、ヨギアム・レーブとオリバー・ビエルホフのふたりです。
まずビエルホフがメディア対策の一環として、広報を務め代表チームを喧騒から守る事に成功します。そしてレーブがドイツに適した戦術を植付け実行に移す。実際クリンスマンをレーブの手腕に敬意を抱いていて、彼のトレーニングに口を挟むことはなかったそうです。
かつてリベロを配置した3ー5ー2に、異様なまで固執したドイツは彼方に消え、連動性の高い4ー4ー2が生まれます。そして結果は3位入賞です。クリンスマンが退き、レーブ体制で臨んだ2008年欧州選手権は準優勝。ここにチームを躍進させるヒントが隠されていますね。
1.指揮官は選手交代枠3と選手の体調管理を含め、戦術に明るくなくてはいけない。
2・もし自分に補えない点があるなら、2頭ないし3頭体制を敷く事も効果がある。その際常に話し合いの場を設け、他人の領分にむやみに口をださない。
マラドーナを退陣させる事を、アルゼンチンサッカー協会は考えていないでしょう。実はマラドーナはカルロス・ビラルドをアドバイザーとして迎え入れていますが、1986年と2009年の今では、サッカーの質と環境は大きく異なっています。
ですから本当にマラドーナ、そして代表を助けたいのなら、2009年の今が旬の人間を、招きいれるべきでしょう。僕はディエゴ・シメオネ、ホルヘ・ラポルタあたりが頭に浮びます。
それでもマラドーナは最後までひとりで指揮を執るでしょう。アルゼンチンはこのまま、マラドーナと運命共同として、ワールドカップの予選を戦う他ありません。
そして隣国ブラジルも、2002年のワールドカップ予選において、想像し得ない苦戦に遭遇していました。その予選の中で最も評判が悪かった指揮官が、エメルソン・レオンでした。どうしてレオンは評判が悪かったのか。続きは次回で。