イコンのもとに


在宅介護16年が終了後、やっと自分のために生きられる。イコンも描いてます。ブログは書いたり書かなかったり、気分で。

カビのくるイコン

2016年07月13日 | イコン
私の模写の先輩の久安敬三さんが文化財の関連記事へのコメントで

「剥落止めのアクリル樹脂で有名なパラロイドB72を食べるカビがいるそうです。」と書かれています。

つまり、アクリルメディウムには管理をきちんとしないとカビがきます。
そのアクリルメディウムで人吉ハリストス正教会のイコノスタスは描かれているわけで
アクリルにカビがくるのは聞いていましたから、
だから、私は手伝うのが嫌で嫌で〜

白石孝子さんが「年寄りなんかみていたら、イコンは描けないわよ」と
私が描きかけのミカエルとガブリエルを取り上げてくれて
本当にせいせいしました。

カビが食うとわかっているイコンなんか
描けませんよ。

私の大学の卒業制作の仏画には
カビは全くきていません。
模写の先生方の指導がよかったから、
ここは日本で、日本の画材を使っているからです。
膠をきちんと使えば、カビはきません。

白石さんのイコンを買われたお客さんのアクリルイコンにカビがきたと聞いて
「綿棒でぬぐえばいいのよ」と白石さんは言われたそうです。
ご本人が毎日新聞のイコン教室で話されていました。

カビの原因がアクリルメディウムであるわけだから
いくら綿棒でぬぐってもカビはくるわけです。
一度、カビの生えたアクリルイコンには
カビの根がありますから。
こういうこともわからずに
高額なアクリルイコンを販売しているから
詐欺ではないのか?と私に連絡がくるわけです。

簡単にカビのくる絵を描いていて
それを高額な値段で販売しているのも奇妙。
なぜイコンにカビがくるのか?考えてないのは
画家としてはどうかと私は思います。
白石さんは絵の先生としては無理だなと改めて思いました。
ご自分の好きなように描かれるのは構いませんが。

アクリルメディウムを食うカビがいるわけです。
では、カビの来ない画材は何か?
と、考えるのが画家だと思います。
お客さんに「綿棒でぬぐえばいいのよ」とは
とても言えませんよ。

ちなみに、ホルベインの防腐剤は防黴剤ではありません。
防腐剤をたくさん入れても、カビは生えます。

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