NTTドコモが主要スマートフォンの端末代を近く引き上げることが16日、分かった。新規の契約者にとって端末の購入費などが現行より1万~2万円程度増えることになる。総務省が「実質ゼロ円」といった過度な端末値引きを是正するよう求めたことに応じた。
上記の記事が、本日、yahooトップ画面に表示されていました。
この記事を読んで直ぐに感じたことは、iphone6s plusの機種価格について、現行ではdocomoだけが、32GB、64GB、128GBの全ての機種について10万円未満になるように価格設定していて、割賦販売の法令によって「状況によっては審査が通らず購入できない」・・・といったような事が無いように、一定の”配慮”をしていたということです。まあ、これは会社の利益やユーザーのiphone離れを防ぐ意味でも”配慮”していたということでしょうか。
一方、これに対してauやSoftbankは、既にiphone6s PLUSの価格が10万円を超えており、審査に通らなくて購入できない人が多々おられたようです。
ですから、今回のdocomoのスマホ代金の引き上げは、おそらく、iphoneにほぼ限定して横並びになったと解釈すべきでしょう。もしくは、むしろ、「iphoneは、高いので無理して買わなくてもいいですよ」・・・という方針を明確にしたと考えたほうがいいでしょう。ですから、主要スマートフォンというのは、すなわちiphoneという意味であって、これに狙いを定めた値上げだと推測されます。(国産スマホも同時に値上げするでしょうが比較的小幅な値上げになるでしょう。)
その結果、どういうことが起こるのか?と推測すると、明らかに総務省はiphoneなどの高額スマホの実質無料という行き過ぎた販売方法を是正するという方針でもって、実質は国内スマホメーカーの保護に乗り出したものと考えられます。
ただし、一部に論評されているような中国製・台湾製・韓国製の低価格スマホの販売を促進する方向に発展していくのではないか?という憶測も聞こえてきますが、これは、間違いではないですが、ちょっと順序が違うなと個人的には思います。なぜならば、1万円未満~4万円までの格安スマホは、主として格安SIMとのセット販売をDMMモバイル、楽天モバイル、OCNモバイルなどが販売しているのであって、これらの端末は比較的性能が低いし、実店舗が殆ど無いのでまだまだ普及率が低いです。また、格安スマホは電話料金が別途40円/分で不経済なので、メインで使う場合は、格安SIMとセットで売り出しているIP電話=050PLUSやVIBER電話、楽天電話などを使わざるを得ません。
ところが、格安電話は、よく音声不明瞭で途切れたり聞き取り難かったりすることがあり、そのために仕事ではとても使えないと敬遠されますから仕事では090で電話することになります。そうすると、やはり現役世代では、iphone一辺倒から、少しでも購入価格の安いキャリアの国産のスマホにシフトしていく傾向になるのではないかと思われます。
一方、私のように主としてリタイヤ世代が運営する地域ボランティア団体の電話連絡では、庶務・会計・事務局長などの要職は頻繁に電話連絡が必要なので、団体の通信費でもって格安スマホを購入してもらいました。また、家族や親戚には、私はどんどん格安スマホを奨励しています。そういった、ごく内輪の親しい人間関係では、聞き取りにくかったら聞き返したらいいのだし、大きな声でしゃべったら聞こえますから、そういったことで遠慮も何も要らないので結構使えます。
まあ、そういうわけで、iphoneの値上げの結果、近々には日本製のスマホがよく売れることになりそうであり、中長期的にみれば、少しずつ格安の中国製、台湾製、韓国製スマホが普及していくんだろうな・・・と思われます。
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本題に戻って「スマホ端末代金の引き上げは妥当か?」ということですが、ネット上の論議の主調は、「せっかく今までは実質0円で最新型のiphoneを入手できていたのに、総務省が下手に介入するから、値上げされることになったじゃないか?値上げは反対だ!」というものです。
通信料金の値下げ前に機種代金の値上げをアナウンスするのは如何なものか・・・という疑問は一応理解できますが、かといって、10万円を超えるようなiphone6s PLUSなどの高額な端末が、実質0円でこれからも入手できるようにすべきだといった論議は、少し妥当性を欠くのじゃないかと考えられます。
というのは、10万円もする高額なスマホは、2年間で割賦販売すれば、機種代金だけで1ヶ月あたり4000円以上、ユーザーに支払ってもらわないと採算が取れないからです。これに、まだ1GBの容量の通話SIM(1300円)を付けて、カケホ(1700円)にすれば、合計で7000円以上になりますから、今回の総務省の指導によるところの5000円以下への月額料金の値下げの要請にも応えなければならない事も併せて考えると、幾らなんでもiphoneが実質0円だなんてことは、到底ありえないと思われるのです。