女性の着物は日常着ですから普通に仕立てる事ができました。
女性との違いを把握するために、衽(おくみ)を省略した男性の着物です。
着物の上に道中着と呼ばれたコートを着て出かけます。
衿の縫い方が分かる様に片方は仕上げてありません。
11月から3月まではコートを着て出かけます。
その季節にコートを着ないで外出すると帯が見えるので「帯はだか」と嘲笑されました。
現代は暑いのと外国の方々の着物姿はコートを着ていません。
コートを着ている方は着物に精通した方です。
4月から10月までは透けて見える絽や紗の羽織、またはレースのショールを着用する場合もありました。
飾り結びした紐は、縫い付けてあります。
丈の短い半コートです。
女性の着物にはバチ衿と広衿があります。
バチ衿は普段着に用います。
広衿の縫い方です。
首のあたりは二つ折りにして着ます。
動いても着くずれしにくいです。
裾や袖は比翼仕立てになっています。
寒い冬、浮世絵に見られるように重ね着をしていました。
2月を如月(きさらぎ)というのは、着てさらに着るの意味があるのだとか。
動くと裾が開いて重ねて着ているように見える仕立てが比翼仕立てです。
絽の着物にも見られます。
図書館の和裁の本の1ページです。