クラッシックコンサートでは、演奏に感動すると
「ブラボー」と言って惜しみない拍手を送る。
あれは、本当に感動しているんだろうか?(・。・;
ひょっとしたら、ライブコンサートのように、
興奮しているだけなのかもしれない。
一度だけ、会場中が感動した瞬間に居合わせたことがあります。
レッスンを受けていたピアノ教室の発表会。
毎年文化会館のホールを貸し切って行われるのですが、
私が高校1年の時、どうしてもホールが押さえられず、
とても小規模な会場で開催されました。
当然ステージと客席の距離は近く、ステージの高さも、
段差程度のもので、演奏者の手元がよく見える状態でした。
客席に感動を与えたのは、私と同年の周子ちゃん。
彼女は小学生の頃から、速い曲が得意で、リスト、ベートーベン、ショパンなどを
よく弾いていました。
当日はベートーベンの「熱情」第3楽章。
演奏時間は長く、約10分。とても速い曲です。
いつも演奏前はガチガチに緊張して、ハンカチをにぎりしめています
椅子の高さ調整をして、鍵盤をハンカチでさっとふいて、呼吸を整えて、
たっぷり時間をかけて落ち着いてから、演奏に入るのが彼女のスタイル。
うらやましいぐらい指がよく動き、速い曲なのに、せきたてられるような
不快感は全くなく、最後は力強いタッチで演奏が終了します。
その、最後の音を弾き終わった瞬間、会場中から「(◎o◎)ほぉ~」
と一斉にため息が上がったのです。
人は演奏で感動すると、歓声ではなくため息がでるのかと、そのとき初めて知りました。
私もこんな演奏がしたい(@_@。
そう思い続けて、ようやく32歳の時「熱情」が弾けるようになりました。
もちろん周子ちゃんのように上手には弾けませんが、少しずつテンポを速くしながら
苦手な暗譜をして、自分なりに最後まで弾けるようになりました。
毎日練習をするようになって、半年もかかりました。
その後、周子ちゃんは大学進学とともにピアノをやめてしまいました。
天が二物を与えてしまったので、頭のいい彼女は大学受験のために
レッスンをやめてしまい、成人した頃には
「もうあの頃のようには弾けないよー」
と言っていました。
ちなみに、彼女には2歳違いのお兄さんがいるのですが、
彼も同じように、ピアノがとても上手で、
しかも頭のいい人だったので、ある時期から
ピアノは弾かなくなりました。
もったいないけど、毎日弾いてないと
すぐに指が動かなくなるから、仕方ないんです(T_T)