比企の丘

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この国の民主主義は死にかけている・・・望月衣塑子著「新聞記者」を読んだ

2019-07-06 | 本・テレビ、ドラマ・映画・スポーツ
望月衣塑子著「新聞記者」(角川新書 2017年10月刊)・・・を読んでいます。


1章。2章は・・・生い立ちから、学校生活、ブロック紙の新聞記者になるまで。研修機関では新聞配達まで経験、千葉支局のサツ回りからはじめて横浜支局、東京本社社会部、「日歯連事件」に関わり厚労相から名誉棄損の告訴を受け検察の取り調べを受けます。整理部、他社のスカウトを受けますが父の意見で思いとどまります。埼玉支局を経て本社社会部に、父の旅立ち、結婚、育児を経て経済部に。そこで2014年「武器輸出三原則」が撤廃され「防衛装備移転三原則」が新たに閣議決定、実質的に武器の輸出入が解禁、その取材に取り組み、三菱重工業をはじめ大企業、中小企業、下請け企業に至るまで「東京新聞の望月には取材に応じるな」というお触れが回されていたそうです。「武器輸出と日本」「武器輸出大国ニッポン」などを著しています。
ここまでがプロローグです。
第3章から5章まで・・・森友学園、加計学園問題が起こり、取材チームに入ります。前文部科学省事務次官前川喜平氏へのインタビュー、安倍首相と親しく「総理」「暗闘」などを著しているフリージャーナリスト山口敬之氏{前TBSワシントン支局長)を強姦罪で訴えた詩織さんへのインタビューなど、取材活動を行います。
そして2017年6月6日の内閣官房長官の定例会見への出席です。「東京新聞の望月です」ではじまる菅官房長官への質問は、前川氏に関する質問です。ニュースショーで全国に配信されます。6月8日、ふたたび前川氏に関する質問、詩織さん(フリージャーナリスト)に関する質問。テレビ朝日「報道ステーション」はじめ多くの報道番組でもネットメディアでも取り上げられます。
次第に定例会見は時間を短縮するようになり、幹事役の記者クラブの記者が「以上で終わります」と仕切るようになります。
ジャーナリズムの自殺です。権力者側からの民主主義の抹殺です。

・・・新書版221頁の本です。数時間で読めます。

7月4日の朝刊に映画「新聞記者」が紹介されていました。製作プロジューサーは新書「新聞記者」から発想を得て映画製作を決意したそうです。女性記者と内閣官房との攻防を骨格にしていますが物語はオリジナル、女性記者をメインに内閣情報調査室官、自殺する官僚、多くの人に見てもらうためエンタ~テインメントにしてあるそうです
6月24日143館で公開、公開から3日間で49800人、興行収入6232万円。

見てみたい映画です。

《参考》AERA-dot 東京新聞・望月記者を恐れる官邸 いま政治取材の現場で起きている「異常事態」とは

 ※コメント欄オープン。
    


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7 コメント

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本を読む、素晴らしいことです。 (縄文人)
2019-07-05 20:26:51

比企野さんのブログ・記事を読んでいますと、
≪本を読んだ、感想≫がよくあります。
凄いな~・・・・・と、感心するばかりです。

活字は新聞は読みますが、斜め読み、
本を読むと自然に瞼が被さって駄目です。

   ・ 年老いて読書の熱も冷めにけり
              配達されし新聞を読む (縄)

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瀕死の状態にある民主主義 (星光輝)
2019-07-06 03:59:55
いまの日本の政治は
未来がなく、本当に形だけの民主主義
都合の悪いことはうやむや
臭い物には蓋をすれ
野党もだらしなく政権奪取の気概もない

今回の参院選挙もあきらめている
新聞、てれびのマスコミも同罪
ペンは強し、と言われてきたが
戦前 治安維持法にも負けず
闘ってきた人たちがいた

真実を伝える
いま政治の何が問題なのか
どうしたらよいのか
そんな記事には出会えなくなった

自分、若いときは
革新自治体があちこちに誕生し
政治に期待を抱き熱くなった時代もあった
いまは冷え切り 政治に関心がなくなった

それではだめだと思いながらも

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1冊の本があれば・・・地球の裏側まで行ける (縄文人さんへ・・・)
2019-07-06 09:57:15
昔そんな本屋さんのCMを見たことがあります。
旅の本なんかは行った気にさせてくれます。
硬い本は読みませんが、どんな本でも読みます。池上正太郎の江戸人情話なんて好きです。さすがに恋愛ものは読まなくなりました。
ほとんどが図書館からの本です。たまにアマゾンで定価0円なんていう古本を買います。
「東京新聞の望月です」・・・ニュースで見ました。人一人自殺していますが事件は闇に消えました。テレビドラマみたいな事件でした。

新聞・・・夕刊止めました。生活費緊縮です。

   ・本読みて 夢をひろげて また醒める
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Unknown (星光輝さんへ・・・)
2019-07-06 09:59:09
コメントありがとうございました。
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映画「新聞記者」 (gumrie)
2019-07-06 13:07:40
観に行きました

平日昼間なのに
多くの人で埋められた客席に
驚いたほどです


私は本を読んでいなかったので
ブログを読み
望月さんの言葉を読みたいと思いました



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コメントありがとうございます。 (gumrieさんへ・・・)
2019-07-06 18:39:48
映画見ましたか。
本もぜひ読んでみてください。
どういうことがあったか・・・私にはワカリマセンが・・・こういうことが行われているのかという判断材料になると思います。

コメントありがとうございました。
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お久しぶりです (菜花)
2019-07-12 17:18:02
久しぶりにコメントさせて頂きます。
この本は読んでいないのですが、やっと映画を観ました。

どこまでが事実で、どこからがフィクションか分かりませんでしたが、
現代日本社会はこういうものなのかもしれないと感じました。
参院選の前に見てよかったと思います。
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