日々、思うことをサラサラと。

日頃、イイな、とかおかしいゾ、とかキレイだなと思うことをサラサラと書き出してみたい。

10月、映画・TV期待作

2017年07月26日 | 映画
「あゝ、荒野」2017/10/07前編、10/21後編公開
         監督:岸 善幸 原作:寺山修司
菅田将暉くんの新作です。
彼は驚く頻度で映画・TVに出演しているがこれは「観たい」と菅田主演作で初めて思った。
共演者がヤン・イクチュンだよ。
「息もできない」-韓国2010年作品ーのあのヤン・イクチュン。(ヒューマンドラマ)
(未だに「息もできない」を見終わったときの感情を鮮烈に思い出せる)
監督が「二重生活」を制作した方で、原作が寺山修司。
これはもう観るしかない  期待値大です。
菅田くんの代表作となるかも・・の予感がしてる。


TVでは10月期~の連続ドラマで宮藤官九郎の脚本作「監獄のお姫様」が放送されるようだ。
(TBSというのが少々気になるが
クドカン作品は外せません。
出演者もお気に入り演者揃いで、小泉今日子・満島ひかり・菅野美穂・夏帆・坂井真紀と
上手い顔ぶれが見事に揃っているではないか
これも期待値大です。


付記
「忍びの国」は毎週毎週夏休みの強敵娯楽作品が登場してくる中、健闘してますね。
じわりじわりとコメディ仕立てに隠れた内容の深さが浸透してきてる手応えを感じます。
これからも難敵が次々続くがランキング8位圏内あたりにいればロングで上映してくれるかな。
惜しいのです・・この良作が夏休み中の子ども・若者向けの作品に押されて消えてしまうのが。
(若い人も惹きつけてはいるが銀魂の派手キャラに押され気味)
コメント

どうも腑に落ちない

2017年07月15日 | 喜怒☆楽
どうしたの?なんで?が、ずっと止まらない。
どうも腑に落ちなくてすっきりしない。

「忍びの国」が公開中(100万人突破)だが、企画側のTBSに疑問。
ほとんど押してる様子が見えないのだ。なんという宣伝の少なさ。
(ツイッターでもやはりちらほら同感者の声が上がってきている)。
いかなる理由があるのか??

そもそも7月1日公開時点で「パイレーツ・オブ・カリビアン」と被り、翌週は「メアリと魔女の花」が公開され
「銀魂」(主役級の旬の役者が勢ぞろい)「ポケットモンスター」ほか次々と話題作が公開されている。
「忍びの国」の内容からすれば3週連続観客動員数1位獲れたはずなのに、
それがもったいないと映画興行に熟知した方のコメントを耳にする。(パイレーツ・・は世界規模で規格外だという)

こんな激戦の時期になぜ「忍び・・」は投入されたのか?
なぜ、TBSは宣伝を控え目に抑えているのか?(控えるどころか他映画をスポットで流している)
背景に何かいやなものが蠢いている気がしてならないのは気のせいか。

だが、良質な作品はやはり人を動かす。いやでも動く。
「忍びの国」はスクリーン数こそ減ってはいるが、男性・おじさま族、映画通をも魅了しているようだ。
際立っているのはリピーター率の多さで、主演ファン以外の方でも”無門”をもう少し探りたくなって2度観するというパターンが多い。
作品後半の無門の演技はクセになる。あの、声・目付きに・・。
逆境、乗り越えてがんばれ無門。



ランキング5位以内をキープしてロングランヒットとなってくれれば良いな。
ランキング云々が気になりいろいろ調べたりするのは初だ(これがなかなか面白くもある)
ほとんどマイナーな作品を観ているのでランキングを気にしたことがなかった。
観るなら、内容が映像が気持ちの琴線に響いてくるものを観たいと思う、ただそれだけ。
なればこそロングランとなって見続けたいと思うのである。



コメント

解けた。

2017年07月07日 | 映画
「忍びの国」度々の感想。(ネタバレですので注意)

あるブロガーさんの「忍びの国」の感想を読ませていただいて、
いくつかの”引っかかり”が解けた。

無門が壮絶な平兵衛との決闘を終え平楽寺で十二評定衆の一人を刺すシーン。
その時使用した武器は平兵衛のものだったという。
つまり、平兵衛の形見で無念をはらし”人”として怒りを爆発させたということ。
なるほど、なるほど画面展開が早くて気がつかなかったけどそういうことか。

すると
決闘シーンで平兵衛が倒れる寸前に無門が放ったことば「わかったよ、もう怒るな」
のあの声が、すんと鎮まったあの抑揚が鮮やかに記憶に蘇ってくる。
「わかった」の一言に込められた無門の重い決断だった。
そして、平楽寺で無門が死んだと知らされていたお国と再会したときに、ちょっと
表情が険しい部分が勝ってしまったかなと思っていた部分が見事に払拭されてくる。
「後先考えて無茶できるかー」のセリフも無理なく納得。

ここが解けてくると
あらためて無門の、大野智の各箇所の的確な演技に驚く。
凄いな


ここに気付いてくれたブロガーさんに感謝です。




コメント

忍びの国を二度観る

2017年07月05日 | 映画
「忍びの国」をリピートしてきた。(前記事補足)

この作品でまず際立って感じることは全員キャストたちの人選が見事だったこと。
どの役者も嵌り役で活きている。

前半、(これ以下はネタバレになります)
怠け者のとぼけた無門(大野智)で可笑しみを誘うのだが、
怠け者で”絵”的に引っ張るには弱い部分を
大膳(伊勢谷友介)と北畠具教(國村準)が観客を掴む。
さすがの國村準の圧倒的な存在感がここに在る。
伊勢谷が國村に切り付ける瞬間、蹴られて落ちていく様は素晴らしくかっこいい
伊勢谷の大膳は終始、貫禄と鋭いビジュアルで画面を引っ張った。

下山平兵衛(鈴木亮平)も気迫の籠った全霊で向かってくるような演技だ。この人も見事。

信長の次男・織田信雄〈知念侑李)は以外にも(失礼)この人も役に嵌っていた。
偉大な父を持ったがための屈折感を 立ち姿・所作が未だ巧者とまでは行き難い知念なればこその
”今”でこそ出来る必死さが表出されていた。凄い頑張っていた。
その若き妻・凛もセリフを吐き出す声がド迫力で「おぉっ」と驚いた(やったね!平祐菜

十二家評定衆の巧者のクセ者俳優陣は言うまでもなく役を存分に愉しんでのではないか。
立川談春・でんでん・きたろう他の皆さん存分に堪能させてもらいましたぞ。
談春さんの声を張り上げるシーンはさすがの声域と張りでした。
でんでんも独特の底知れぬ薄気味悪さが健在で、きたろうはもうそのままの半六ですね。
次郎兵衛(満島真之介)は冒頭早々と死んでしまうがしっかりとインパクト残しているし、
マキタスポーツもかなり頑張って食らい付いていってました。

お国(石原さとみ)は美しかったな
品位の高い役どころゆえ、表情・所作を抑えつつじわりと感情を伝えてこなければならない。
限定された顔筋の中から演じてくる幅の広さ豊かさを感じる。
(欲を言えば、もっと無門との夫婦としての日常の情景を観たかったな)

そして、無門(大野智)です。
こければ自然に可笑しい、怒れば豹変する、哀切な場面では胸にグサリと刺さる。
大野の演技は狙ってこない、観客に媚びようとしない。
誠実な演技で、だから真っ直ぐこちらに向かってくる。
ゆえに人の気持ちがぐらりと動く。
役者として”神さまに指さされた人”と言いたくなる。

話題を呼んでいる無門と平兵衛のアクションシーンは二人の目付きに怖気づく。本当に凄い
ラストは唐突な形で哀切な別れとなり、無門が感情を表面にぶつけてくるシーンは心を鷲掴みにされる。
無門はお国が残した無言のメッセージをしっかり受け取っていた。
最後の最後、エンディングテーマが流れ始め無門と共に歩くねずみ(救い出された子ども)の
手の先の行方に注目して下さい。
虎狼であった無門が愛したお国によって(無門を愛したお国によって)もたらされた尊い”情”が通い始めた瞬間。
無門はこの後、孤独へと逆戻りしたのではなく子どもの”父”となって情を繋ぎ暮らしてゆけたのだなと
ナレーションで確認できたとき、私の気持ちは晴れやかに澄んでいった。


この作品は監督のキャスト人選の勝利
それに見事に応えた役者陣も素晴らしい

中村監督が伝えたかったメッセージは深く、今私がごときが読み解くのは敵わないのですが、
なるべくたくさんの人に各年代に届くようにと練られている作品だということは分かる。
小学生にも受け入れられ、女性にも男性にも年配の方にもと範囲を拡げてしまうと本当に難しい。
小学生にも分かるように描いてしまうとどこかの年齢層で忌憚を来たす恐れが充分にある、
年配の方に説得力をもたせようとすると年若い層がついてこれない。
もう、本当にかなり難しい挑戦をされている。
そんな難しい挑戦を試みて、結果、頃合いの良いベストなバランスで仕上がってきた作品だと思うのです。
劇場には老若男女が揃い、客席にいてその多様な色彩の雰囲気を感じるのが私も愉しいです。

予想もしなかったのは2度目を見終わってから登場人物それぞれを愛おしいと感じられること。
無門・お国を筆頭に大膳・平兵衛・信雄・左京亮そして伊賀のものども、十二家評定衆・・・それぞれがその時代の
背負った事情の中をそれぞれの立場で懸命に生きた・・・・監督、どえらい感情貰いうけました。

次々に手強そうな新作が続いてくる中、そっと地道にロングヒットになっていくのではないでしょうか。




附記
中村監督の「アヒルと鴨のコインロッカー」-2007-
も大好きな作品です。


コメント

忍びの国の役者たち

2017年07月02日 | 映画
「忍びの国」7月1日公開~
  監督:中村義洋  脚本:和田竜(原作者)
  主演:大野智 石原ひとみ 伊勢谷友介 鈴木亮平 立川談春 でんでん 国村隼 他

原作が面白かったので昨年の映画化のニュースからずっと気になっていた作品だ。
夕刻、入館し「忍びの国」劇場の中を見回すとこれまでに見たことのない現象が起きつつあった。
老若男女、見事に揃っているんである。若い女性は予測どおりだけど、親子連れ、中高齢の男女、若い男性、
カップルとあらゆるジャンルの年齢層が観にこられていた。
一人で見に来る中高齢・若い男性たちは、日頃”映画好き”を自称するような方々だろうな。
結構、映画は見ているがこんな現象を見たのは初だ。

作品は全編をとおしてよく仕上がっていたと思う(脚本が原作者ということもあり)
正直、”コメディ”?と訝しんでいたが、そこは大野智が自然になんの気負いもなく笑いを
放ってくれている。観客に意識させない自然な笑いを誘発させてくるって相当難しいんだけど。
こういうところが大野の上手さだ。
そして後半のクライマックスで大野智の真骨頂ともいえる”予告1”で度肝を抜かれた場面に突入する。
ありったけの”怒”の感情を一言で表すセリフ回しの上手さ、怒り、哀切という感情をこれほど一瞬の目で表現できるとは。
この役者の際立つ特徴は特異な声質と目だ
声の抑揚で馴染ませて観客を目で射ることができる稀有な役者だ。
(話題となっていた決闘シーンは期待以上でした)

他に伊勢谷友介・鈴木亮平は熱演で作品に厚みをもたせてくれた。
このお二人、アカデミー助演男優賞ともに捕るかも(1作品一人?)
国村隼は僅かな出演ながらさすがの存在感をしめし、でんでん・談春・マキタスポーツ・満島慎之介
総じてみんな頑張った感がある。

石原さとみはこの作品の本当に美しく気高くそして智い。
”出来る”人だけど、上手く抑制された演技だったと思う。


公開されたばかりでネタバレになってしまうので、この辺で。
コメント