まるまるぼうや ～拙書「屋上の幻想」より～

まるまるぼうや

まるまるぼうや
まるをかく
じぶんのあたまに
まるをかく
たにんのあたまに
まるをかく
まるまるぼうや
たのしいな

まるまるぼうや
おこられた
まるまるかきすぎ
おこられた
しょげて
ちいさいまるをかく
まるまるぼうや
かなしいな

～拙書「屋上の幻想」より～

ブリキのおもちゃ

ブリキのおもちゃ

古ぼけたブリキのおもちゃが
動き出したよ
ゼンマイ仕掛けのブリキさ
もう動かないって
あきらめていたのが
いきなり突然にも
動き出したのさ
まるで命を吹き込まれたように
動き出したのさ
誰も見向きもしなかった
古ぼけたブリキのおもちゃだよ

遙かな宇宙へ

遙かな宇宙へ

僕は
凍てつく
寒い夜空に
散らばった
満天の星々を
追いかけていた
星々は
きらきら輝きながら
僕を宇宙の世界に
連れて行った
後ろへは振り向くまい
ただただ前進して
星々の中に
吸い込まれて
一足飛びに
銀河を跨ぐのさ

夏の坂 ～拙書「屋上の幻想より」～

夏の坂

陽炎の立つ
暑い夏の日
レンズから発せられる
強烈な太陽の光も
白い日傘を通過して
弱った子猫になる
その涼しげな
半透明の絹に
縁日の赤い金魚が
澄ましておよぐ

～拙書「屋上の幻想より」～

愛人と

愛人と

あなたはいつも
ダブルベットの中で
僕の腕をとって
自分の頬をあて
あなたの血って暖かいのね
と言いながら
起きるのをためらうのだった
休みの日ぐらいいいじゃない
むくれたように
枕に顔を埋めるあなたは
確かに僕の妻という名の
愛人だった

ハロウィン

ハロウィン

街にハロウィンがやってきた
楽しい楽しい殺人鬼が生き返る日だ
早く家に帰らないと
チェーンソーでソーセージみたいに
切り刻まれちゃうよ
これは遊びじゃないんだぜ
今日という日を
惨劇の記念日にしようじゃないか
子供も大人もバラバラだ
さあゲームはもう始まっている
この三つの指を折ったら
始めるぜ
楽しい楽しいハロウィンの始まりだ

血が流れる

血が流れる

気がついたら
口から血が流れていた
何が起こったのか
何も分からない
ただあなたが目の前にいて
右手に包丁を持っていた
あなたは続けざまに
私の胸を突き刺し
つまるところ
肺に溜まった血が流れたのだ
と理解した
そんなに私が憎かったのかい
それならしようがないね
私はあなたに殺されて本望だ

退屈な時間

退屈な時間

あなたは
喫茶店でカフェラテのカップを
スプーンでくるくる回して
退屈そうに誰かを待っていた
外は雨が振っていて
店内にいる人はまばらだった
あなたは細長い足を
組み直してはガラス窓の外を
眺めていた
砂時計は確実に砂を落として
時が止まっていないことを
教えていた
この気怠い空気にすっかり飲まれて
ソファに深くもたれて
出てくるのは吐息ばかりだった

ビニールハウス

ビニールハウス

植物園のビニールハウスの中は
まるで南国の楽園のようで

冬だというのに
蝶々がひらひら舞っている

まるで妖精の住処のように
下界からは隔離されている

あなたは暖かくて眠くなったのか
軽いあくびをした

何故が地球が滅んでも
ここだけはそのまま永遠に残るような気がした

本日お日柄もよく

本日お日柄もよく

水曜日。やっと晴れた。

まあ明日からまた雨らしいんだけど、セロトニン欠乏症のＭｅにとっては貴重な晴れでした。お日様の光を浴びて、のんびり過ごしました。

以下、読書全て据え置き。
・「常微分方程式　キャンパス・ゼミ　改訂4」
　（馬場敬之著）読了（祝）
・「探検！数の密林・数論の迷宮」
　（橋本喜一朗著）（P.256/293読了）
・「整数論１初等整数論からｐ進数へ」
　（雪江明彦著）（P.137/361読了）
・「数論講義」
　（J.-P.セール著）（P.132/184読了）
・「カーネル多変量解析」
　（赤穂昭太郎著）（P.40/198読了）
・「固有値問題30講」
　（志賀浩二著）再読予定
・「12歳の少年が書いた量子力学の教科書」
　（近藤龍一著）未読

寝る。