Ashkenazy plays Rachmaninov Prelude Op.23 No.6 in E flat major
左手のやわらかく湧き上がるようなフレーズで始まるこの曲は、
ラフマニノフの前奏曲の作品23の中の6番目で、
メロディーも和声も美しく優しい曲の一つです。
わずか4ページの曲のなかに、ラフマニノフ特有の和音が広がっていき、
どこかなつかしく昔を回想するようなのだけど、
思いが届きそうで、届かなかった切なさ、ほろ苦さも感じさせながら、
まぶたをとじるように終わります。
鍵盤の12度届いたというラフマニノフは、たくさんの和音をつかむ作品も多く、
学生時代には、楽譜も高くて手に入りにくかったこともあり、
弾けないだろうと避けてきた作曲家でしたが、
今習っている先生にすすめられ、実際に楽譜を見るようになると、
指遣いや、左右のアサイメントを考えると、案外弾けるものもあると気づきますし、
和声的にも、各声部が細やかに入り組んだり、最近ようやくそのおもしろさに気がついてきた感じの私です。
でも、まだまだ、先生から、「ラフマニノフは、音をずっとつかんでいて、音が浮かんでこないように」
と言われ、苦労していますがんばらねば
最近、娘の友達が来て、この曲を弾いてくれました。
その子はホルンを専攻にしながら、ピアノでもいろいろ弾きますが、
おもしろいですね、演奏してくれるこの曲のメロディーも、ホルンがうたうようにあたたかく聞こえるのです・・・
演奏は、その人の心の声なのだなとつくづく思います