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日々、思うことをサラサラと。

日頃、イイな、とかおかしいゾ、とかキレイだなと思うことをサラサラと書き出してみたい。

「ボンボン」再び観る

2025年03月22日 | 映画

(画像アマゾンより)

「ボンボン」2004/アルゼンチン

もう20年も前の作品だが時々ボンボンに会いたくなる。

いかにもアルゼンチン作品らしい、じわりと潤うような余韻を残す作品だ。

奇縁(この出会いがいい)でボンボンを飼うことになった初老の男と大型犬の成り行きを描く。

動物=可愛いなんていう愛嬌は微塵もない。ドシリとボンボンはそこに居るだけ。

大きくて立派な犬はそこに居るだけで人の関心を誘い、そして人生が動いて(動かされて)いく。

犬の周りで人々の生活の一端を深淵を覗かせる。絡んでくるそれぞれの人々の心情が程よく温かい。

 

観終わって、またいつか観ようと思わせる作品です。

 

 

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ラジオの時間・・・旧作

2025年02月10日 | 映画

気分転換に笑いを求めて何?をみよう、ってことで突然””三谷幸喜さん”を思いついた。

この方の初期の頃の作品は本当に面白く、自身の笑いのツボと相性が良かったなと。

 

「ラジオの時間」1997年(正しいタイトルのジはチに濁点です)

当時の三谷作品の特徴は主役級の役者をふんだんに出演させること、大物をちょい役で使うことで「えっ」これだけ?といい意味で

呆れてしまうこと・・・ついついなんか斬新だなぁと印象に残る監督だった。(その後の大活躍は言うまでもないが)

出演は唐沢寿明、鈴木京香、戸田恵子、西村雅彦、井上順、布施明、渡辺謙 市川染五郎(現・松本幸四郎)など

 ラジオドラマの制作を巡っての騒動を描いている。主婦(鈴木京香)持ち込みの脚本が主役級の声優(戸田恵子)の勝手な思惑で

振り回され脚本の本筋からどんどん離れて行ってしまう。その対処に、プロデューサー(西村)、ディレクター(唐沢)他スタッフたちの

人間性が面白おかしく現れてくる(殊に効果音のくだりは

特筆すべきは当時の市川染五郎(幸四郎さん)。管理室の守衛?のようなほんの十数秒の出番なのだが、

いきなりデイレクターが部屋に入ってきて勝手に機器のあれこれをいじり回されて動揺するシーンが上手い。

この「え???なにしてんの」という胸の内側の動揺に、人の好さとのほほんとした長閑さと真面目さがぜーんぶ内包されていた。

・・・それにしても贅沢な使い方だ

 

今、唐沢寿明がTVドラマで「プライベートバンカー」の主役を演じているが、27年前の唐沢は本当にいい目をしている。

 

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同監督を再び追って観る。アメリから・・・

2023年05月16日 | 映画

ジャン=ピエール・ジュネ監督。

年代はかなり遡り、オードレ・トトゥの「アメリ」からどんぴしゃにこの監督に浸ってから久しい。

先週末から再びこの監督に回帰してみる。

「天才スピヴェット」、「ロストチルドレン」、「ミックマック」

と、やはり観てしまったら画面に引きこまれてしまう。

それぞれの作品に通底するのは浮遊感。一時、浮世へと浮遊した感じが独創的。

現実の厳しさも背景に忍ばせているが、そこは上質のユーモアで飛び越えていく。

場面展開が鮮やかだ。例えば、「喜」の感情から「哀」へと辿る過程が一瞬の画像で見事に表現される。

なので、脳内処理は任せたぞと言わんばかりの開けっぴろげな感じが気持ちいい。

いつまでも映像が脳裏に刻印され続ける。

 

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検事と殺人容疑の介護者、あなたは・・・ロストケア

2023年03月30日 | 映画

「ロストケア」上映中

監督:前田 哲  脚本:籠居由香里 

出演:松山ケンイチ・長澤まさみ 他

(画像:映画ドットコムより)

 

ある殺人事件の容疑者として逮捕された男は介護要員として働く仕事熱心な男だった。

誠実な働きぶりで訪問介護する先々での評判もすこぶる良かった。その男がなぜ??

調べていくととんでもない事実が判明する。これまでに41人の利用者が殺されていたのだ。

・・・・ここから容疑者(松山ケンイチ)と検事(長澤まさみ)双方のやりとり(画像画面)が始まる。

容疑者のありのままの現実を吐く言葉がぐさりと刺さる。彼は介護される者もその家族も「救った」と述べる。

行政に”穴”があるから自分が殺めて救おうとしたと。検事は患者や家族の在り方はあなたが決めることじゃない!と激高する。

「安定した場所にいるあなたにはわからないでしょう」と静かに淡々と述べる容疑者に私は深く頷いていた。

彼が過ごした日々は”誠実”であったと無理にでも思いたい。安易に逃げない脚本だった。

松山と長澤の渾身の演技であった。

 

 

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岸井ゆきの・・・参りました。

2023年02月05日 | 映画

「ケイコ目を澄ませて」上映中

(画像は映画.comより)

監督/脚本:三宅 唱  出演 岸井ゆきの 三浦友和

 

耳が聞こえない女性ボクサーのケイコ(岸井ゆきの)の日常を描く。

ジムでの練習風景、職場での仕事(ホテルのメイキング)、自宅での様子(弟と暮らす)、友人らとの交流・・そんな風景が淡々と流れていく。

”耳が聞こえない”を誇張する作りではなく、聞こえないケイコと周りの人々が一見難なく溶け込んでいるように見える。

淡々と流れていく風景の中で、終始表情を抑えた岸井ゆきののケイコの目から目が離せない。

どんな場面でもケイコの目を追ってしまう。目で”聞かなければならない”ケイコの目はいつでも懸命だ。

だが、時折見せる和らいだ笑顔はとびっきり優しい。

岸井ゆきのは完全にケイコを生きていた。ゾクゾクするようないい女優さんです

 

ボクシングの打ち込みの練習風景は凄かった。

シュッシュッと素早い動作を得るためにどれほど練習を積んだのか。小刻みにリズムよく聞こえる打ち合いの音が小気味いい。

加えてボクサーたちの脚さばきのトレーニングの抜群のカッコ良さよ(これ、ダンスの振り付けに使えるのでは?)

 

 

 

 

 

 

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