サイレントマジョリティー」を書いた作家。人情が、殺伐とした世間を照らす。
格差社会が進み、正社員と非正規、大都市と地方の差が広がり貧困層が増えている。一方で「格差は仕方ない」という人も。今と同じく閉塞(へいそく)感がある昭和初期、人々の声なき声を書いた作家がいた。貧乏を武器に登場した林芙美子である。作品に通底するまなざしは、現在をも照射する。
行商を営む両親と幼い頃から各地を歩いた芙美子は、自伝的小説「放浪記」で作家として成功した。「私」が、「女中」「女給」「女工」と職を転々とする。ユーモアもあり、貧乏の中でも助け合う人々の心は明るい。……
(今こそ林芙美子)閉塞の時代、庶民とともに
格差社会が進み、正社員と非正規、大都市と地方の差が広がり貧困層が増えている。一方で「格差は仕方ない」という人も。今と同じく閉塞(へいそく)感がある昭和初期、人々の声なき声を書いた作家がいた。貧乏を武器に登場した林芙美子である。作品に通底するまなざしは、現在をも照射する。
行商を営む両親と幼い頃から各地を歩いた芙美子は、自伝的小説「放浪記」で作家として成功した。「私」が、「女中」「女給」「女工」と職を転々とする。ユーモアもあり、貧乏の中でも助け合う人々の心は明るい。……
(今こそ林芙美子)閉塞の時代、庶民とともに