公務員試験知能、教員採用試験数学解説

ある予備校講師が暇な時間に綴る小さなブログ

国立大学法人等職員の数的推理 4

2022-01-27 08:29:00 | 国立大学法人等職員
2021年出題。                   ある鉄道の直線区間では、特急列車A、特急列車B、快速列車Cがそれぞれ一定の速さで並走しており、列車の全長はいずれも180mである。                     Aは、Bに追いついてからBを追い越すまでに30秒かかる。                   また、Bは、Cに追いついてからCを追い越すまでに20秒かかる。                 このとき、Aは、Cに追いついてからCを追い越すまでに何秒かかるか。                      ただし、「追いつく」とは、列車の前端が他の列車の後端と並ぶことを指し、「追い越す」とは、列車の後端が他の列車の前端と並ぶことを指す。(選択肢省略)                          列車が列車を追い越すときは、速さを引きます。                      本問で、AがBを追い越すときは、Aの方が速いので、(Aの速さ)から(Bの速さ)を引きます。                   その引いた速さのことを、相対速度と言います。                       簡単に言うと、仮にBが止まっているとしたら、Aは、その相対速度で走っていることになるということです。                AがBを追い越す場面を図で説明しますね。
このとき、Aは、180+180=360m走っています。
つまり、(列車の長さの和)だけ走っています。                      かかった時間は30秒。               Aの速さをa(m/秒)、Bの速さをb(m/秒)、Cの速さをc(m/秒)とします。               AがBを追い越すときの相対速度は、a−b(m/秒)で、追い越すのに30秒かかっているので、
BがCを追い越すときの相対速度はb−c(m/秒)で、20秒かかっているので、
①+②をして、bを消去します。
a−c=10ということは、AがCを追い越すときの相対速度が30(m/秒)ということですね。                       AがCを追い越すときの相対速度が30m/秒、進む距離は360mだから、360÷30=12秒かかります。                  正解は、12秒です。                  えっ、相対速度は嫌い〜?                 まあ、実際は走っているのにそれを止まっていると仮定してなどという発想は性に合わねえ!というお気持ち、理解できます。                         そういう人は、このようにやりましょう!








国立大学法人等職員の数的推理 3

2022-01-23 10:48:00 | 国立大学法人等職員
2021年出題。                   ある濃度の食塩水が500gあり、これを300gと200gに分けて、それぞれに同量の水を加えたところ、濃度が6%と5%となった。元の食塩水の濃度はいくらか。(選択肢省略)                      警察官の数的推理5、警察官の数的推理10と同じく、濃度問題です。               ここでは、特別な解き方をしますので、初めての方は、そちらの記事を参照して下さい。                      元の食塩水の濃度をx%として、それを300gと200gに分けました。
それぞれに同量(yグラム)の水を加えます。



すると、6%と5%になりました。

あとは掛け合わせて連立方程式をつくります。
これを解いたときのxの値が正解ですね。
正解は、10%です。


国立大学法人等職員の数的推理 2

2022-01-17 12:40:00 | 国立大学法人等職員
これで500本目の投稿です。            といっても、「スマホがやばい」とか、「地震が」とかの記事もあるので、500問目の解説という訳ではありませんが。            まあ、区切りがいいのですね。             2021年出題。                  1〜6の目があるサイコロを何回か振って、出た目の数を全て掛け合わせると60であり、出た目とは反対側の目の数を全て掛け合わせても60であった。このとき、サイコロは何回降ったか。また、出た目の数を全て足し合わせるといくらか。                       ただし、サイコロは、出た目の数と反対側の目の数の和は必ず7である。(選択肢省略)                       掛けて60だから、とりあえず60を素因数分解します。                      60=2×2×3×5。                   だからどうなんでしょうか?ここが第一関門ですね。                あっ!5があるじゃああ〜りませんか!と気付いた人は第一関門通過です。                       つまり、何回振ったかはまだわからないが、どこかで5が1回だけ出ています。              5の反対側は2なので、
                        反対側の目も、掛け合わせると60になるのだから、やはり5が1回だけ出ていますね。                   
出た目も、反対側の目も、2×3が残っていますね。                      すると、                      ①もう2は出ません。なぜなら、2が出ると、反対側が5になるからです。               ②3は出ません。反対側が4になる。                  ③4や5はダメ(残っているのが2×3)。ということで、1か6が出ます。                   1が出たとすると、
反対側はもう1しかなく、出た目は6でピッタリです。
出た目の1と6は逆でも同じことですね。結局、サイコロは4回投げていて、出た目の合計は5+2+1+6=14です。



国立大学法人等職員の数的推理 1

2022-01-13 15:05:00 | 国立大学法人等職員
2021年出題。                  ある都市に住む1万人のうち1%がかかっている疾患があり、疾患にかかっているかどうかを調べる検査をこの1万人に対して行った。この検査による判定では、疾患にかかっているのに間違って陰性と判定される確率は30%であり、疾患にかかっていないのに間違って陽性と判定される確率は1%である。               このとき、この検査で陽性と判定された人で実際に疾患にかかっている人の確率は何%か。                    ①約15%②約41%③約59%➃約82%⑤約99%                     10000人のうち、本当にこの疾患にかかっている人は、10000×0.01=100人です。
では検査しますね。                かかってるのに陰性と判断されるのは30%だから、100×0.3=30人。           ということは残り70人は陽性と判断されます。(判断されなくても陽性だけど😰)
かかっていないのに、陽性と判断されるのは1%だから、9900×0.01=99人。               残り9801人は正しく陰性と判断されます。


ここで、陽性と判断された人は画像のア+ウで、70+99=169人。                そのうち、実際に疾患にかかっている人は70人だから、その確率は70÷169=約0.41、つまり約41%。               正解は、肢②です。                   このような表を作って解いてもいいですね。

ところで、出題者は、罠を仕掛けています。                      僕が出題者だったとしても、同じ罠を仕掛けます。                     この解説を読む前に本問をやってみた人の中には、③が正解だと思った人がいると思います。                    その人はまんまと罠にハマったのです。            あまりよく読まずに、形に当てはめてしまうと、こうなりますね。「陽性と判断された人実際に疾患にかかっている人」の「」というのは、「陽性と判断された人の中で」という意味です。                         例えば、「大阪在住で阪神ファンの人」という場合、阪神ファンだけど大阪在住しまゃない人は入りませんね。                話は変わって、この検査は全く役立たずですねぇ。                    「俺、検査で陽性になっちゃったよ」といっても、ホントにかかっている確率は約41%です。                      では、本問の30%と1%が逆だったらどうなるでしょうか?是非やってみて下さい。こうなりますね。
たったの3%😜