読んでから知ったけど、芥川賞受賞作らしいです。何かが起こりそうで何も起こらずに終わる話。言葉が軽いわけではないけれど、引っ掛かりがなく読みやすい文章で、それが何も起こらないこの話に合っていて、今の空気にも合っている気がする。コミカルなふうにも切ないふうにもとれるニュートラルな小説だと思いました。
夜中3時のコンビニの。
煌々とした店内に。
みかんがひとり立っていて。
僕の行くべき方向を。
静かに確かに指している。
僕がちらちら見ていたら。
皮を開いて突然言った。
「食べるために生きるのか。
生きるために食べるのか。
人のために生きるのか。
俺の中身が甘いのは。
人のためじゃないんだぜ。
俺のためじゃないんだぜ。
それは俺がみかんだからだ。」
そして皮を静かに閉じて。
ころんと其処にころがった。
にゃんこ先生!
あ間違えた。
みかん先生!ありがとう。
僕は心を受け取って。
立ち読みなどして帰ったよ。
煌々とした店内に。
みかんがひとり立っていて。
僕の行くべき方向を。
静かに確かに指している。
僕がちらちら見ていたら。
皮を開いて突然言った。
「食べるために生きるのか。
生きるために食べるのか。
人のために生きるのか。
俺の中身が甘いのは。
人のためじゃないんだぜ。
俺のためじゃないんだぜ。
それは俺がみかんだからだ。」
そして皮を静かに閉じて。
ころんと其処にころがった。
にゃんこ先生!
あ間違えた。
みかん先生!ありがとう。
僕は心を受け取って。
立ち読みなどして帰ったよ。