後期高齢者となって3度目の運転免許証の更新だ。
有効期限は8月末だが、
早々と「認知機能検査・高齢者講習通知書」が届いた。
75歳以上になると、この認知機能検査が必須となる。
これまで2度受けているから、どういったものか承知しているが、
要するに記憶力の検査だ。
具体的には、武器、楽器、電気器具、昆虫、動物、
それから野菜、果物、花など、合わせて16の絵を4つずつ4回に分けて見せ、
1問を挟んで全部書き出せというものである。
これが簡単そうで、簡単には思い出せないのである。
おまけに意地悪く1問挟むものだから、
せっかく覚えた絵の記憶が薄れるのである。
16全部思い出すのは至難の業で、スルスルとはいかない。
ここで過去2回の経験が生きた。
問題はA、B、C、D4パターンあるが、以前から変わっていない。
書店に行けば、その問題集を売っているし、
ネットでも簡単に見ることが出来る。
You Tubeでは、本番同様に出題してくれる。
ということは、十分に予習できるわけだ。
僕はそれをやってみた。
1、2回やったくらいでは、記憶力は追いつかない。
ただでさえ記憶力の乏しくなった爺さんだ。
やはり、何度も繰り返すことが必要だ。
そうすれば、最初は16のうち7、8しか思い出せなかったものが、
10になり12になり14になり、そして全問正解ということになっていく。
とは言え、本番の緊張感があるから、そこも考えておかなければならない。
こうやって臨んだ認知機能検査。
15人が一緒に受検したが、自分も含め緊張感が隠せない。
試験官から注意を受けることたびたびだ。
検査が終わると、すぐに採点に入る。
その間、高齢者の運転啓発ビデオに見入る。
20分ほどで採点結果が各人に渡される。
こわごわ覗き見る。
やりました。3度目にして初めての「100点満点」だ。
さて、次は教習所での講習が待っている。
運転の実地試験、視力検査などである。
それらをクリアして免許更新となる。
今回も更新すべきかどうか随分迷った。
80歳とあれば、もう運転は止めるべきだと至極もっともな思いもする。
だが、車のない生活を想像すると何とも寂しい。
行動範囲はうんと小さくなり、それこそ家に閉じこもってしまうのではないか。
今回はそんな思いが勝り、更新に踏み切ったが、
迷いが完全に消えたわけではない。
依然、免許返納との思いがかすめた。
いずれにしても、これが最後の更新になるかもしれない。