10月1日(土)
本日、市川染五郎主演映画「蝉しぐれ」が公開された。
待ってましたよ、この時を!
映画を見る前に読んだ、藤沢周平の「蝉しぐれ」
私にとっては初めての藤沢作品。
時代物特有の、難しい文体だったらヤだなと思って手に取ったが、
そんな事吹き飛ぶ位あっという間に作品の中に入り込んでしまった。
読後、日本の懐かしい原風景を見せられたようで、心が震えて仕方なかった。
なんて落ち着いた、大人の読み物なんだろう。
中高生の頃に読んでも、きっとこんな気持ちにはならなかっただろう。
そう考えると、「読もう!」と思ったきっかけが、
染様主演での蝉しぐれの映画化だったって事が、本当に嬉しく思う。
さて、映画。
今日は1日。映画の日と言うこともあってか、
はたまた土曜日だったからなのか、
いやいやみんなこの映画を心待ちにしていたのであろう、ものすごい人だった。
人気あるなぁ。
この人気、染様のものであって欲しいが、そうじゃない事は一目瞭然。
なぜなら、藤沢作品ファンであろうと思われる、おじいちゃま達がいっぱい。
この年齢層の高さ。
あちこちから聞こえてくるしわぶきに、
「俺の藤沢をどう映画化したって言うんだい?」という思い入れを感じる。
始まってすぐ、まずはロケ地となった山形の景色に心を奪われる。
日本人って、こんな景色の中で昔から暮らしてきたんだ・・・
山にかかる霞。
田畑をそよいで通る風。
小茄子のなる庭先の畑。
木漏れ日の降る小道。
厳しく襲い掛かる吹雪。
吹雪と見紛うばかりの桜。
日々の命の水である川のせせらぎ。
どのシーンの景色も涙が出そうになる。
そんな景色の中、真っ直ぐ育っていく文四郎。
文四郎を憎からず思うふく。
文四郎に襲い掛かる過酷な運命と
自分の意思とは関係なく運命に翻弄されるふく。
少年期の文四郎とふくが、お互いに惹かれ合いながらも、
それを口にすることなく別れ別れになってしまう所では、生きていく事の哀しさを感じた。
時は移ろい、大人になった文四郎。
染様の演じる青年期の文四郎が出てくると、映画がピリッと引き締まるのを感じた。
藩の権力争いに巻き込まれる文四郎とふく。
自力で危機を乗り越え、ふくをも救う文四郎の落ち着いた瞳がたまらん!!
気持ちが治まったら、もう一度原作を読み直そう。
そして、あの美しい佇まいを持つ、染文四郎に会いに行こう。
この秋、この映画で大人の上質な時間をどうぞ。
本日、市川染五郎主演映画「蝉しぐれ」が公開された。
待ってましたよ、この時を!
映画を見る前に読んだ、藤沢周平の「蝉しぐれ」
私にとっては初めての藤沢作品。
時代物特有の、難しい文体だったらヤだなと思って手に取ったが、
そんな事吹き飛ぶ位あっという間に作品の中に入り込んでしまった。
読後、日本の懐かしい原風景を見せられたようで、心が震えて仕方なかった。
なんて落ち着いた、大人の読み物なんだろう。
中高生の頃に読んでも、きっとこんな気持ちにはならなかっただろう。
そう考えると、「読もう!」と思ったきっかけが、
染様主演での蝉しぐれの映画化だったって事が、本当に嬉しく思う。
さて、映画。
今日は1日。映画の日と言うこともあってか、
はたまた土曜日だったからなのか、
いやいやみんなこの映画を心待ちにしていたのであろう、ものすごい人だった。
人気あるなぁ。
この人気、染様のものであって欲しいが、そうじゃない事は一目瞭然。
なぜなら、藤沢作品ファンであろうと思われる、おじいちゃま達がいっぱい。
この年齢層の高さ。
あちこちから聞こえてくるしわぶきに、
「俺の藤沢をどう映画化したって言うんだい?」という思い入れを感じる。
始まってすぐ、まずはロケ地となった山形の景色に心を奪われる。
日本人って、こんな景色の中で昔から暮らしてきたんだ・・・
山にかかる霞。
田畑をそよいで通る風。
小茄子のなる庭先の畑。
木漏れ日の降る小道。
厳しく襲い掛かる吹雪。
吹雪と見紛うばかりの桜。
日々の命の水である川のせせらぎ。
どのシーンの景色も涙が出そうになる。
そんな景色の中、真っ直ぐ育っていく文四郎。
文四郎を憎からず思うふく。
文四郎に襲い掛かる過酷な運命と
自分の意思とは関係なく運命に翻弄されるふく。
少年期の文四郎とふくが、お互いに惹かれ合いながらも、
それを口にすることなく別れ別れになってしまう所では、生きていく事の哀しさを感じた。
時は移ろい、大人になった文四郎。
染様の演じる青年期の文四郎が出てくると、映画がピリッと引き締まるのを感じた。
藩の権力争いに巻き込まれる文四郎とふく。
自力で危機を乗り越え、ふくをも救う文四郎の落ち着いた瞳がたまらん!!
気持ちが治まったら、もう一度原作を読み直そう。
そして、あの美しい佇まいを持つ、染文四郎に会いに行こう。
この秋、この映画で大人の上質な時間をどうぞ。