ニッポンの死角 長時間労働後の事故をめぐる訴訟を取材しま...(15/06/11)
「有給って皆が仕事してる時に遊んでくるわけでしょ?」。有給休暇を取得した人を批判する、こんな指摘を友人から投げかけられたという人が、ツイッターに投稿した文章が話題になった。
投稿者の友人は入社5年目で、これまで有休を2日しか取得したことがないそうだ。友人は「次の日、何食わぬ顔で仕事に戻るの?それって人としてどうなの?」と投稿者に問いかけた。「全然おかしいと思わないけど」と返答した投稿者に対して、友人は「それがおかしいんだよ!!」と一喝したそうだ。
友人とのやりとりを紹介したツイートは、7000回以上リツイートされ、多くのコメントが寄せられた。「認められた権利を使って何が悪い」「なんのための休暇か」と友人の考え方を批判する声が多かったが、なかには「若いうちはそれで良いと思う!」と理解を示す声もあった。
投稿者の友人のような「他の人に申し訳なくて有給を取得できない」といった考え方を、労働問題に取り組む弁護士はどうみるのだろうか。白川秀之弁護士に聞いた。
●有給休暇を取得することは、社会のために必要なこと
「有給休暇制度は、労働者が心身の疲労を回復し、ゆとりある生活を確保するための制度です。労働者が自分の都合に合わせて、休暇を取得することができます」
白川弁護士はこのように述べる。
「投稿者の友人のように、有給休暇を取得することに対して、『職場の同僚に申し訳ない』といった気持ちを持つ労働者は少なくありません。
それは、他国に比べて、日本の有給休暇の取得率が低い原因のひとつになっていると思います。
有給休暇取得率が低いことは、そのぶん長時間労働に結びつきます。労働時間が長いと、労働者は健康を害しかねません。
そうなっては、労働者自身だけでなく、職場や同僚に対しても、迷惑をかけることになりかねません。社会的にも大きな損失です」
たしかに、同僚の目線を気にして有給をとらなかった結果、身体を壊して会社を休んでしまったのでは、本末転倒だろう。
有休取得を批判する人にどう反論する?
投稿者の友人は入社5年目で、これまで有休を2日しか取得したことがないそうだ。友人は「次の日、何食わぬ顔で仕事に戻るの?それって人としてどうなの?」と投稿者に問いかけた。「全然おかしいと思わないけど」と返答した投稿者に対して、友人は「それがおかしいんだよ!!」と一喝したそうだ。
友人とのやりとりを紹介したツイートは、7000回以上リツイートされ、多くのコメントが寄せられた。「認められた権利を使って何が悪い」「なんのための休暇か」と友人の考え方を批判する声が多かったが、なかには「若いうちはそれで良いと思う!」と理解を示す声もあった。
投稿者の友人のような「他の人に申し訳なくて有給を取得できない」といった考え方を、労働問題に取り組む弁護士はどうみるのだろうか。白川秀之弁護士に聞いた。
●有給休暇を取得することは、社会のために必要なこと
「有給休暇制度は、労働者が心身の疲労を回復し、ゆとりある生活を確保するための制度です。労働者が自分の都合に合わせて、休暇を取得することができます」
白川弁護士はこのように述べる。
「投稿者の友人のように、有給休暇を取得することに対して、『職場の同僚に申し訳ない』といった気持ちを持つ労働者は少なくありません。
それは、他国に比べて、日本の有給休暇の取得率が低い原因のひとつになっていると思います。
有給休暇取得率が低いことは、そのぶん長時間労働に結びつきます。労働時間が長いと、労働者は健康を害しかねません。
そうなっては、労働者自身だけでなく、職場や同僚に対しても、迷惑をかけることになりかねません。社会的にも大きな損失です」
たしかに、同僚の目線を気にして有給をとらなかった結果、身体を壊して会社を休んでしまったのでは、本末転倒だろう。
有休取得を批判する人にどう反論する?
「ブラック企業1歩手前」の会社と仕事をすることに
今回は、最近の私の失敗談を紹介することで、「ブラック企業1歩手前」の会社に勤める「DQN社員」(一般の感覚からずれている社員)について考えます。
今年春、私は都内の出版社(社員約60人)に勤務する、27歳の女性編集者から依託を受け、不覚にも仕事をしてしまいました。病院の総務部長へのインタビューで、4ページにまとめるものです。
ほかの出版社の編集者たちは、この出版社を「ブラック企業1歩手前」と冷やかします。ネット上でも、それに近いことが書かれてあります。こういうことを知りながら、編集者から依頼を受けたとき、「YES」と返事をしてしまったのです。これが、軽率でした。電話を受けたその日は、ほかの会社の大きな仕事を終えた日でもあり、気分がよかったのです。
27歳編集者の電話での説明は、要領を得ないものでした。私が3つの質問をすると、回答のレベルは低く、明らかに経験が足りないと思わざるを得ないものでした。嫌な予感がしながら、取材当日を迎えます。
実は私は、「ブラック企業1歩手前」の会社とは仕事をしないようにしています。2006年からフリーで仕事をしていますが、06~08年はフリーとしてまだ駆け出しのころだったということもあり、知名度の低い、小さな出版社と仕事をせざるを得ませんでした。当時は、「ブラック企業」という言葉が浸透する前の時期ですが、絵に描いたようにひどい会社ばかりでした。
いずれの会社も編集者のレベルが極端に低く、素人に近いのです。ほとんどが、キャリアが5年以内。給与などが業界水準よりも大幅に安いために、次々と辞めていくのです。5~6年も勤務すると、「幹部」になるという、笑うに笑えぬ状態でした。
.
取材相手を怒らせる未熟な編集者
私は、フリー駆け出しのころに知り合った、中小零細出版社とは縁を切りたいと強く願ってきました。個人事業主である身からすると、疫病神でしかなかったのです。しかし、今回は魔がさして、その縁が復活してしまいました。私の心に隙があったのでしょう。
取材当日、案の定、トラブルが相次ぎました。27歳の編集者は、その未熟さを遺憾なく発揮します。取材の相手は、総合病院の総務部長。本来は、インタビューをする前に5~10分をかけて、取材の趣旨、狙いを説明し、一定のコンセンサスを得ないといけないのです。そうでないと、人は安心して話さないものでしょう。安心させ、ある意味で精神的な優位に立たせてこそ、人は踏み込んだことを話します。
ところが、この編集者は不安感を与えているのです。横にいる私はあまりの稚拙さに驚くと同時に、吹き出しそうになりました。取材趣旨を数分で簡単に説明しただけで、インタビューをいきなりするのです。総務部長は、「えっ?ちょっと待ってくださいよ」と、質問をしてきます。編集者は明確に答えることができません。
挙げ句に、「写真撮影をする」ことも部長に伝えていなかったのです。おそらく、忘れていたのか、おぼろげにしか、取材の段取りを覚えていなかったのでしょう。このようなとき、編集者は部長の不満や言い分を聞いて、失礼があったことをお詫びし、撮影をなんとかさせてもらえるように頼むものです。しかし、編集者はお詫びを一切しません。ひたすら、撮影をすることを求めます。自分のことしか考えていないのでしょう。
部長は怒りを押し殺し、「仕方がないか…」という雰囲気を漂わせます。通常、こういう場合、インタビューを続けると、どこかのタイミングで、部長が反転攻勢をしてくるのです。つまり、不満を晴らすきっかけを待っているのです。
「ブラック企業1歩手前」のDQN社員たち
「新入社員研修で、泣きながら『自分はダメ人間です』と叫ばされた」——。そんな変わった研修を受けたという新入社員が、ネット掲示板に書き込みをしていた。その新人は研修を冷めた目でみていたが、なかには「号泣しまくって、『私は変わります!』とか叫び続けてる奴もいた」そうだ。
こうした研修は、ネットなどで「ブラック研修」と呼ばれているようだ。コメント欄には「駅前で大声で自己紹介させられた」「社訓を叫ぶんだけど、何度やっても声が小さいって言われて、泣き出す奴もいた」などの衝撃的な実例が次々に投稿されていた。
自分の人格を全否定するようなことを言わされたり、街角で大声で叫ばされたりするような新人研修は、法的に問題ないのだろうか? 鈴木徳太郎弁護士に聞いた。
●ブラック研修は違法?
「会社には、従業員に対する『業務命令権』があります。しかし、無制限に何でも命令して良いわけではなく、従業員の人格権を侵害するようなことは許されません。
どういう場合に『人格権の侵害』にあたるかですが、一般には、
(1)業務命令に違法、不当な目的があるか
(2)業務命令の業務上の必要性があるか
(3)業務命令によって従業員が被る不利益の程度が重大かどうか
といった要素から、個別に判断をすることになると思います」
鈴木弁護士はこのように説明する。では「ブラック研修」も、人格権の侵害にあたるのだろうか?
「ブラック研修の場合、たとえば、従業員を退職させることや、特定の従業員に対するいじめが目的であるような場合は、研修に違法・不当な目的があるものとして『人格権侵害』とされる可能性が高いでしょう。
そのような特定社員のいじめや退職勧奨が目的でない場合でも、会社の業務とあまりにかけ離れた研修内容であったり、従業員を極端に辱めたり、過度に負担をかけるようなものは、『人格権侵害』と判断される可能性があると思われます」
泣きながら「ダメ人間です」と叫ばされた!「ブラック新人研修」は違法ではないか?
こうした研修は、ネットなどで「ブラック研修」と呼ばれているようだ。コメント欄には「駅前で大声で自己紹介させられた」「社訓を叫ぶんだけど、何度やっても声が小さいって言われて、泣き出す奴もいた」などの衝撃的な実例が次々に投稿されていた。
自分の人格を全否定するようなことを言わされたり、街角で大声で叫ばされたりするような新人研修は、法的に問題ないのだろうか? 鈴木徳太郎弁護士に聞いた。
●ブラック研修は違法?
「会社には、従業員に対する『業務命令権』があります。しかし、無制限に何でも命令して良いわけではなく、従業員の人格権を侵害するようなことは許されません。
どういう場合に『人格権の侵害』にあたるかですが、一般には、
(1)業務命令に違法、不当な目的があるか
(2)業務命令の業務上の必要性があるか
(3)業務命令によって従業員が被る不利益の程度が重大かどうか
といった要素から、個別に判断をすることになると思います」
鈴木弁護士はこのように説明する。では「ブラック研修」も、人格権の侵害にあたるのだろうか?
「ブラック研修の場合、たとえば、従業員を退職させることや、特定の従業員に対するいじめが目的であるような場合は、研修に違法・不当な目的があるものとして『人格権侵害』とされる可能性が高いでしょう。
そのような特定社員のいじめや退職勧奨が目的でない場合でも、会社の業務とあまりにかけ離れた研修内容であったり、従業員を極端に辱めたり、過度に負担をかけるようなものは、『人格権侵害』と判断される可能性があると思われます」
泣きながら「ダメ人間です」と叫ばされた!「ブラック新人研修」は違法ではないか?
維新の党の松野頼久代表は11日の記者会見で、民主、生活両党と共同提出した「同一労働同一賃金法案」を独自に自民、公明両党と修正した経緯について、「申し訳なかった。民主、生活に丁寧に説明し同意を得た方が良かった」と述べ、手順に配慮が欠けていたとの考えを示した。柿沢未途幹事長が民主などに謝罪する。
<維新・松野代表>「同一労働同一賃金法案」修正で陳謝
<維新・松野代表>「同一労働同一賃金法案」修正で陳謝