goo blog サービス終了のお知らせ 

塚田盛彦のつれづれなるままにサッカー

世界中で親しまれているサッカー。このサッカーをフィルターとして、人間社会の構造に迫っていきたいと思います。

スポーツメーカーの生きる道

2009-10-27 21:19:59 | 日記
 ナイキ、アディダスほど大きくはないが、信頼度は高い中堅メーカー、例えばアンブロにル・コック、ホマ、ロット、そしてディアドラなどが、2大巨頭に割って入る隙はないのでしょうか。
 前回の最後で述べたように、ナイキとアディダスに太刀打ちすることは充分可能です。
 「私たちは、ナイキやリーボック、アディダスの隙間を埋めていくブランドなんだ。」
 上記の言葉はアメリカのニューバランス社のお偉いさんが、ニューバランス社の位置付けについての質問に答えたときの回答です。記億が曖昧で申し訳ありません。ファッション誌のインタビューだったと記億していますが、雑誌名までは覚えていません。
 話を戻しますと、ナイキ、アディダスの開発力と資金力は魅力的だが、その魅力は全てのサッカークラブ、選手と合致するわけではないという事です。例えばイングランドでは、同じ英国ということもあってアンブロの人気は根強いものがあります。
 またロットやディアドラは、本国イタリアやスペインの方で支持を得ていますし、ホマは近年躍進が目覚しいセビージャをサポートしています。ル・コックは1986年ワールドカップを制したアルゼンチンのシャツを復刻販売しました。マラドーナが最高の輝きを見せた瞬間のユニフォームは、ル・コック製だったのです。
 つまりここに中堅が大手に打ち勝つ対抗策が見えてきます。
 1・メガクラブは資金力のあるメーカーによって、ほぼ独占の状況にある。それは人気選手も同様である。ならば彼らが無視する中堅クラブ、もしくは上昇傾向にあるクラブと先に契約を結んでしまう。少ない予算で露出の高さが計算できる。中堅クラブもヨーロッパカップに出場していることが多いからだ。
 2・伝統のあるブランドは、かつての名品を復刻、販売できる。その際かつての雰囲気を忠実に再現するのか、それとも2000年代の息吹を吹き込んだ、クラシックとネオの融合にするのか、よく考える必要がある。
 3.残留が最大目標のクラブを、積極的にサポートする。例えばイタリアの場合、用具の提供のみの場合が多く、スポンサー料が一切かからない。中にはビッグクラブに将来引き抜かれる選手もいるだろう。彼らが自社の用具を使い好感触を得たなら、知名度が高くなってもそのまま用具契約を続けてくれるかもしれない。
 例えばロットはパレルモ時代からルカ・トニをサポートし、今でも良好な関係を築いている。
 ただ中位しなければならないのは、「隙間」というものはごく限られたパイを、多くのブランドが分け合うという事です。つまり競争はより激しさを増し、生き残りは前途多難というわけです。
 でも多くのサッカーブランドが、サッカーの発展に尽くしてきた事は間違いありませんし、これからも良品を作り続けていただけたらと考えています。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サプライヤーはクラブに大きな影響を与える

2009-10-27 17:37:10 | 日記
 「超一流のクラブは、アディダスかナイキと契約しなければならない。」
 この言葉はイングランド、チェルシーのCEOピーター・ケニョンが、サプライヤーを、アンブロからアディダスに変更した時に発した言葉です。ケニョンはアンブロに対して、50億円とも言われる契約違約金を支払ったと言われています。チェルシーとアディダスの契約は06-07シーズンから始まりますが、違約金が発生したということは、アンブロとの契約が終了していなかったことを意味します。
 ではどうしてケニョンは巨額の違約金を支払ってまで、アディダスとの契約を望んだのでしょうか。 
 ケニョンはチェルシーの前に、マンチェスター・ユナイテッドで働いていました。ユナイテッドでの手腕を買われ、チェルシーにヘッドハンティングされたのです。
 おそらくケニョンは、アンブロの技術やデザインを否定したのではなく、マーケットの開拓とクラブのイメージ戦略の観点から、違約金を支払ったとしても、アディダスに移るメリットがあると踏んだのでしょう。
 アディダスのサッカー史上に残した影響は非常に大きいですし、技術開発にも長けています。またベッカムにカカ、そしてジェラードと抱える契約選手にも華があります。
 そして広告戦略も目を見張るものがあります。皆さん覚えていませんか?ドイツワールドカップの前、中村俊輔率いる日本代表と、デルピエロ率いるイタリア代表が戦うCMを。
 またおそらくスペインでしょうが、ふたりの少年がじゃんけんをして、勝った方の少年からアディダスの有名契約選手を次々指名していき自分のチームをつくってゆく。そして最後にベッケンバウアーがやってきて、そこにいる全員が驚きの表情を浮かべるCM。
 このようのアディダスはコマーシャル戦略に長けている上、世界で唯一ナイキと互角に渡り合えるスポーツブランドです。おそらくケニョンはナイキと契約してしまえば、ユナイテッドと同じ道を歩んでしまうと考え、アディダスとの契約を望んだのだと僕は思います。メディア戦略が功を成せば、チェルシーの存在が世界中に認知され、チケットと各種グッズの売上から大きな収入が得られる上、選手獲得の際大きなアドバンテージになるからです。
 今メガクラブとスポーツメーカーは、僕たちが考えている以上に強固な結びつきをみせています。アディダスはミランとレアル・マドリーそしてバイエルン。ナイキはインテルとユヴェントス、そしてバルセロナ。チャンピオンズリーグ優勝を、現実的に狙えるチームはアディダスそしてナイキを契約しています。残念ですが資金のあるクラブ、そうでないクラブの棲み分けは、この点からも進んでいることがわかります。
 例えばバレンシアがナイキからカッパに契約先を変更しましたが、バレンシアは巨額の負債に悩んでいる為、ナイキが手を自ら引いたのではないかと僕は思っています。
 つまり魅力あるクラブを作るには、サプライヤーの存在を無視してはならないというわけです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サッカーに見る敗者復活ができる社会

2009-10-27 12:55:03 | 日記
 サッカークラブの多くが下部リーグへの降格を経験している。中には下部リーグに下がったまま、上昇の気配が全く感じられないクラブがある。日本は2部で構成されているが、欧州では3部、4部がプロとして存在しているのは日常の光景だ。
 だが下部リーグに甘んじている事をよしとせず、日々の研鑚を怠らず、1部リーグで活躍する日を夢見ているクラブが存在する。そして彼らが開花した時、僕らは惜しみない拍手を彼らにあたえるのだ。例えば2008-09シーズン、ドイツ中がホッフェンハイムを賞賛したように。

 今カン・サンジュン著「ニッポン・サバイバル」を読んでいます。氏はその41ページで、「本当に自由な社会とは敗者復活が可能な社会」と訴えています。僕はこの瞬間「サッカーの世界は、人間社会よりもうまくできている」と感嘆したのでした。
 サッカーにおける敗者は、結果論ですがチームの降格、そしてタイトルを狙えたチームが、無冠でシーズンを終えたことが考えられます。しかしその反省点をチーム全体で認識し、翌シーズンに向けて様々な準備を行う事。すなわち敗者復活の狼煙は、シーズン終了後すぐに行われているわけです。
 冒頭で例を挙げたホッフェンハイムが、シーズン中あれだけの活躍を見せるとは、ホッフェンハイムのファンも考えにくかったはずです。でも彼らは僕たちの想像を上回る活躍をみせました。またドイツでは1998シーズン、2部から昇格したばかりのカイザー・スラウテンが、ドイツチャンピオンになるという奇想天外な出来事がおきています。
 今季のJ1も昇格組みのモンティディオ山形が残留しそうですし、サンフエッチェ広島は優勝争いに顔を出すなど、おおいに楽しませてくれました。これらは敗者復活の主な例です。
 もちろん降格する事は、ファンにも選手にも大きな打撃です。特に来季はワールドカップが控えていますから、選手の心中はあまりにも複雑な感情が入り混じっていると思います。
 でももっと大きな尺度で捉えてみると、確かにチームは下部に落ちた、でもチームが消滅するわけではない。やり直し、つまり敗者復活の機会は皆平等に与えられていると捉え寺。少し胸のつかえがとれると思います。
 もちろんファンや選手の努力だけでは何の意味もありません。まずは球団がチームの進むべき進路、そして補強のビジョンを示すところから始まります。そこで疑問に思う点があるならば問いただしてみたらいいと思います。
 サッカーの世界の流動性は、硬直した今の人間社会から見たら、とても貴重な現象なのだと、改めて認識している最中です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする