lemonの日記

音楽、トールペイント、パン、猫のみかん

バダジェフスカ:「乙女の祈り」と 「かなえられた祈り」

2015年05月14日 | 音楽

今度の発表会の曲に、小6の生徒さんMちゃんの選んできた「乙女の祈り」、

多くの人の耳になじんでいる曲だと思いますが

教室の発表会ではこの曲はかなり久しぶりです。

 

作曲者のバダジェフスカは、1838年ポーランドで生まれた女性作曲家で、

若く20代で亡くなりました。

曲の作りとしては、三種類の和音のみでできた伴奏形もシンプルだし、

変奏も、第3変奏で右手が低音部にクロスするほかは変化が少ないのですが、

優雅な変ホ長調の響きにのって聞こえてくる鐘の音、

静かな祈りを思い浮かべるメロディーが、とても印象的で、

こうして長い間、多くの人に親しまれてきたのですね

 

そして、もう一曲あげさせていただくのは、「かなえられた祈り」です

「乙女の祈り」の返し歌となるこの曲、

重いハ短調の前奏は、苦悩を表しているようにも思いますが、

途中「乙女の祈り」でも使われたテーマが出てくるところから、

それらが遠くへ去っていくようです。

続く穏やかなテーマがやはり変奏されていく部分は、

かなえられた祈りへの感謝なのでしょうね

 

zen-on piano solo 「バダジェフスカ:かなえられた祈り」 全音 全音ピアノピースPP-515

 

 

バダジェフスカ ピアノ作品集~乙女の祈り~ (ピアノ・スコア)
クリエーター情報なし
ヤマハミュージックメディア

「乙女の祈り」「かなえられた祈り」ともに入っています。


ドビュッシー:「子供の領分」 より   4. 雪は踊っている

2015年03月10日 | 音楽

北風が戻ってきた一日でした

ストーブのそばで丸くなりながら、窓の外を見て思いうかべる曲。

「子供の領分」は、ドビュッシーが娘のシューシューの3歳のプレゼントに贈った6つのタイトルの作品で、

その第4曲目が「雪は踊っている」です

冒頭からの16分音符の雪の舞うようなモチーフが繰り返される中に、

ほかの旋律が浮かび上がってきます。

 

ドビュッシー子供の領分より「雪は踊っている」(リンク先へとびます)

 

この曲を習ったのは、比較的最近で、と言ってもまた7、8年前ですが

・・・レッスンで、当時の先生に、

「この曲でどんなことを思い浮かべて弾いているのですか?」と、たずねられ、

「はい、それは・・・かわいらしいタイトルですが、これは大人の見た子供の世界、

明るい無邪気な白い雪景色と違って、鉛色の空や雪の景色が明るくなったり暗くなったり、

ふわっと夢の中のように思っていると、時々暖炉の薪がはぜるような音や窓をたたくような音に驚いたり、

雪の中に何かいるみたいで、ちょっとこわいところがあります・・・

でも、ほんとの事いうと、情景を思い浮かべるよりは、

楽曲を解析したり、和音の響きを感覚でとらえるのが好きなのです

というようなことを答えると、

先生はいいとも悪いともおっしゃらず、にこにこ笑っておられるだけでしたが

今思うとえらそうなことを言ってしまいました

(これは私のイメージなので、もっと自由に聴いたり弾いたりくださいね。)

さて、この雪がやんで、春がやって来ますように

 

 

ドビュッシーピアノ曲集(1)
クリエーター情報なし
音楽之友社

連弾の楽譜も一昨年の発表会で使いました。

連弾 子供の領分 ドビュッシー
クリエーター情報なし
音楽之友社

シベリウス「樹の組曲」より 「もみの木」Op.75/5

2015年01月17日 | 音楽

Jean SIBELIUS :The spruce, Izumi TATENO(HQ)

今から15年ほど前、門真のホールで舘野泉さんのピアノコンサートがあり、

主人と聴きに行きました。

プログラムは、第一部が、グリーグをはじめ、

シベリウス、メラルティン、カスキ、パルムグレンといった、

その頃まだ私の知らなかった北欧の作曲家の作品で、

第二部はムソルグスキーの「展覧会の絵」でした。

当時の舘野さんが、一曲ずつ曲について解説しながら演奏してくださり、

そのおだやかにお話しされる様子と、ふんわりした笑顔も、

訪れたことのない国々の、

風や木々の音、空や大地から届いたような響きも、

とっても心に残りました

 

さて、フィンランドの作曲家シベリウスの「樅の木(もみのき)」

今は、子供さん向きのピアノ曲集にも載っていて、

よく演奏されています。

「もみの木」というと、クリスマスの讃美歌の曲のほうや

ツリーを飾る楽しいイメージが最初にうかびますが、

北欧の国々の人にとってこの木は永遠の生命の象徴であるそうで、

この曲にも深い思いが感じられますね。

短調だけれど、悲しいのではなく、湧き上がってくるような旋律。

まっすぐな幹、しなやかな緑の枝葉、しっかりふんばる根、

大自然と生きていく木の命であり、人の命である・・・

心に寄り添い、支えになるような音楽です。

 

 


オーケストラで観る絵本のコンサートへ

2014年12月16日 | 音楽

娘にチケットをプレゼントしてもらって、楽しいコンサートに行ってきました

京都交響楽団によるクリスマスコンサートで、タイトルは

「オーケストラで観る スノーマン」

一部と二部の入れ替え制で、

一部前半は、幼児も入場可の、ルロイ・アンダーソンの曲中心の「はじけるメロディー」

二部前半は小学生以上を対象に、チャイコフスキーのよく知られた曲で「バレエファンタジー」

そして、いずれも後半は、映画の「スノーマン」の上映に、オーケストラのライブ演奏があるのです。

 

「スノーマン」は娘が小さい頃から大好きだったお話

絵本を読まれたり、映画を観られた方も多いと思いますが、

少年と彼が作った雪だるまとのお話。柔らかなタッチの絵が優しく、心温まる作品で、

映画はセリフがなく、映像と音楽のみで進んでいきます。

ピアノ用の楽譜も全音から出ています。(でも買ってながめてるだけで、あまり弾いてなかったな

 

周りは小さい子ばかりかなと思いながらホールに行くと、

大人もたくさん、よかった

オケを観ていると映像は壁紙のように、

映像に見入ると、オケはバックの音楽になって、不思議でおもしろいのです。

お話のラストは、何回も見て知っていても、やはり切なくて、

・・・今度こそ結末が変わっていますように、などと思ってしまうのでした

さあ、もうすぐクリスマス。子供にも大人にも夢ある一日ですように

 


マンドリンの演奏会へ

2014年12月10日 | 音楽

久々にマンドリンの演奏会に行く機会があって、

日曜日、長岡京のホールに行ってきました。

この日聴いたのは京都大学のマンドリンオーケストラ定期演奏会です。

マンドリンはバロック音楽の時代にイタリアで生まれた、木製の撥弦(弦をはじく)楽器、

明るくからっとした音が特徴です。

この楽器と、一回り大きく低い音のマンドラや、もっと低いマンドリンセロにマンドローネ、

それからギターに、ベース音となるコントラバスなどで編成されるのがマンドリンオーケストラで、

一台では小さく細い音も、重なることでいろんな表情になります。

 

ホールには古いOB(変な言い方だな)と見受けられる人もあちらこちらに

部員数が80数名というのもちょっとびっくりしました。コントラバスが7人もいるなんて頼もしいな。

そしてオープニングは校歌からです。

プログラムは3部構成。マンドリンオケのための曲に、ベートーヴェンなどの編曲作品、全部で8曲です。

とてもシンプルな清々しいステージ。ていねいな音楽づくり。

最後は涙ぐむ学生さんも。

ぎっしり約2時間20分、アンコールはない潔さ。すべてのプログラムに一年間の頑張りを詰めてきたのですね。

一生懸命な演奏に心うたれる、素敵な演奏会でした

 

来年は自分の母校のも聴きに行けたらいいなと思います

 

 


娘のリサイタル

2014年12月06日 | 音楽

親ばかだなあ、と申し訳ないのですが

先週の日曜日は娘の演奏会があって、家族と親戚、7人で応援に行ってきました!

100席も並べたらいっぱいになるコンパクトなホールですが、

今回は、社会人として自立する第一歩となる演奏会。

当日は、もう一人のピアノの方と二人交互に、

娘の演奏したのは、ベートーヴェン「水車小屋の娘」による変奏曲、 ドビュッシー 「喜びの島」、

リスト「バラード2番 ロ短調」などです。

お世話になっている方々に友達や生徒さん、いろんな方が来てくださって、

会場は和やかであたたかな雰囲気でした。

こうして無事に音楽会を開催することができたのはたくさんの方の協力のおかげ、

周りのみなさんにつねに感謝の思いと、謙虚な気持ちを忘れずに、

これからも勉強していってほしいと願っています

お越しいただいたみなさん、応援してくださったみなさん、本当にありがとうございます。 

 


ゴールドベルク変奏曲より

2014年11月14日 | 音楽

G・グールド J.S.Bach ゴールドベルク変奏曲 アリア~第10変奏、アリア

秋の夜長の夜更かしが楽しくて、つい今週はずっと寝不足でいました。

健康には気を付けないといけませんね。

毎日何時間かは、音楽にふれて過ごしていますが、

この曲は、夜の遅い時間にゆっくり聴きたくなります

いろんな方がきちんと解説しておられると思うので、あえて私など何も書くことがないと思いますが、

不眠に悩む伯爵のために作られたというエピソードも、

真偽はともかく、よく知られていますね。

最初のシンプルなアリアが、続く30の変奏で刻々と変化し、最後にまたおだやかにアリアがあらわれるのが印象深く、いろいろなことにたとえられます。

一時間以上ある曲ですが、最後のアリアの一つ手前の民謡旋律の変奏になると、

ほっとするとともに、

ああ、この楽しい時間がまだ終わらないでほしいのにな、

と思ってしまうのです

 

今日は自分の誕生日なので、いろいろ思いながらこの曲を聴けそうです。

 

 


パルムグレン  星は瞬く Op. 72ー1

2014年09月24日 | 音楽

 

フィンランドの作曲家パルムグレンの「3つの夜想的情景」の第一曲目、

以前あげさせていただいた「粉雪」とも似たつくりの曲です。

高い音域に星空が、その下にある歌は

お星さまが歌う子守唄かしらと思うほどに優しく切なく、

聴いていると大きな自然に包まれているようです。 

(動画のリンク先に飛びます↓)

パルムグレン3つの夜想的情景「星は瞬く」 


ショパン 「ワルツ ブリランテ F-dur op.34-3」 (子猫のワルツ)

2014年09月09日 | 音楽

Chopin Bunin

 

今度、大人の生徒さんのSさんの宿題になった曲、

明るく躍動感にあふれるとってもチャーミングなワルツです。

くるくると毛糸がころがるような8分音符4つのモティーフが、

3拍子のリズムに、おやっと思う楽しい変化を作るこの曲は、

「子猫のワルツ」という通称でよばれることもあります

これは、もちろん後世の人達がつけたものですが、

しなやかで弾力のあるメロディーに、猫のしぐさや敏捷さ、鳴き声などを

思い起こさせるところがあるのかも知れませんね

 

YouTube映像を見て、1985年の当時は日本中が 19歳のブーニンの演奏に沸いたことを思い出します。

学生だった私も、頑張ってLPレコードを買って

これまでにも知っていた曲が新鮮に聴こえ、そしてなんて自由で楽しいピアノを弾かれるのだろうと

感動したのを覚えています

 

生徒さんSさんは、もう15年も習いに来てくださっています

お子さんが習い始めた時に、一緒に弾けたら、というきっかけから、

どんどんレパートリーをふやし、今ではご主人までもクラシックファンになり

休日は音楽会を一緒に楽しまれているのだそう。

ピアノの音がご家庭に広がるのは、とてもうれしいことです

 


ベルのコンサートへ

2014年06月24日 | 音楽

先日、数年前に入っていたハンドベルのグループのコンサートに行ってきました

この楽器は、ふだん馴染みのない人も多いかと思いますが、

 今から400年ほど前に、イギリスの教会で 生まれたものなのだそうです。

ベルの一本ずつが、ピアノでいうと一本ずつの鍵盤にあたり、

ずらりと並ぶ姿は壮観です!

 

 

低い音はパイプオルガンのようにあたたかな荘重な音、

高い音は透き通った光のようです。

また、アクロバティックにベルが行き交うのを見るのも楽しいところです。

(もっとも、ベルは真鍮製でかなり重く、聴く身には心安らぎますが、演奏される側の練習や準備はたいへんですね

この日は、日頃耳にする機会の多いクラシック曲を中心に、しっかりした演奏を聴くことができました。

クリスマスのイメージのあるベルですが、この季節にもぴったり。

すがすがしいベルの響きに

梅雨の重い空気も忘れてしまう時間でしたよ。