フクシマ・ダイイチ(Hukushima Daichi)・・・いまや世界語だそうです。わたしは原子物理学のことも放射能関係の医学のことも原発の経済効果のことも何も知らないのですが、恐ろしいことがおきているようです。
図書館で目についた本を借りてきて読んで見ました。
菅谷昭「チェルノブイリ診療記 福島原発への黙示」(新潮文庫2011年刊・・・1998年晶文社より刊行されたものの新版)
※1986年、当時の旧ソ連を構成するウクライナ共和国のチェルノブイリで原発事故が発生、大量の放射性物質が大気中に撒き散らされ、ウクライナの隣の白ロシア共和国の上空を通過しました。1991年、ソ連の崩壊で白ロシア共和国はベラルーシとして独立。原発事故を隠蔽していたソ連のために内部被曝の子どもたちが次々に甲状腺がんを発症することになります。
著者の菅野昭さんは1995年長野県信州大学の医学部助教授の職を辞してベラルーシの国立甲状腺がんセンターに飛び込みます。
この本は医学の本ではなくベラルーシに入って5年半、医療診療、手術、医療設備・医療現場の事情、医師仲間・看護師さんたちとの交流、患者との交流、放射能汚染で故郷に帰れない人々・・・などをレポート。ちなみに菅谷さんの手術の技術は世界トップ水準だそうです。
医学書ではありません。原発の是非を強く訴えているわけではありません。ただチェルノブイリ事故の悲劇を二度と繰り返してはならないと訴えています。
児玉龍彦「内部被爆の真実」(幻冬社新書2011年刊)
※著者の児玉さんは東大卒内科医師、東京大学先端科学技術センター教授、東京大学アイソトープ総合センター長。主に衆議院厚生労働委員会に参考人として出席して発言したことをわかりやすく書いています。福島原発事故では広島原爆の20個分の放射性物質が放出されているそうです。セシウム137は原爆以前(1945年以前)には地球上に存在しなかったものだそうです。相馬地区に何度も足を運んで実際に測定を行っています。20kmとか30kmとかの同心円の汚染区域設定というのは無理でありマダラ汚染といっていますが数10km~数100kmに及んでいることを警告しています。
最後にこう書いています。
われわれは、祖国の土壌という、先祖から預かり子どもに伝えるかけがえのない財産を汚染してしまった。
しかし、人が汚したものなら,人がきれいにできないわけがない。
そのために全力を尽くすのがわれわれ科学者の責任である。
奥村宏「東電解体 巨大株式会社の終焉」(東洋経済新報社2011年刊)
※ここまで書いてきたら疲れてきました。読んで見ればなるほどという本です。
政治のこと経済のこと・・・わたしには荷が重過ぎます。でもわかりやすい本です。
この本のように考えれば東電は公的資金の注入しか再建の目がないでしょう。公的資金とは国民の税金ことです。
これらの本の評価は浅学のわたしにはわかりません。それぞれ読んだ人の考えることです。
《追伸》今日、テレビで瀬戸内寂聴さんと福島県の避難所で暮らしている方々との対話を聞いていた。年を重ねた美しいご婦人が農業をやれないやるべき家に帰れない胸のうちを訴えていた。寂聴さんとて答えがあるわけではない。明日が必ずあると共に祈るのが精いっぱいであろう。不覚にもウルルンとしてしまいました。
故郷へ
帰りたい・・・帰りたくても・・・帰れない
故郷へ
図書館で目についた本を借りてきて読んで見ました。
菅谷昭「チェルノブイリ診療記 福島原発への黙示」(新潮文庫2011年刊・・・1998年晶文社より刊行されたものの新版)
※1986年、当時の旧ソ連を構成するウクライナ共和国のチェルノブイリで原発事故が発生、大量の放射性物質が大気中に撒き散らされ、ウクライナの隣の白ロシア共和国の上空を通過しました。1991年、ソ連の崩壊で白ロシア共和国はベラルーシとして独立。原発事故を隠蔽していたソ連のために内部被曝の子どもたちが次々に甲状腺がんを発症することになります。
著者の菅野昭さんは1995年長野県信州大学の医学部助教授の職を辞してベラルーシの国立甲状腺がんセンターに飛び込みます。
この本は医学の本ではなくベラルーシに入って5年半、医療診療、手術、医療設備・医療現場の事情、医師仲間・看護師さんたちとの交流、患者との交流、放射能汚染で故郷に帰れない人々・・・などをレポート。ちなみに菅谷さんの手術の技術は世界トップ水準だそうです。
医学書ではありません。原発の是非を強く訴えているわけではありません。ただチェルノブイリ事故の悲劇を二度と繰り返してはならないと訴えています。
児玉龍彦「内部被爆の真実」(幻冬社新書2011年刊)
※著者の児玉さんは東大卒内科医師、東京大学先端科学技術センター教授、東京大学アイソトープ総合センター長。主に衆議院厚生労働委員会に参考人として出席して発言したことをわかりやすく書いています。福島原発事故では広島原爆の20個分の放射性物質が放出されているそうです。セシウム137は原爆以前(1945年以前)には地球上に存在しなかったものだそうです。相馬地区に何度も足を運んで実際に測定を行っています。20kmとか30kmとかの同心円の汚染区域設定というのは無理でありマダラ汚染といっていますが数10km~数100kmに及んでいることを警告しています。
最後にこう書いています。
われわれは、祖国の土壌という、先祖から預かり子どもに伝えるかけがえのない財産を汚染してしまった。
しかし、人が汚したものなら,人がきれいにできないわけがない。
そのために全力を尽くすのがわれわれ科学者の責任である。
奥村宏「東電解体 巨大株式会社の終焉」(東洋経済新報社2011年刊)
※ここまで書いてきたら疲れてきました。読んで見ればなるほどという本です。
政治のこと経済のこと・・・わたしには荷が重過ぎます。でもわかりやすい本です。
この本のように考えれば東電は公的資金の注入しか再建の目がないでしょう。公的資金とは国民の税金ことです。
これらの本の評価は浅学のわたしにはわかりません。それぞれ読んだ人の考えることです。
《追伸》今日、テレビで瀬戸内寂聴さんと福島県の避難所で暮らしている方々との対話を聞いていた。年を重ねた美しいご婦人が農業をやれないやるべき家に帰れない胸のうちを訴えていた。寂聴さんとて答えがあるわけではない。明日が必ずあると共に祈るのが精いっぱいであろう。不覚にもウルルンとしてしまいました。
故郷へ
帰りたい・・・帰りたくても・・・帰れない
故郷へ
真剣に反対運動を進めてきた人たちもいましたのに、見過ごしたことを後悔しています。
戦争を許した親世代と同じことをしてしまったのですね。あの時代は反対すると逮捕されましたが、そうではなかったのに、声を挙げないでいたことは罪だと思っています。
それから次から次に出るは出るは、モウちんぷんかんぷん。放射能がどんどん巻き散らかされていたのでした。
ヒキノさんは勉強家、年とともに活字を追うのが億劫になりました。
最後の故郷へ
が強く効いています。
燃料棒が 常時高温を発するなんて
知ってたら 絶対反対!
停止すれば大丈夫だと 思ってた・・・
まったくう・・です
児玉龍彦・・・今話題の人のようです。パッシングもあるようです。今月のAERAに南相馬市長との対談が載っています(まだ読んでいませんが)。
この種の話題はパッシングを受けることがあります(何らかの力が働いています)。俳優の山本太郎は収入が半減したそうです。
「農業一筋でこれまで生きてきた。今は農業もできない状態です、。やりたくても家に帰れない」・・・淡々と感情を抑えて語っていましたがこらえきれずに表情が崩れました。寂聴さんはじっと手を握るのみでした。
チェルノブイリではいまだに警戒区域があります。
福島の海岸線は歴史始まって以来、今まで津波に被害がなかったのです。
自然というものは怖いですね。何千トンの船が山に上がるのですから、コンクリートのビルなんか簡単に壊れます。そんなところに危ないもの造っちゃいけないと誰も思いませんでした。
脱原発、自然エネルギー政策にもっと予算をつけて、国を挙げて早急な取り組みをしなければ・・・と思います。
電力会社の分割・・・電気の買取の自由化・・どうなったのでしょうね。判らないことばかりです。
放射能は目に見えないものですからどのくらい危険であるか実感として沸きません。
わたしたちは医学者ではないのですから医学的にどのくらい危険であるかも理解していません。
原発は強固な鉄筋コンクリートの建屋に守られていたと思いますが脆かったですね。自然の力はわかりません。日本海側の原発、軍事目標になったときあっというまでしょう。
破壊されたときの想定ができないのですから脱原発は仕方がないでしょうね。
脱原発が経済にどのくらい打撃を受けるのかもわかりません。