毎年秋韓国文化院で開催されるコリアン・シネマ・ウィークが昨日から始まり
ました。昨日は『灰の花』(パク・ソギュン監督、脚本、2016年作)が上映され
見てきました。この催しには映画関係者のゲストが招かれティーチインも行
われますが、丁度今年は、この『灰の花』の監督と主演俳優がゲストでした。
映画は、どことははっきり分からない田舎町に暮らす若い女性ハダムと、彼女
の下に転がり込んできた11歳の少女へビョルを巡って展開します。
ハダムは、肉親でも親類でもなさそうな中年女性と、その息子が住む家に下宿
して生活しているらしいのが、女性に家賃を渡そうとする場面があり分かりま
す。もっとも女性は、そんなことはしなくていいと受け取りませんが・・・。
毎日平穏で緩やかな時間が流れていたであろう彼らの生活が、へビョルの登場で
変化を見せ始める。息子にはヒョンと慕い一緒に働く仲間がいた。へビョルは、
そのヒョンを父親だと言われて、この町に探しにきたのだった。
突然現れた娘に当惑ししばらくハダムに預かってくれるよう頼むヒョン、その間
にDNA検査をするつもりらしいが、なぜか嬉しい気分もあるようで小さな贈り物を
買い込んだり、ぼろ家があるのに中に住めないのか、いつも濡れ縁で寝ている自分
のねぐらの隣に簡易テントを買ってきておいたり・・・し始める。
一方息子には不動産屋に努める恋人が居て、結婚するなり駆け落ちするなり関係の
変化を迫られているらしく、ついてはヒョンと共同で貯金しているお金が気になり
始めていた。
そんな中ヒョンの留守中にDNA鑑定書が届き、‘親子関係無し’の中身をへビョル
が見てしまった。ショックを受けるへビョルにハダムは、大人は時々間違いを
犯すこと、だからこれも間違いだから心配するな、私が調べてあげると約束する。
この後ハダムがとった行動でとんでもない事態に~~
あら筋をこれ以上書くと、完全なネタばれになってしまいますので、この辺で
やめておきます。まあこの作品が、一般公開されることは無いかもしれませんが、
される機会が会ったら是非ご覧になってみてください。しみじみとした良い映画で
細部で出演者のキャラクターに癒されること受け合いです。そして、変なとこで
ツボだったのが息子の恋人役で、お笑い芸人鬼奴さんに瓜三つでした。
親切に世話をしながらも、どこか受け入れ難さがあったらしいハダム。自分が
やはりへビョルと同じ年ごろに、母親に置き去りにされた過去の草むらの中に閉じ
こもっていたままだったのです。
監督は俳優たちに演技指導のような事はせず、場面場面での俳優の表現力を大切に
演じさせるのだそうです。一例として、橋の上でハダムがへビョルに自分の履いて
いた靴(タップダンス用の靴)を履かせるシーンは、監督のシナリオではそこでお
終いだったのが、裸足になったハダムに、へビョルが自分のズックを履かせるとい
う演技をしたんだそうです。
監督はそれを監督の映画的野心が、俳優の心に負けたと表現していました。
監督はかつて都会の路地裏の闇を往き場なくさまよう少女たちを見たとき、何も
声を掛けてあげられなかった経験から、『鉄の花』『ワイルドフラワー』そして
この『灰の花』の三部作を作ることになったそうです。最後に少女を複数で旅立
たせることができて、やっとあの少女たちに応えてあげられた気がする。今後も
撮る人、見る人が兄弟になって喜びや痛みを分かち合いながら回復する映画を撮
りたいと抱負を語っていました。
ました。昨日は『灰の花』(パク・ソギュン監督、脚本、2016年作)が上映され
見てきました。この催しには映画関係者のゲストが招かれティーチインも行
われますが、丁度今年は、この『灰の花』の監督と主演俳優がゲストでした。
映画は、どことははっきり分からない田舎町に暮らす若い女性ハダムと、彼女
の下に転がり込んできた11歳の少女へビョルを巡って展開します。
ハダムは、肉親でも親類でもなさそうな中年女性と、その息子が住む家に下宿
して生活しているらしいのが、女性に家賃を渡そうとする場面があり分かりま
す。もっとも女性は、そんなことはしなくていいと受け取りませんが・・・。
毎日平穏で緩やかな時間が流れていたであろう彼らの生活が、へビョルの登場で
変化を見せ始める。息子にはヒョンと慕い一緒に働く仲間がいた。へビョルは、
そのヒョンを父親だと言われて、この町に探しにきたのだった。
突然現れた娘に当惑ししばらくハダムに預かってくれるよう頼むヒョン、その間
にDNA検査をするつもりらしいが、なぜか嬉しい気分もあるようで小さな贈り物を
買い込んだり、ぼろ家があるのに中に住めないのか、いつも濡れ縁で寝ている自分
のねぐらの隣に簡易テントを買ってきておいたり・・・し始める。
一方息子には不動産屋に努める恋人が居て、結婚するなり駆け落ちするなり関係の
変化を迫られているらしく、ついてはヒョンと共同で貯金しているお金が気になり
始めていた。
そんな中ヒョンの留守中にDNA鑑定書が届き、‘親子関係無し’の中身をへビョル
が見てしまった。ショックを受けるへビョルにハダムは、大人は時々間違いを
犯すこと、だからこれも間違いだから心配するな、私が調べてあげると約束する。
この後ハダムがとった行動でとんでもない事態に~~
あら筋をこれ以上書くと、完全なネタばれになってしまいますので、この辺で
やめておきます。まあこの作品が、一般公開されることは無いかもしれませんが、
される機会が会ったら是非ご覧になってみてください。しみじみとした良い映画で
細部で出演者のキャラクターに癒されること受け合いです。そして、変なとこで
ツボだったのが息子の恋人役で、お笑い芸人鬼奴さんに瓜三つでした。
親切に世話をしながらも、どこか受け入れ難さがあったらしいハダム。自分が
やはりへビョルと同じ年ごろに、母親に置き去りにされた過去の草むらの中に閉じ
こもっていたままだったのです。
監督は俳優たちに演技指導のような事はせず、場面場面での俳優の表現力を大切に
演じさせるのだそうです。一例として、橋の上でハダムがへビョルに自分の履いて
いた靴(タップダンス用の靴)を履かせるシーンは、監督のシナリオではそこでお
終いだったのが、裸足になったハダムに、へビョルが自分のズックを履かせるとい
う演技をしたんだそうです。
監督はそれを監督の映画的野心が、俳優の心に負けたと表現していました。
監督はかつて都会の路地裏の闇を往き場なくさまよう少女たちを見たとき、何も
声を掛けてあげられなかった経験から、『鉄の花』『ワイルドフラワー』そして
この『灰の花』の三部作を作ることになったそうです。最後に少女を複数で旅立
たせることができて、やっとあの少女たちに応えてあげられた気がする。今後も
撮る人、見る人が兄弟になって喜びや痛みを分かち合いながら回復する映画を撮
りたいと抱負を語っていました。