長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』

2017-12-17 | 映画レビュー(ろ)

第2次大戦終結の夜、若きエリザベス王女はおしのびでロンドンの街へ繰り出し、国民達と戦勝を祝う。そこで出会った一人の兵士との忘れがたい“ビフォア・サンライズ”が君主としての目覚めとなった…。

という劇的な出来事は当然なかった。
あくまでオフィシャルに各所を表敬し、深夜に行われた国王のスピーチの際にはその隣に立って共に国民を慰労している。『ロイヤル・ナイト』は怒られかねないファンタジー映画だが、『クイーン』同様、空想に過ぎない女王の心理描写には彼女への敬意があり、イギリス人の王室(そしてゴシップ)好きな気質が感じられた。王室はこの程度では怒ったりしないし、
『ローマの休日』もどきな二次創作として楽しむべきだろう。

 実物よりも美しく可憐なエリザベス役サラ・ガドンの凛とした存在感だけでも十二分に見応えがあり、彼女を愛でる映画である。戦勝に湧くロンドンの夜を再現した大規模なモブシーンも圧巻だ。


『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』15・英
監督 ジュリアン・ジャロルド
出演 サラ・ガドン、ベル・パウリー、エミリー・ワトソン、ルパート・エヴェレット、ジャック・レイナー
 

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