「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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「原発事故後の危険を人は本当に認めない」当時南ドイツ在住の外国人男性、本人は10年以上後に急性白血病。

2013-12-16 12:07:55 | 福島第一原発と放射能

一昨日、ご一緒した関西の女性から、こういう話を伺いました。

放射能の話を関西で、自分の周りでしても聞いてくれる人が少ないのです。それをしていたら嫌がられることも多くて。そうすると、外国とのハーフの男性がいてこう言われました。

「君の話していることは本当なのはよく分るよ。でも、それをそのまま話しても、周りは理解しないから。それも、よく分る。」

40代で、長らく南ドイツにいたこの男性。エストニアと日本のハーフで、チェルノブイリの事故当時は、南ドイツにいたといいます(西ヨーロッパでは事故による放射能汚染が強い地域)。

彼は、長くこうした事故後の状態を見ていて、彼の身近でも似た様なことがあったといいます。

「人はおきていることをなかなか認めないし、聞きたがらない。放射能は見えないし。本当の話をしても、嫌がる。そういう時間が続く。それを何とかしようとしてもがく。でも、こうしたことはなかなか変わらない。これは、南ドイツでも、同じでしたよ。それで、実際に被害は広がっていくから。」

でも、木下さん、この話には落ちがあるんです。


彼は事故後10年以上して、2000年頃だったのかもしれませんが、急性白血病発症したそうです。骨髄移植で命をとりとめましたが。

だから、放射能の危険は、本当によく分っているようなんです。》

日本でも、こうしたことは続くと僕は思います。既に3年近い月日が経過していて、危機意識を持ちたくない人々の意識を何か話したり、データで変える可能性は少ないです。おそらく、自分か自分の家族に余程、明確な何かがおきない限り、意識を変える方は極めて少ないです。

もう少し言うと、何が起こっても、意識を変えられなくなっている人達も多いと推察します。自分の身に何が起きても、子どもに何が起きても、それを認められない方も、一定数いると思います。

こうした意識の歪を、僕らがどう対処するのかが、相手に対してのみならず、自分に対してもどうするのかが、大切です。

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京都、さらに神戸で、被災者避難者のホールボディカウンターをうけられるというニュースが流れています。地元新聞で読みましたが、一体どこまで誤魔化しをするのかと思い、僕は驚嘆しています。

使っているのは、FASTSCANで、1日70人まで測定できるといいますが、実際に来ている人は13人しかいないと、紙状の新聞記事には記載されていました。もちろん、この機械は2分程度の計測で、本来は原発作業員などの汚染の有無を調べる用途が一番有用性の高い機械ですから、避難して、一定期間が経過した人の体内に、放射性物質が残存していることを感知できる可能性は、そもそもほとんどありません。

立位式で、簡易型の機械、200Bq/body~300Bq/bodyが下限が通常性能の機械とされますし、ホールボディカウンターは、示した数値の実は10倍程、体内に残存している可能性も考えないとならないような機械ですから、よほど大量に体内に放射性物質がないと関知しないことになります。

だから、現実の意味がほぼありません。こんなことを、科学的と偽装して、福島とともに歩むような感覚を示すことは、結局は、避難者を福島に戻したい、福島県の意向に寄り添う行為でしかありません。人よりもお上を見ている話です。

あほらしいです。

関わっているのが「We Love 福島 プロジェクト」だそうです。京都の大学で、理系の関係者の中で、ベンチャービジネスをやっている方々の姿も見えています。

僕は当初にお伝えしましたが、ベルリンの放射線防護庁のWBCで、事故発生、数か月後の検査で、もっと精密な機械で、20bq/bodyまで下限を落として、ようやく25Bq/bodyとか30Bq/bodyの数値を計測した、松戸在住の女性の話を伝えています。その時にも、事故からまだ数ヶ月しか経過していないという事と、相当精密なWBCでようやく拾えたレベルだったと言う事です。しかも、その数値でも、フランスの専門家は、彼女に「半年は妊娠をするな」とアドバイスしたそうです。

事故から2年半以上経過して、関西に避難して、一定期間が経過している福島県民が、FASTSCANで、測定できる数値が出たら、本当に驚きます。というか、元々ありえません。

あの程度のWBCで、そもそもわかる情報量が圧倒的に少ないのに、「科学的」という言い方で、こういう欺瞞を平気で行う人達に、驚愕します。

それに、福島から、そうした検査車両がなぜわざわざ来るのか。

避難者を福島県に戻すことに、手を貸すための行為であることは、議論の余地はないと思います。

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年明けは、まずは愛知県で開催します。

【1/18(土) 木下黄太 ウクライナ報告会in一宮】 

●日時 2014年1月18日(土) 13:30開場 14:00開演 (16:30終了予定) 
●場所 アイプラザ一宮 (一宮市若竹3-1-12) 
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