日本の先行きが少々心細い。
国の経済規模や豊かさを表す指標であるGDPは、
米国に次ぎ世界第2位の地位を中国に譲り渡して久しいが、
間もなくドイツにも抜かれ第4位に、
さらにインドにも抜かれるのではないかと言われている。
そうすると第5位に転落することになる。
また日本の平均収入は443万円だが、
これはОECD加盟国38カ国中21位で、
先進国と呼ばれるのにギリギリのところにいる。
しかも韓国にも抜かれ、
「アジアでいちばん年収の高い国」の座を明け渡しているのだ。
なんとも気の重くなる数々のデータであるが、
さらに基礎科学研究力の長期低落が追い打ちをかける。
それを象徴するように、2年連続でノーベル賞受賞を逃した。
日本は2000年以降、20人が受賞しており、
まさに受賞ラッシュだった。
特に08年に4人が受賞して以降は、
21年まで2年連続で受賞を逃したことはなかったのだ。
それが去年も今年も受賞者の名を聞くことはなかった。
実は、数年前から受賞者自身から
「このままでは日本から受賞者が出なくなるのではないか」と
研究開発力の低落を指摘する声が出ていたが、
それが現実化してきていると言えよう。
このため政府は10兆円規模の基金を設け、
世界と競える大学を育てるとの方針を打ち出し、
東北大を初の認定候補とした。
24年度に100億円規模の支援をするという。
こうした策が実り、再びノーベル賞受賞者が続出するかどうか。
期待したいものだ。
日本はまったくダメな国になってしまったのか。
ネガティブな話が多い中で、「いや、まだまだ」と思わせることもある。
例えば対外純資産だ。
2022年末時点で日本の企業や個人、それに政府が
海外に持つ資産、つまり対外資産は1338兆2364億円に達する。
対して海外投資家などが日本に持つ資産を示す
対外負債は919兆6079億円で、
対外資産から対外負債を差し引いたものが対外純資産となる。
これが418兆6285億円で過去最高となった。
加えれば、32年連続で世界最大の対外純資産を持つ国なのである。
こんな話を聞くといささか誇らしい気になる。
おまけに海外から多くの観光客がやって来て
口々に「日本はすばらしい国」と言ってくれる。
正すべきところを正していけば、まだまだ日本は捨てたものではない。
子や孫たちに輝かしい未来のある日本を渡したいものだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます