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タクシー難民

2023年10月08日 06時00分00秒 | エッセイ


こんなことがあった。
ある日の夜、12時は過ぎていたと思うが突然体調がおかしくなった。
そこでタクシーを呼ぶことにしたのが、
これが何件かけてもつかまらなかったのである。
苦痛は増すばかりで、やむなく救急車を頼み事なきを得たのだった。

「福岡市は日本一タクシーを拾いにくい都市」と言われている。
街中でタクシーを拾うのは至難の業になっているようで、
〝タクシー難民〟なる言葉も生まれているという。
タクシーに乗ってみると分かるが、運転手は比較的高齢の人が多い。
伴って高齢化による退職が増えているのが運転手不足の最大の原因で、
さらにコロナ禍により感染を恐れて
退職者が相次いだことも拍車をかけたようだ。

         

運転手不足はタクシー業界だけでない。
運送業界はさらに深刻だし、バス業界にしてもそうだ。
「2024問題」というのがある。
自動車運転業務の時間外労働(残業時間)を年間960時間までに
規制(現在は規制なし)しようというもので来年4月1日から実施される。
働き方改革の一つであるが、これにより運送会社の利益はもちろん、
トラック運転手の給与も減少すると予測され、
それによって運転手の離職・不足=輸送量の減少に
つながることが懸念されている。
物流が滞ることになれば、日々の生活のみならず
日本の経済活動そのものにも大きな影響を与えるに違いなく、
業界は対応に追われている。
バス保有台数が日本一の西日本鉄道が10月から
福岡県内の路線バス32路線の減便・廃止に踏み切ったのも、
経営効率化ということもあろうが、最大の理由はやはり運転手不足である。

 

医療・福祉、特に介護業、それに建設業や旅館・ホテルの宿泊業、
さらには小売業などさまざまな業界もそうだし、
人口減少、少子高齢化の中で、人手不足は深刻化していくだろう。 
それは日本経済に大きな影響を及ぼすに違いない。

日本経済云々という話の中で恐縮だが、81歳になる当方も
「そろそろ免許を返納しなければならないだろうな」と思いつつ、
それに多少のためらいがある。
たとえば、しばしばの病院通い。
現在は自分で運転して通院しているが、ほぼ50分かかる。
バスなど公共交通機関を使うとまず1時間は間違いない。
そのバスも運行便数は減る一方。
ではタクシーかといえば、まずうまくつかまえられるかどうか。
おまけに料金もバカにならない。
そんなことを考えていると、
テレビでは今日もまた高齢者の自動車事故を報じている。


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