遂に終わってしまった

先月、身内のものが亡くなった。享年６３才。

長い長い闘病生活を経て、遂に。
その間、健常なものは生きて行くために
緩やかにその人の存在を消していく。
いつでも気にかけつつ・・。
自分を鼓舞するため無理にでも朗らかに振舞う。
失って、どんなにそこに無理があったのかを知る。


常にその覚悟はあったので不思議と涙が出てこない。
若いけれど充分に生きてがんばった。
「もう、がんばらなくていいんだよ」と私はその人の枕元に
声をかけていた。
その人もそう望んでいるような気がした。


あれから３週間。
ＤＶＤを観てみようか、という気になってくる。
選んだものは「バグダッドカフェ」だった（完全版以外の作品）
人生の要所で観てきた作品だ。
気を張る、緩める、の過程は加減が難しい。
どちらも過ぎてはやがて”ほつれ”が来る。
ジャスミンから学ぶことは多々ある。

そろりそろりとではあるけれど、元の生活に戻りつつある。
いま、逝った人の解放された朗らかな気を感じる。