Toshiが行く

日記や趣味、エッセイなどで描く日々

街並みに響くやすらぎの鐘

2023年07月12日 15時17分52秒 | まち歩き


福岡市の中心地・天神地区では
「天神ビックバン」と称する再開発事業が進められている。
合わせて12件ものビルの建て替えをはじめとする
再開発事業が計画されており、すでに2件が完成している。
都市発展の象徴とも言える高層ビル群が相次ぎ登場するのだが、
一方では街並みから〝柔らかさ〟〝やすらぎ〟みたいなものが
消失していくようで、何とはない嘆息を誘う。

そんな街に教会の鐘が響き渡る。
ビッグバンの第2号として昨年12月に大型複合施設が完成し、
さらに今年6月にビル内に高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン福岡」が
開業した福岡大名ガーデンシティ。
ビルは地上25階、地下1階建てで高さは111㍍あり、
ガラスの壁面には青い空、白い雲、赤い夕陽を映し出す。



このモダンな装いのガーデンシティの、
道路を挟んだ向かいに大名町カトリック教会がある。
高さ40㍍の鐘楼があり、毎日正午になると鐘を鳴らす。
その音は、あの美しいガーデンシティビルの壁面に跳ね返り、
また、せわしなく変わりゆく天神地区に響き渡る。
まるでビルを、そして街並みを
いたわるかのようなその響きに道行く人たちは足を止める。


首を傾げながら歩く

2023年05月21日 09時50分49秒 | まち歩き


        

道路脇に立っている看板。「求人募集」とある。
一目で「社員を募集しているのだな」と分かるのだが、
どこか引っかかる。
「求人」と「募集」は同じ意味合いを持っているのではないか。
看板には「求めたい」職種、「募集したい」職種も書いているのだから
「求人」あるいは「募集」だけでよくはないのか。
この会社の担当の方、申し訳ない。
難癖つけているのではありません。
ちょっと気になっただけです。ご了解を。



釣具屋のシャッターに「トラウト」と書いてある。
今時、「トラウト」と言えば、大谷選手と並ぶ
エンジェルスの強打者が瞬時に思い浮かぶ。
さて、釣りとどんな関係が?
釣り竿なんかほとんど握ったことはないし、浅学菲才の身。
なぜ、釣具屋に「トラウト」が? さっぱり分からない。
さっそく調べてみた。
(分からないことがあれば、すぐに調べるのは我ながら良き習性)
分かった。こう書いてあった。
「トラウトにはたくさんの種類がある。一般的に知られている魚は
ヤマメやイワナ、ニジマスなど。もう少し大きいサイズになると
サクラマスが有名」つまり川魚の1種類の総称らしい。
また一つ勉強しましたね。



ウオーキングコースにしている川沿いの小道。
椅子が3脚きちんと並べてある。
この場所は橋の下だから日中でも陰になる。
川沿いのそよ風も心地良いに違いない。
これから暑くなる一方。うまい涼み場にしたものだ。
そう思って周りを見ると、割れた空き瓶などが散らかし放題。
さては、誰それ(若者の仕業と決めつけるつもりはない)が、
酒盛りの場所にしつらえたのではないか?
そう思いたくはないが、たちまち興ざめしてしまった。



「天神地蔵」さん

2022年10月31日 20時31分50秒 | まち歩き


完全に職を退いてから、この九州一の繁華街・天神に
出かけることは月に1、2度になった。
数十年もここに親しんできたので、
やはり少しばかり寂しい気がする。
まあ、仕方ないか。

そして、この日が月一度かかりつけ医に出かける日だった。
特に体が不調というのではなく、
飲み続けている薬を処方してもらうためだ。
薬局で薬を出してもらい、
「さて、天神をぶらっとしてみるか」



ああ、今日もお変わりなくいらっしゃる。
天神地区でも、その中心となる交差点の一角。
日差しを避ける帽子をかぶり、
浴衣みたいなものを着けていらっしゃる。
「天神地蔵」さんだ。

1979年というから、もう随分の前のことになるが
暴走族の取り締まり中にバイクにはねられ殉職した
警察官を慰霊するため建立され、以来地域住民が服を着せたり、
掃除をしたりと大切にしているのだ。

そんなお地蔵さんを酔った男が何と足蹴りし、頭がとれてしまった。
4年半前のこと。
無残な姿のお地蔵さんに住民は悲しみ、
「元に戻して」との声が上がった。
すると、30人以上からの合計7万円の寄付が集まった。
そして、修復のうえ今日も大切にされているのだ。

天神のど真ん中とあって交通量も多い。
「事故のないよう見守ってください」そう念じ頭を下げる。



光の道

2022年10月09日 09時25分05秒 | まち歩き


福岡県福津市に「光の道」というのがある。

      

宮地浜沖合に浮かぶ相島上に夕陽が沈むと、
その光が一直線に伸び、宮地嶽神社の鳥居をくぐり、
石段を駆け上るのである。
その見事な景観は全国的に知られ、
「絶景の道100選」に認定されており、
福津市のまちづくりの〝目玉〟となっている。

      

ただ、いつでも見れるわけではなく、
1年のうち2月と10月の、しかもほんの数日である。
言うまでもなく、それも天候次第。雨天、曇天だと空振りとなる。
さて、今年の10月はどうだろうか。
「20日前後」とされているが……。
好天を期待するとしよう。





同市のまちづくりボランティア団体「海とまちなみの会」が、
「絶景の道と宮地浜『夕陽風景時計』・松原を巡るフットパス」
というイベントを行っていたので参加してみた。
宮地嶽神社の参道から光の道に沿って宮地浜、松原を散策し、
複合文化施設「カメリアステージ」まで約3キロを歩くのである。
参加者はやはり年配者が多く、のんびり、ゆっくりとしたものだ。


               宮地浜沖合に浮かぶ相島


             「宮司・浜の松原」を散策する

約2時間の散策を終え、解散。
この地域はやはり魚介類が豊富だから、
そのまま寿司屋でのランチとなった。
結局、この日の歩数は1万歩を超えた。
こんな一日もまた良しだ。



雨 雨 雨

2021年08月13日 06時00分00秒 | まち歩き


     朝の出がけ、8時少し前。
     フロントガラスにポツリポツリ。
     見上げれば雲が黒く厚い。
     でもワイパーを動かすほどではない。
     動き出し、そのまま走る。
     ポツポツポツと少し繁くなる。
     ブレーキを踏むと、ルーフからすすっーと
     フロントガラスへと滑り落ちてくる。
     やっとワイパーを動かし始める。


     車を駐車場に入れ、
     車に置きっぱなしにしていた傘をさし社へ急ぐ。
     傘を打つ雨音は弱い。
     だが、スマホの雨雲レーダーは
     間もなく本降りになるとしている。
     机上のPCを触りながら、窓越しに見れば
     雨粒は確かに大きくなってきた。
     間断なく落ちている様がはっきり見える。



     12時少し前、雨中の街を行く。
     昼食はどこにするか決めぬまま、歩きながら考える。
     こっちの角を折れ、あっちの角を曲がる。
     容赦ない雨。靴はすっかり濡れてしまった。
     帰ったら陰干ししなければ……そんなことを考え、
     ただ、ほっつき歩く。


     ここにしよう。
     やっとたどり着いたオムライス屋。久しぶりだ。
     言うまでもなく、この店はオムライスがメインだが、
     それは注文しない。
     以前からこの店では鮭チャーハンと決めている。
     ただ、少し味が落ちたような気がする。
     調理台に立つおばさんを見ると、
     ぽっちゃりとした、若い頃は随分モテただろう
     可愛い顔つきは以前と同じで変わっていない。
     この店はカードは使えない。現金だけだ。
     1000円札を置き、200円受け取って店を出た。
     雨は降り続いている。


     銀行に寄りATMから少しばかり引き出す。
     また、雨の中を当てもなく歩き出す。
     雨が靴下まで染みてきた。ズボンの裾も濡れている。
     それでも歩き続ける。商店街へ寄ってみよう。
     本屋をのぞいたが、読みたい本がない。

                             
     
     なんでこんなことしているのか。
     自分でも分からない。こんなバカはよせ。
     言い聞かせ、今度はそそくさと
     足早に駐車場へと急いだ。
     エンジンをかけると布施明の歌が流れ出た。


     家のテレビは「秋雨前線が居座り、
     九州では2018年の西日本豪雨並みの
     大雨になる恐れがある」と注意を呼びかけている。
     もちろん、雨の中を歩くバカはしない。
     家に篭っておくことにする。