5-19:補強金物のカラクリ
近年の木造住宅において、構造軸組み(土台、柱、梁、スジカイ)を特殊な金物で文字通り補強する事が当たり前になっています。そいうすることで、地震の揺れから柱や梁、土台の抜けをなくする為に取り付けます。この金物によって、木造住宅は随分と強く、ネバリのある建物となりました。
基本は、柱と梁・スジカイの力の掛かり具合で、耐力の異なった金物を使い分けバランスを保ちます。
この補強金物、1棟の家(30数坪)に大体10数万円~20万弱位の金額が掛かります。家が強くなったから、対価としてはマズマズと言って良いでしょう。
と思っていたら・・・、そういう人達ばかりではありません。どうやって、金物代を少なくするか?と考えるのです。
スジカイの力の掛かり具合で金物の耐力を決定する事がカギでした。スジカイが集まる所は大きな金物が必要だったのです。???そこでスジカイをメクラメッポウに入れたのです。どう言うことかは前回の「スジカイの秘密」を参考にして下さい。
スジカイの力をバランスよく分散したかに見せかけて、力を伝えなくしたのです。特に、外周部に配置するよりも内部に入っているほうが、力が掛からなくなるカラクリがそこにはあります。
こうすることで、確実に金物代は安くなります。そして、建物は確実にネバリを欠きます。
さてさて、補強金物=丈夫という事も如何やら当てにはならないようです。
次回は、「通し柱の伝説」です。